人生をやり直したいと思った時、気づいたこと。
最近、10年前の自分に戻りたいと思うことが増えた。
26歳だった頃。
今の経験をそのまま持った状態で、
もう一度あの頃に戻れたらと思う。
あの時なら、もっと違う選択ができたのではないか。
もっと早く将来について考えられたのではないか。
そんなことを考える瞬間がある。
26歳の頃の私は、
まだ自分の人生について深く考えていなかった。
もちろん、何も考えていなかったわけではない。
仕事も頑張っていた。
映像業界で経験を積みながら、
少しずつできることが増えていくことにやりがいも感じていた。
この業界でもっと挑戦できる。
まだまだ成長できる。
この会社でずっと働きたい。
そんな気持ちがあった。
将来への不安がなかったわけではないけれど、
どこかで「まだ時間はある」と思っていた。
結婚のことも。
これからどんな人生を歩みたいのかということも。
いつか考えればいいと思っていた。
でも、30代になった今振り返ると、
26歳という年齢は人生について考える
一つのタイミングだったのかもしれないと思う。
仕事をこのまま続けていくのか。
どんな働き方をしたいのか。
どんな人と人生を作っていきたいのか。
自分は何を大切にして生きたいのか。
今なら考えることができる問いが、
当時はまだ自分の中になかった。
でも、それは26歳の自分が
未熟だったからではないと思う。
経験していないことは、
想像することしかできないから。
その時の自分には、
その時に見えていた世界しかなかった。
30代になってから、
人生の選択について考えることが増えた。
仕事。結婚。暮らし方。
これからの人生。
周りを見ると、
同世代の人たちはそれぞれの道を歩いている。
家庭を持つ人。
キャリアを積み上げる人。
新しい挑戦を始める人。
そんな姿を見ると、
「私は何をしてきたんだろう」と思う瞬間がある。
でも、26歳に戻りたいと思う理由を考えてみると、
本当に戻りたいのは年齢そのものではないのかもしれない。
戻りたいのは、
何でも選べるように感じていた時間。
これから先にたくさんの可能性があると思えていた感覚。
失敗しても、まだやり直せると思えていた自分。
なのかもしれない。
もし、本当に26歳に戻れるとしたら、
私は違う選択をするのだろうか。
もっと早く結婚について考えるだろうか。
もっと計画的にキャリアを築くだろうか。
もっと迷わず、自分の進む道を選べるだろうか。
きっと、今ならそう思う。
でも、当時の私は当時なりに精一杯だった。
目の前の仕事に向き合っていた。
周囲の人と関わりながら、
できることを増やそうとしていた。
その時の自分に、今の自分の視点を求めることはできない。
そして、もし26歳に戻れたとしても、
今まで経験してきたことをなかったことにはしたくないと思う。
映像業界で10年間働いたこと。
たくさんの人と一緒に仕事をしたこと。
自分の得意なことや苦手なことに気づいたこと。
仕事で悩んだこと。
休職や退職を経験したこと。
実家に戻ったこと。
フリーランスとして、まだ模索しながら働いていること。
遠回りに感じることもある。
でも、それらは全部、今の自分を作っている。
以前の私は、人生は積み上げていくものだと思っていた。
一つの会社で経験を積む。
キャリアを築く。
順番通りに進む。
そうすれば、
自然と未来につながっていくものだと思っていた。
でも、実際の人生はそんなに綺麗な一本道ではなかった。
迷うこともある。
立ち止まることもある。
一度戻ることもある。
でも、それまでの経験が消えるわけではない。
一人で生活できることや、
誰にも頼らず生きることが自立だと思っていた。
でも今は、自分の人生を見直し、
その時の自分に必要な選択をすることも自立なのではないかと思っている。
人生をやり直したいと思う気持ちも、
きっと同じなのだと思う。
過去を否定したいからではなく、
これまでの経験を持った上で、
これからを選び直したいと思っているから。
過去に戻ることはできない。
26歳の自分に、今の自分が持っている答えを渡すこともできない。
でも、今の自分には、
26歳の頃にはなかった経験がある。
だからこそ、これからの人生は、
過去を後悔するためではなく、
これまで積み重ねてきたものを見つけ直すために使いたい。
私は、一体何を経験してきたのか。
何を大切にしてきたのか。
どんな時に、自分らしくいられたのか。
そこから、もう一度これからの人生を考えてみたい。
人生をやり直すことはできない。
でも、人生を編集し直すことはできるのかもしれない。
