【はるか星のかなた】 プロローグ
プロローグ
人は、いつでも光るものを最初に選ぶ。
夜空を見上げれば、誰もが真っ先に一等星の名前を呼ぶ。
その光が強ければ強いほど、すぐ隣にあるはずの暗い宇宙の広がりを見落としてしまう。
私の名前は、かなた。
遠く離れた場所から、ただ一つの光を見つめ続けるために生まれてきたような、そんな名前だ。
隣にいる彼女の名前は、はるか。
誰もがその名を呼び、その笑顔に魅せられてしまう。
私は知っていた。
その眩しすぎる光の裏側に、彼女がどれほどの影を隠しているのかを。
そして、彼女の放つ光が、私の輪郭をどれほどぼやけさせてしまうのかを。
これは、世界で一番大切な人を愛しながら、世界で一番その存在を呪った、私たちの物語。

