ふたつの東京の歌|狂歌
狂歌
わがままは都の嗜み しかと聞け
成算あれば 人はいいなり
—美主魂亭
本歌
わが庵は都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり
—喜撰法師
◉喜撰法師の歌を空耳しながら東京を詠める。「都」は「くに」と読むもまた良き。
狂歌
菓子箱の 渡せる底の 札束の
厚きを見れば 罪ぞ吹きにけり
—美主魂亭
本歌
かささぎの 渡せる橋に 置く霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける
—中納言家持
◉中納言家持の歌を空耳しながら「そちもワルよのう」と呟くもまた愚かなり。
Text: Zats Kuwahara
