②1|効率化したのに、なぜか余裕がない😖(中小企業診断士の実務シリーズ)
――「時間ができたはずなのに、忙しさが減らない会社」の話
「作業を自動化したのに、空いた時間が埋まっていく」
「定型業務を外注にしたのに、なぜか全体の忙しさは変わらない」
こんな“モヤモヤした違和感”を抱えた会社に出会いました。
この回では、その会社(仮にB社とします)で起きていた出来事と、支援の中で見えてきた“時間の使い方”のギャップについてお伝えします。
一見、ちゃんと効率化している会社だった
B社は、サービス業×本部機能のような性質を持った会社で、管理部門の業務量がとにかく多く、複数部署で“人手不足感”が強くありました。
ただ、話を聞いていくと、こうした対策を既に講じていました。
定型業務は外部委託化(アウトソーシング)
一部ツール導入による入力作業の自動化
スプレッドシートによる情報共有のルール化
……など、「改善としてやれることは、ある程度やってきた」という印象。
にもかかわらず、メンバーは口々にこう言っていたのです。
「でも、毎日いっぱいいっぱいで…」
「時間が空いた感じがしないんです」
空いた時間に“何が詰まったのか”を探る
私が支援に入った当初に感じたのは、「空いた時間が見える化されていない」ということでした。
人員を減らさずに外注化したということは、業務が減っているはず。
なのに、なぜ変化が実感されないのか?
そこでまず、「変化前・変化後の業務量」をざっくり洗い出すことにしました。
✔ Before:外注化前の業務
毎週××件の伝票処理
月末のチェック業務
紙ベースのファイリング
など…
✔ After:外注化・ツール導入後の業務
アップロードや依頼作業が中心に
内容チェックは一部継続
情報の二重管理はやや改善
このように、業務単位で「どれが無くなり」「どれが変わり」「どれが残ったか」を一つずつ可視化しました。
すると、驚くべきことに――
「あ、確かにやってない作業もあるな…」
「でもその分、別のタスクを頼まれることが増えた気がします」
という声が次々に出てきたのです。
“余白が空いた瞬間に埋まる”現象
B社では、特定のメンバーに業務が集中しやすい構造がありました。
また、「この人ならお願いできそう」という雰囲気もあり、“時間が空いた人”に業務が集まりやすい状態になっていたのです。
言い換えると、「効率化して生まれた時間」=「余裕ある人に仕事を振れるチャンス」として使われてしまった。
その結果、時間が“成果”ではなく“作業”で再び埋め尽くされ、忙しさは元に戻ってしまったのです。

まず“時間”を見える化しよう
この支援で最初に行ったのは、業務量ではなく「時間の棚卸し」でした。
1週間の業務時間をざっくり分類
ルーティン/変動業務の比率を見える化
「空いた時間で何をしているか」をヒアリング

すると、改善で空けた時間に「別の業務」「相談対応」「急なトラブル対応」が自然に流れ込んでいたことが明確になりました。
空いた時間は“使い方の設計”をしなければ、すぐに埋まる。
この当たり前のことが、意外と見落とされがちなのです。
次回は、“空いた時間をどう活かすか”を考える
では、せっかく効率化しても、それを「本当に価値あること」に変えていくにはどうすればよいか?
次回(8/19)は、B社がその“空いた時間”をどのように捉え直し、育成や仕組みづくりに活かしていったのか?についてお伝えしていきます。
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