“分からない”と言えるようになるために、中小企業診断士を取った(独立系中小企業診断士の歩み)
こんにちは。
中小企業診断士の内海飛鳥です。
前回の記事では、リクルート時代に感じていた違和感や、なぜ独立を考えるようになったのかについて書きました。
今回は、「なぜ中小企業診断士だったのか」という話を書いてみようと思います。
独立したいなら起業でもいい。
経営を学びたいならMBAでもいい。
転職という選択肢もある。
そんな中で、なぜ自分は中小企業診断士を選んだのか。
今振り返ると、単に「経営知識を身につけたかった」だけではなかった気がしています。
最初に中小企業診断士を知ったのは、大学生の時だった
中小企業診断士という資格を最初に知ったのは、大学生の頃でした。
当時から、「将来は経営に携わる仕事がしたい」という気持ちは、なんとなくありました。
そんな中でネットを見ている時に、
「経営コンサルティングに関する唯一の国家資格」
という説明を見つけたのが最初だったと思います。
「なんか面白そうだな」
と思って、市販のテキストも買いました。
ただ、結局その時は、まったく勉強しませんでした(笑)。
今思えば、「資格」というより、「経営」という言葉に惹かれていた時期だったのかもしれません。
MBAではなく、“中小企業診断士”だった理由
その後、リクルートに入り、営業や経営企画の仕事をする中で、改めて独立を意識するようになりました。
もちろん、中小企業診断士以外の選択肢も考えていました。
MBA。
起業。
転職。
社内で出世して経営に関わる道。
どれも、真剣に考えていたと思います。
ただ、MBAについては、当時の自分には少し“大企業寄り”に見えていました。
もちろん価値のある学びだと思います。
でも、自分が独立したとして、最初から大企業を相手にコンサルする未来は、あまり想像できなかった。
日本企業の99%は中小企業です。
そう考えた時に、「まずは中小企業の現場に近いところを理解したい」という気持ちが強くありました。
あと、これは性格的な話ですが、MBAより中小企業診断士の方が「合格しないと意味がない」感じが、自分には合っていました。
勉強して満足、ではなく、ちゃんと結果を出す。
その緊張感が、むしろ心地よかった気がします。
「分からない」と言える自信が欲しかった
中小企業診断士を取ろうと思った理由は、もちろん、
独立の武器
経営知識
信頼
もありました。
でも、一番大きかったのは、実は「自信」だった気がしています。
ただ、それは、
「経営を知っている自信」
ではありません。
むしろ逆で、
「分からない」と言える自信
です。
当時、仕事柄、社長相手に提案する機会は多くありました。
広告やプロモーションの相談だけなら、まだ自分の専門領域です。
でも、社長との会話って、当然それだけでは終わりません。
組織。
採用。
お金。
マネジメント。
人間関係。
色々な話になる。
その時、自分はずっと怖かったんです。
「分かりません」と言って、失望されたらどうしよう。
だから、専門外の話題になること自体を、どこか恐れていました。
でも、中小企業診断士を取得してからは、感覚が変わりました。
もちろん、全部分かるようになったわけではありません。
むしろ逆です。
経営には、自分の知らないことが無数にあると、よく分かった。
ただ、その上で、
「中小企業診断士として学んできても分からないなら、これは一緒に悩むべきテーマなんだ」
と思えるようになった。
これは、自分の中ではかなり大きな変化でした。
中小企業診断士の勉強は、全部面白かった
中小企業診断士の勉強は、基本的に全部面白かったです。
企業経営理論は、普段の仕事と直結していましたし、財務・会計は、簿記知識ゼロだった自分の視座を、一気に引き上げてくれました。
売上や利益を、“感覚”ではなく、“構造”で見られるようになった感覚があります。
運営管理も好きでした。
売場の配置や導線設計など、普段ぼーっと生活していた日常の中にも、ちゃんと理論がある。
それが面白かった。
逆に、少し苦手だったのは、「中小企業経営・政策」です。
当時は大企業にいたので、中小企業のリアルが想像しづらかった。
補助金や助成金も、自分とは遠い世界の話に感じていました。
でも、独立して実際に補助金支援の仕事をするようになると、この分野がめちゃくちゃ重要になる。
事業再構築補助金やものづくり補助金の支援をしていた時は、昔のテキストを引っ張り出して読み返していました。
「結局、全部繋がるんだな」
と思いました。
資格だけでは、絶対に足りない
一方で、
「中小企業診断士資格さえあれば、コンサルできる」
とは、今でも全く思っていません。
企業支援って、知識だけでは動かないからです。
組織の力学。
人間関係。
感情のもつれ。
現場の空気。
そういうものを理解していないと、提案は簡単に机上の空論になります。
だから、自分は企業での就業経験は、かなり重要だと思っています。
民間企業の社長って、自分なんかより、よほどリスクを取りながら生きてきています。
海千山千の人たちです。
その人たちと向き合うには、知識だけでなく、自分自身の仕事経験や、結果を出してきた実感も必要になる。
あと、独立してから強く感じたのは、
「お金周りの知識は絶対必要」
ということでした。
自分も中小企業診断士取得後にFP2級を取りましたし、社会保険労務士も勉強しました。
実際、人事制度を提案する時も、労務の抵触ラインを知らないと、綺麗ごとだけの提案になってしまう。
実務は、思った以上に地続きです。
独立前に、一つだけ準備していたこと
資格取得後も、独立への不安はかなり大きかったです。
自分の場合、副業で顧客を作ってから辞めたわけではありません。
会社を辞めてから、ゼロでスタートしました。
なので、不安は相当ありました。
だからこそ、ひとつだけ徹底して準備していたことがあります。
それは、
「1年間、仕事が思うように入らなくても生きていける貯蓄」
です。
独立って、夢や勢いだけでは続かない。
特に、自分みたいに慎重なタイプは、土台がないと精神的に崩れる。
だから、リクルート時代は、かなり計画的にお金を貯めていました。
営業しなくても、紹介は回る
独立前から、
現場まで降りていく支援スタイル
自分から改善テーマを提案するスタイル
自体は、なんとなく想像できていました。
でも、一つだけ、想像以上だったことがあります。
それは、
「目の前の仕事に丁寧に向き合っていると、紹介が回り続ける」
ということです。
世の中の独立ノウハウって、新規営業や集客の話が多い。
もちろん、それも大事だと思います。
ただ、自分は、それより先に、
「この人にまた頼みたい」
と思ってもらえる仕事を増やす方が、圧倒的に重要だと思っています。
営業を学ぶ時間があるなら、商品力を磨く。
結局、そこが一番強い。
今のところ、自分はそう感じています。
もし今、中小企業診断士を目指している人がいるなら、一つだけ伝えたいことがあります。
診断士の勉強は、経営に興味がある人にとって、本当に面白いです。
だからこそ、気をつけてほしい。
勉強が楽しくなりすぎて、横道に逸れないこと。
もし資格取得を「独立へのスタートライン」と考えているなら、まず必要なのは、“合格”です。
知識を増やすことより、まず受かること。
それが、夢への第一歩だと思います。
#中小企業診断士
#独立
#資格勉強
#リクルート
#キャリア
#働き方
#経営
#コンサル
#仕事論
#伴走支援
