「はれときどきぶた」みたいな「はれときどきしょうがい?」っていう日記を書いてみた
〜あこがれの「はれときどきぶた」みたいな日記を書いてみる〜
「はれ ときどき ぶた」
みなさんご存知、矢玉四郎さんの伝説の絵本。
人気すぎてアニメ化までされた作品だ。
主人公は
小学校3年生である畠山則安。
あだ名は「十円やす」。
十円やすが
未来の日付で冗談半分で日記に書いたことが
なんとまあ・・・
現実になっちゃうっていう、
とーっても夢のあるお話。
トイレに大きなヘビが現れちゃったり、
お母さんがえんぴつの天ぷらを作り、
お父さんがそれをおいしいと言って食べたり、
「明日の天気は、はれときどきブタ がふる」
と日記に書くと、
次の日に本当のブタが空から降ってきたりしちゃう。
僕が子どもの時に大好きだった絵本。
僕もこんな日記書けるようになりたいな〜。
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
アスパラガスtです。
少しだけ自己紹介を。
アスパラガスtは、
妻、長女(中2)、次女(小5)、長男(3歳)の5人家族。
昨年(2024年)、
3歳の長男(アスパラJr.)は
知的障がいを伴う自閉症スペクトラム
と診断されまして。
そんなアスパラJr.との出会いもあって、
僕は15年間ずっと、
普通の公立中学校で先生として働いていましたが、
今年度から特別支援学校の先生として、
新しいチャレンジをしてたりしています。
なぜ「アスパラガスt」かというと
娘2人に
「パパってアスパラガスみたいなシルエットよな?」
と言われたことがあって。
なんとなくそれが気に入ってしまって、
アスパラガス先生……
アスパラガスteacher……
アスパラガスt
という感じです。
どうぞ、よろしくお願いします。
さてさて、
現在3歳の自閉症児であるアスパラJr.。
知的障がいも伴っていて、
現在の発達年齢は1歳8カ月くらいだそう。
喃語的なものは出てきたけど、
まだ明確な発語は少ない…
集団生活は大の苦手。
座ってじっとしているのは、
食事の時、くらいかな……
同年代のみんなとは
同じと言いたいけど、
これはやっぱり嘘になってしまう。
障がいのある子っていうのは、
少しちがうのは事実で
親として受け入れなくちゃいけない。
だけど、
数字が大好きだったり、
モノを等間隔に並べる天才だったり、
歌を歌うのが大好きだったり、
ステキなところもたくさんある。
「障がい」って聞くと
どうしても
大変そう・・・
かわいそう・・・
とか
マイナスなイメージを
してしまいがちだけど、
実際はそうでもない。
毎日、
我が家の笑顔の中心に
アスパラJr.がいる。
この日記は
そんなアスパラJr.との日々を
つづったもの。
アスパラJr.の日常は、
ほとんどが「はれ(晴れ)」ている。
いろんな人に支えられ、
いろんな人を支えながら、
楽しく、幸せに生活してる。
でも、
ときどき「しょうがい(障がい)」の部分が
でてきちゃったりする。
ただ、
ときどき出てきた「しょうがい(障がい)」って感じてた部分が
よくよく考えてみると、
これって「しょうがい(障がい)」だっけ?
誰でも持っているような「普通のこと」なんじゃないの?
ってことだったりもする。
だから、
この日記のタイトルは
「はれ ときどき しょうがい?」
せっかくだから
大好きな
「はれ ときどき ぶた」
の絵本のように
アスパラJr.の未来のことも書いちゃったりしてみた。
というわけで、
アスパラJr.とのなんでもない日常を
日記としてつづった、
「はれ ときどき しょうがい?」
はじまりま~す!!!!
