小説「雨も降らぬに袖しぼる」まとめ
「雨も降らぬに袖しぼる」まとめ
今回の小説は郡上八幡の今までの歴史で、実際にあった背景が多くでてきましたのでまとめました。
1,三力と新橋の「橋梁架替(きょうりょうかかえ)工事」
「新橋」は、1999年に架け替えられた橋です。現在は吉田川を跨ぐ橋脚のない構造になっていますが、前の橋の橋脚2本の跡は今も残っています。

下の画像、右は現在の「三力」(宮ヶ瀬橋と新橋の中間・右岸)。右の岩の上半分が崩れ落ちています。左は50年前の三力。崩れる前は水面から4mほどの高さがあり、上は平らな部分がありました。子供達はフリークライミングで登り、ここからも飛び込みをしていました。40m上流の新橋の橋脚がなくなることで大水が直接あたるようになり、風化がより進んだと思われます。

2,長良川と吉田川の出合の渡し船
50年前まで無人の渡し船があり、高校へ通うなど日常の生活で使われていました。ワイヤーを対岸まで引き、両側からロープで船を引き寄せることができる構造になっていました。現在も当時ワイヤーを張ってあった支柱だけが残っています。(タケちゃんという私の同級生は自電車を船に載せ川を渡り、渡し船と自転車で3年間高校へ通っていました。)

3,田中茶舗(小説では日下部茶舗)
昭和30年ごろに白川茶の産地で修行され、八幡のこの場所でお店を開いた勇さんをモデルにさせて頂きました。郡上に来てからは小那比(おなび)茶も生産されていました。

4,上田家
上田家から八幡城までは3kmほどですが、ここから八幡の宿場入口の桝形までは1km半ほどあります。上田家は、お殿様の参勤交代において、江戸へ向かう際は最初の休憩場として、帰国(交代)の際は最後の休憩所として使われたと思われます。

5,桝形(上桝形町)
下の写真は現在の上桝形町(島谷)です。江戸時代は道路がZ字(S字やクランク状)になっていて、上から見ればここは折れ曲がった横の場所になります。現在は両方の角が交差点になっています。攻め手の進路を直進できなくすることで敵のスピードを落とし、横や上からの集中攻撃を浴びせることができる構造になっていました。城郭の構造を取り入れたもので、宿場が軍事的な拠点でもあった名残を留めています。
『郡上の八幡 出ていく時は 三度見返す 枡形を』

6,金の弩標(きんのどひょう)
郡上藩主・青山家の誇る、徳川家康から拝領した馬印です。金箔を施した弓具(空穂)に家紋が描かれたもので格式高い御印(おしるし)です。かつて戦場で前線を進む際の目印として使われたもので、小説のなかでも藩の権威や歴史を象徴する重要な存在として登場させました。
『金の弩標は 馬術のほまれ 江戸じゃ赤鞘(あかざや)郡上藩』

7,備前屋、藩校と裏庭から城へ抜ける穴
城下町に構える「備前屋」はかつての藩校(潜竜館)でした。一見すると通常の建物ですが、有事の際には裏庭からお城(八幡城)へと極秘裏に抜けられる隠し通路が存在していたという、城下町ならではの防衛の歴史とロマンを背景にしています。

8,刑場(穀見野刑場跡)
江戸時代、日本四大百姓一揆の一つに数えられる「宝暦騒動(郡上一揆)」の義民たちが処刑された場所です。写真の案内板と石仏が建てられていました、郡上おどりの歌詞「雨も降らぬに袖しぼる」の謂れの諸説のひとつとなり、当時の領民たちの悲壮な決意と歴史を今に伝えています。

9,高雄歌舞伎
八幡町市島の高雄神社には、地歌舞伎の「高雄歌舞伎」が奉納されている舞台があります。岐阜県郡上市八幡町市島地区に伝わる伝統的な「地歌舞伎」です。約250年の歴史を誇り、役者から大道具、三味線、唄に至るまで全て地元住民によって演じられます。

10,相撲場
下の画像の相撲場は合成で作りましたが、50年前までこの城山公園のこのあたりに、実際に屋根付きの相撲場がありました。
『角力(すもう)にゃ負けても 怪我さえなけりゃ たまにゃ私も 負けてやる』

11,円空仏・円空の湯
円空は寛永9年(1632)美濃国郡上郡(ぐじょうぐん)の南部、瓢ヶ岳(ふくべがたけ)山麓(美並村)で生まれたとされています。岐阜県郡上市美並町では駅をはじめあちこちに、円空仏のレプリカがあります。

12,源頼朝の愛馬 「磨墨」・磨墨公園
「磨墨(するすみ)」は、『平家物語』などで知られる源頼朝の愛馬(明宝気良産)です。頼朝はこれを家臣の梶原源太景季(かじわら げんだ かげすえ)に与えました。景季はこの馬に乗り、1184年の宇治川の戦いで佐々木高綱の「池月(生食)」と伝説的な先陣争いを繰り広げました。

13,人穴に溜まった踊り下駄の木くず
郡上八幡の町中の道路には、木くずの溜まっている箇所があります。写真はマンホールに溜まった「踊り下駄の木くず」です。

14,カンテラ
踊りの開催日に河原に缶入りピース(タバコ)の空き缶で作った、手作りのカンテラ(灯油ランプ)が置かれます。

