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マリラ・カスバートのロマンス⁉

 6月にもっとも衝撃を受けたことを聞いてください。マリラとギルバートの父親が昔、恋人同士と噂される仲だったなんて。44歳になるまで知らなかった。みなさん、知ってました?

 我が家の平日の夕食どきはハオリとライチとわたしの3人で、世界名作劇場のアニメを流すことにしている。わたしが子どもの頃は、娯楽といえばこれか『ドラゴンボール』しかなかった。録画機能も整っていなかったら、外出などすれば永遠にその回を見ることができなくて残念だった。そこで、わたしの幼少期の心残りを満たすべく『小公女セーラ』から鑑賞を始めたのだ。つき合ってくれている子どもたちには感謝している。『母をたずねて三千里』は全員が悲しすぎて泣いてしまって初回で挫折、『赤毛のアン』は、セーラの意地悪役・ラヴィニアの声優さんがアンを演じていることに当初戸惑うも、もうすぐ完走というところまできた。

 ギルのパパがマリラの元カレという(わたしにとって)衝撃の事実が明かされたのは、マシューが亡くなって葬儀も終わり、マリラとアンが語り合う場面だった。マリラが「昔、彼(ギルパパ)と親しくしていたけれど、ケンカして謝ってくれたのを受け入れられなくてそれきり。後悔している」と告白するのだ。さわやかな青年に成長したギルバートを教会で見て、若き日のジョン・ブライスを思い出したからだという。え、この回見てなかった! 大人の入り口に立つアンと人生の終わりが近づいたマリラが対等な女性同士としてお互いを労わる印象的なシーンだった。そうだったんだ、アンとギルバートはやっぱり運命のカップルだったんだと胸が温まった。そして、『赤毛のアン』にますます魅了された。

 『赤毛のアン』の書籍版を読むと、世界名作劇場が原作の設定や台詞を大切にしていることがよくわかる。読んでいると頭の中で、ナレーションや声優さんたちの声で再生される。子どもの頃は、アンやダイアナを身近に感じていたけれど、中年になった今はマリラとマシュー目線で物語を追ってしまう。マリラって気難しくて怖い印象だったけれど、それは『小公女セーラ』のミンチン校長などと記憶が混在していたようで、実際は不器用でやさしい人柄で、リンド夫人とのさっぱりとした友情も物語にとって欠かせない要素だと感じた。アンが来る前は、マリラとマシューはどんな風に暮らしていたんだろう、と想像も膨らむ。一話一話が短く、アヴォンリーの景色も美しいので夕方のリラックスしたい時間におすすめです。