(2024年3月➀)「はれ ときどき こもれび?」
アスパラJr.は
児童発達支援センターにお世話になっている。
ここは、
息子と同じような
「成長ゆっくりさんかも?」
と思われる未就学児の子どもたちが集まる
センターである。
情けない話だが、
学校の先生であるにも関わらず、
僕は息子との出会いで
人生で初めて
児童発達支援センターの存在を知った。
ここの空間って
とってもステキで、
子どもたち一人ひとりの
それぞれの個性が尊重されながら、
集団生活の練習をしている。
僕が今、
特別支援学校の先生として
チャレンジしているきっかけをくれた
場所の1つでもある。
そんなセンターでの生活を
アスパラJr.は
とっても楽しんでいる。
なかでも園庭で遊ぶのが大好きだ。
ただ、
遊び方に少しこだわりがあって……
遊具や砂場で遊ぶプログラムの日でも、
そこには目もくれず必ず立ち寄る場所がある。
どこかというと、
園庭のはしっこにある木の下
みんなが
遊具で遊んでいても、
砂場で遊んでいても、
一人でぼちぼち
木の下まで歩く。
園の先生はそれに付き合ってくれる。
本来のプログラムではないのに、
なんて優しい人たちの集まりなんだって思う。
本当に感謝しかない。
なぜ、木の下に行くのか…
親である僕やママは知っている。
アスパラJr.は
木漏れ日が大好きなのだ。
葉っぱの間から
キラキラときらめく太陽の光。
風がさーっと吹いて、
葉っぱがゆらゆらと揺れて、
木漏れ日がきらめく瞬間。
この一瞬一瞬のきらめきを
アスパラJr.は逃さない。
集中力抜群で、
鋭い目線で、
じーっと下から
眺め続けるんだ。
僕はそんなアスパラJr.が大好き。
生まれてきてから
木漏れ日に注目したことなんてなかった。
だけど、
息子と一緒に過ごしていると
木漏れ日の魅力に
どっぷりハマってしまった。
たしかに
息子と一緒の目線になって、
木漏れ日を見ると、
そこには、
超ステキな空間が広がっている。
3歳ながら
木漏れ日の魅力を見つけて、
この風情を楽しめるセンスが
最高すぎる。
さてさて、
そんな息子が
最近は園庭に行く時に、
激しく嫌がるらしい。
大泣きするし、
怒るしで、
先生もめちゃめちゃ大変…
「なんでかな~?」
センターの先生は
一生懸命、
数日間かけて考えてくれた。
そして、
これじゃないかって
ママに伝えてくれたんだ。
「実は……、最近園庭の木を……、伐採したんです………」
なんだって…
息子にとっては大問題……
大好きな大好きな木漏れ日が………
ママは
心の中で120%の確信を持ちながら、
「原因、それかもしれないです」
って
返事をしたそうだ。
僕は
この話を仕事終わりに
家でママから聞いたんだけど…
なんか本当に感動した。
センターの先生って、本当にすごい!!
息子が嫌がる理由を真剣に考えてくれる。
そして、
こうじゃないかって、
たぶん正解であろう理由を教えてくれる。
ちゃんとアスパラJr.のことをわかってくれている。
木漏れ日をこよなく愛するアスパラJr.と、
それにずーっと付き合ってくれていたセンターの先生。
園庭に行きたくないとぐずったアスパラJr.と、
その理由を考え続けてくれたセンターの先生。
確かに、
息子のこだわりは強いかもしれない。
一般的にみると、
そこにそんなこだわり持たなくていいじゃん
ってなるよ。
でもね、
センターの先生は
息子のこだわりをとっても大切にしてくれていた。
アスパラJr.の個性を
ずーっと大切に尊重してくれている。
なんか、
言葉では上手く言い表せないんけど…
ほんとうに…
涙がでてきちゃう……
ステキすぎる……
木漏れ日を大切にできる息子。
それに寄り添い続けてくれるセンターの先生。
僕も
そんな超ステキなセンスを
持っている人でいたいな。
(2024年3月②)「はれ ときどき 逆さの世界」
「アチャー、チッチッチッ!!」
今日も息子は大好きなピタゴラスイッチのDVDを見ている。
アスパラJr.は
テレビ画面で流れているピタゴラ装置を見ながら、
ピタゴラ装置の解説本を手にとり、
映像に映し出されている装置を解説したページを
ちゃんと開けることができる。
そう…
実は、
アスパラJr.は、
「ピタゴラスイッチ博士」
なのだ。
冒頭の「アチャー、チッチッチッ!!」は
ピタゴラスイッチの最後に必ず流れる
「ピタッ、ゴラッ、スイッチ!!」のこと。
音に合わせて息子は
「アチャー、チッチッチッ!!」
と言う。
残念ながら、
「ピタ、ゴラ、スイッチ!!」
とはまだ発音できない。
さてさて、
そんなピタゴラスイッチ博士の息子だが、
特定の装置の映像がくると、
奇妙な行動をとる。
なんと…
なんとなんと……
テレビ台の上に身体を寝ころばせて
テレビの真下からその映像を見る…
そして、ゲラゲラと笑う。
真下からの映像……
逆さの世界……
いったいどんな世界なんだ……
全く分からない……
客観的に息子の姿を見ると、
とっても奇妙な光景である。
こいつ、何してんだ………
ってなる。
お気に入りのYOUTUBEの映像が画面に流れる時も
同じような行動をとることがある。
そう……
アスパラJr.によって
選りすぐられた特定の映像は
アスパラJr.にとって
「逆さの世界」
を楽しむ映像となるのだ。
訳が分からないが……
ただ、
息子は楽しんでいる。
せっかくなので、
僕もおそるおそる
「逆さの世界」を体験してみる。
さぞ見にくいだろうな…
と思って見てみると、
なるほど…
確かに……
画面を正面から見るより
臨場感があるじゃん!!
