細かいものをじっと見ると、こころが癒される/遠野市立博物館
小さな模型やイラストをじっと見ているのがすきです。だから博物館に行っても美術館に行っても、ひとつのパネルからなかなか動けません。好きなくらい没頭して見つめていると、建物から出た時に脳がスッキリして心が癒されています。
一時期、雨の日のバラの写真を撮ることに夢中になっていました。傘に当たる雨の音を聞きながら、花びらにつくひとつひとつの雨粒を見ていると、時を忘れて目が離せなかったのです。
宮城県丸森町にある齋理屋敷をご存知ですか?
江戸時代から昭和初期にこの街に住んでいた富豪の生活様式がそのまま残されている、お屋敷です。ひな祭りの時期に、に江戸時代からのお雛様をたくさん飾ることで有名です。
私はここにある昔の街並みの風景の模型がとても好きで、何度も足を運んでいます。その場所、時刻に応じて、鳥のさえずりや人々のざわめきのBGMが入っていて、当時の雰囲気に浸ることができます。
もう一つ好きな場所があります。
岩手県遠野市立博物館です。
いつも民俗学的な面白い企画展示がされています。これも面白いのですが常設展示がどれも見せかたが魅力的で、ワクワクします。
山の模型に光を当てることで表現した天女伝説の物語。それから薄いベールの向こうに像を置くことで物理的エフェクトをかけたり、大きな通路の行き止まりの壁全体を使って当時の道路の写真を展示し、自分もそこにいるかのような演出など…。
そしてなによりも、遠野の四季を表現したジオラマが好きです。一部紹介します。

マヨイガは遠野物語の一節であり伝説です。山奥に入った時に現れるお屋敷で、そのお屋敷のものを持ち帰ると裕福になるといいますが、ある女性は怖くなって何も持たずに家に帰り、誰にも黙っていました。すると川の上流から漆のお椀が流れてきて、とても美しいけれどこれをお膳に出すと汚いといって叱られるかと思い、お米を測るのに使っていました。するとこのお家のお米は減らないどころか増えていくのです。欲のない女性のために、マヨイガが送ってよこしたプレゼントでしょうか。

村のはずれで見たことのない女の子2人とすれ違いました。どこから来て、どこにいくのと聞くと、「孫左衛門の家から来て、誰それの家へ行く」といいました。孫左衛門のお家に住む人々はその後、皆毒にあたって亡くなってしまいました。

虫が田んぼにこないように願うお祭りです。なんと現在も行われている!ジオラマそのまま!
【虫祭り】
— 遠野 伝承園 (@tono_densyoen) July 30, 2025
8/1(金)10時頃〜
五穀豊穣!悪霊退散!無病息災!家内安全!を願って、紙旗を振りながら太鼓の音に合わせ田んぼのあぜ道を練り歩き悪虫をおくります。
地元の子供達と老人クラブが練り歩きますが、お客様の飛び入り参加も大歓迎です✨ (J) pic.twitter.com/blt7P41tL3

1444年の国語辞書に、「獺(カワウソ)老いて河童となる」とある。このカワウソはニホンカワウソで、昭和54年に絶滅したとされる。

大層によくできたジオラマだと思いませんか…!!!ずーっと見ていて飽きません!!
興味のある方はぜひ一度訪れて見てほしいです。
また、2階では遠野物語の人形劇やアニメが見られます。このアニメの中に水木しげる先生/柳田國男先生原作・野沢雅子さん声優の作品があるのですが、登場する河童3匹を全て野沢雅子さんが演じており大変愉快です。お勧めです。
おまけ
昔遠野では作業中に子供が怪我をしないよう、エジコと呼ばれるカゴに入れていました。

奥に馬もいます
遠野では馬も一緒に生活しています
なんと、ねこ用のエジコもあるのです!
そして、実際の展示のエジコにねこが入っていたりいなかったりするのが面白くて、いくたびにチェックしています

手前がねこ用エジコ

余談
私が訪れた日の前日の12月3日から、新たな寄贈品が展示されていました。大きなオシラサマとオタイシサマです。
オシラサマは馬の頭と女性の頭をした人形に毎年一枚ずつ赤い布をかけてまつります。これまで展示されていたものは抱き抱えられるくらいのサイズのものばかりでしたが、この寄贈物は小さい人間ほどのサイズがあり迫力満点でした。ぜひ、実際に見て感じてほしいです。