新しい発見だ。
この臨場感が息子は好きなのか…
ただ、これ絶対に視力悪くなるやつだ…
本当のところは
息子に聞いてみないと分からないが、
自分で試してみると、
けっこうおもしろい。
この新しい見方を発明したアスパラJr.。
美的センスあるんじゃね~
っていう感じにもなる。
少し前向きに
息子の立場になって考えていると、
いきなり
急に変なスイッチが
ポチッと入って
僕の頭の中は
全くちがうことを考え始めた。
あれっ…!?
この息子の行動って「障がい」だからなのか!?
アスパラJr.がこの角度が好きなだけであって
「障がい」とは関係ないのか!?
いざやってみたら、けっこう面白いぞ…
「障がい」ってなんだ?
障がいがある?
障がいがない?
このちがいって何なんだ……
急に
こんな訳の分からないことを
考え始めて、
なんか、
頭の中がごちゃごちゃしてきた…
しばらく悩んだんだけど、
息子の行動を
なんでも「障がい」のせいにしてしまっている自分が
イヤになってきて……
今はとりあえずこう考えることにした。
これは
アスパラJr.が持っている
とーっても面白いセンス。
こんな角度でテレビを見る人
こんな見方が一瞬で出来る人
この世の中にあんまりいないよ。
だから、
君がもっているその視点は
僕が君の親として
胸を張って自慢できる
ステキな個性の一つだ。
アスパラJr.よ。
これからも自分だけにしかない個性
どんどん光らせてくれよ。
あなたは自慢の息子だよ。
(2025年4月➀)「はれ ときどき あいあ~い」
朝の7:00。
朝の準備を終えて、いざ出勤。
「行ってきまーす!」
と僕が言うと、
アスパラJr.は
「あいあ~い!!」
って言いながら、
全身を使って、
全力で手を振ってくれる。
どんなに疲れていても、
どんなに仕事イヤだな~
と思っていても、
僕は
この一言で…
一瞬で…
全回復する。
「今日も1日頑張るぞ!」
マイナスな気持ちがふっとんでいくんだ。
なんて単純な性格なんだ
って、自分でも思う。
毎朝、
「アスパラJr.は魔法使いなんじゃないか!?」疑惑
が僕の頭に浮かぶ。
ドラクエで言うと、
HPが全回復するベホマという呪文を
毎朝、僕にかけてくれている感じ。
さてさて、
もうお分かりかと思うが、
「あいあ~い!!」は
「バイバイ」のことである。
まだ「バ」の発音が難しい。
さらにさらに、
自閉症児である息子は、手の振り方が人とちがう。
自分の顔の前に、手の平を向ける。
そして、
全力で「パー」の形を作って
おもいっきりバイバイの動作をする。
本当は
相手の人に手の平を向けないといけないんだけど、
逆なんだ。
ネットで軽く調べてみると、
この動作は"自閉症児あるある"みたいで、
通称「逆さバイバイ」
と呼ばれる。
逆さバイバイ…
初めて聞く言葉に
少し動揺しちゃう。
どうやら
アスパラJr.にとっては、
相手視点に立つことが難しいらしく、
人がバイバイしてくれたものを
そのまま真似てしまうらしい。
そうなんだ…
相手視点に立つことが苦手か…
確かにな~
よく考えてみると
アスパラJr.は友だちと遊ばずに、
1人で遊んでいることがほとんどだ。
こういうことを知ると、
やっぱり少しだけ
息子の将来が心配になっちゃう…
でもね、
そんなことは
今の僕には関係ない。
少しずつ少しずつ
理解してくれればそれでいい。
とにもかくにも
あなたは僕にとって
魔法使いなんだよ。
あなたのおかげで
今日も
僕の1日は「はれ(晴れ)」そうだ。
(2025年4月②)「はれ ときどき 数字博士!」
「今日、アスパラJr.すごかったよ!」
僕が仕事から帰ってくると、
ママがいきなり報告してくれた。
アスパラJr.は
センターでの療育の他に
週1回程度
ST(言語療法)やOT(作業療法)の先生に
診てもらえる日がある。
今日は
ST(言語療法)の先生に
診てもらっていたみたいだ。
息子と先生で
数字のおもちゃを使って遊ぶのを、
ママが様子をみていると…
びっくりするような事件が発生!!
アスパラJr.が
1~20までの数字を順番に
並べることができた!
それも
順番通りに先生から渡されたんじゃなくて、
ランダムに数字を渡されても、
ちゃんと順番通りに置けた!!
えっ…
1~20って……
スゲー!!
めっちゃスゲー!!!!
ここに数字博士、爆誕!!!!!
確かにアスパラJr.は、数字が大好き。
トランプやUNOのカードに書かれた数字を
ずーっと眺めていたり…
「いちー、にー、さんー」
とか言いながらカードを拾っていたり…
10まで数えながらお風呂につかったり…
そんな様子はあったから、
10までは覚えているんだろうな
っていう感覚は
僕たち親にもあったんだけど…
20って・・・・・・
っていうか、
いつの間に覚えたの・・・・・
どうやって覚えたの・・・・
おいおい・・・
って、なっちゃった。
ママの推察では、
YOUTUBEで
20人の小人が登場して人数を数える歌
が動画であるらしくて、
それが大好きだから、
それを見て、
覚えたんじゃないかって。
ちなみに
この動画は、
テレビ台に寝転んで、
下から眺めて
逆さの世界を楽しむ
選りすぐりの動画の1つなんだけど…
YOUTUBEだと!!!
いつもだったら、
見すぎだよ!!
我慢しなよ!!
消すよ!!!!
って言われてしまうYOUTUBEが……
まさか…
まさかの……
20までの数字を伝授してくれるとは………
この時ばかりは
ありがとう!!
YOUTUBE!!!!
って、本気で思っちゃった。
親の超気まぐれモード発動!!
障がい?
そんなこと関係ないよ。
人とちがって、
少しゆっくりかもしれないけど、
息子も他の子と同じように
いろんなものを見て
自分で学ぶことが出来るんだ。
自分で少しずついろんなことを学んでいる息子。
もしかしたら、
将来は超天才の数字博士かもしれない。
~(2041年[未来の日記])「はれ ときどき しょうがい?」を書いてみる~
2041年。
アスパラJr.は現在20歳。
グループホームで障がいのある仲間たちと一緒に生活してる。
アスパラJr.が取り組んでいる仕事はいくつかあって
・逆さの世界や数字を表現するアーティスト活動
・新しいピタゴラ装置の開発
・長女が経営しているカフェのお手伝い
などなど。
何個も仕事していて
充実しているのはいいんだけど
確定申告の季節がもう大変で…
僕とママで
てんやわんやしながら
手続きをしてるんだ。
でも、
確定申告が必要なくらい
障がいのある息子は
自分の個性を輝かせて稼いでいる。
週末の休みの日は
お気に入りの公園で
木の下にレジャーシートを敷いて
木漏れ日を見るのが
相変わらずの日課だ。
ゆっくりとした時間を過ごしてる。
アスパラJr.には障がいがある。
知的障がいを伴う自閉症児だ。
3歳の時からきちんと診断もおりてる。
いろんな人の助けや理解が必要なんだ。
でも、
今、
こうやって自分で働いて
充実した生活をおくれているのは…
これはアスパラJr.の個性が
輝いているからなんだ。
長女は自分の好きを生かしてカフェを経営してる。
子どもの時から雑貨が大好きだったし、
自分の部屋をどうおしゃれにするかよく考えてた。
次女は子どもの時から続けていた水泳のコーチをしてる。
継続は力なり。
自分の特技は仕事にして充実しているようだ。
順風満帆に見える2人の生活も
決して良いことばかりではない。
多くの壁にぶつかりながら、
前向きに一生懸命に生活してるんだ。
僕にも好き/嫌いがある。
ママにも得意/不得意がある。
これってしょうがい(障がい)かな?
こうやって考えていくと、
アスパラJr.も
みんなと同じじゃん。
知的な遅れを伴う自閉症児の
アスパラJr.にも
アスパラJr.の個性があって
それが、キラキラ輝いている。
アスパラJr.らしく、
壁にぶつかりながら、
幸せに生活してる。
障がいっていうのは
確かにそこにあるもの。
だけど、
それとアスパラJr.の個性を
一緒にしちゃいけない。
だから、
アスパラJr.の人生は、
これまでも…
これからも……
ずーっと
「はれ ときどき しょうがい?」
なんだ。
