賢い人ほどやっている「自分を疑う」技術――"批判的思考"は冷たい思考ではない
こんにちは。
長谷川です。
今日は、学生時代に教授たちから口酸っぱく言われていたことについて書いていきます。
誰かの意見が溢れる時代に
日々流れてくるSNSのニュース、仕事での議論、誰かのアドバイス。「なんとなく正しそう」「みんなが言っているから」と、そのまま受け入れていませんか?
情報が溢れかえる今の時代、私たちは無意識のうちに大量の「誰かの意見」に影響を受けています。
「なんだか情報に振り回されて疲れるな……」
「自分の頭でちゃんと考えて判断できるようになりたい」
そんな風に感じている方に知ってほしいのが、「Critical Thinking(批判的思考)」です。
この批判的思考は、私が学生時代に常に教授たちから言い聞かされてきたものです。
"Think critically."
批判的に思考を走らせることは簡単なことではありません。
「批判」という言葉が入っているため、「相手の意見にケチをつけること」「冷たいロジックで論破するための技術」と誤解されがちですが、実は全く違います。
Critical Thinking(批判的思考)とは
批判的思考とは、相手を攻撃する冷たい刃ではなく、「自分の思い込みや前提を一度疑い、客観的に本質を見極める温かい知性」のこと。人を傷つけるためではなく、自分と大切な人の判断を守り、より良い選択をするためのメガネなのです。
物事に対して「なぜ」と問い続けることと言い換えることができるかもしれません。
今回は、賢い人ほど日常で実践している「自分を疑う」ための3つのステップをご紹介します。
ステップ1:「感情」と「事実」を切り離す
思考がブレたり偏ったりしてしまう最大の原因は、自分の感情や主観が「事実」と混ざり合ってしまうことにあります。
たとえば、職場でこんな場面はありませんか?
「あの人はいつも仕事が雑だ」
こう思ったとき、賢い人は一歩引いて自分を疑います。「これは本当か? 自分の『印象』ではないか?」と。
よくよく分析してみると、事実は「今週提出されたレポートに、誤字が2箇所あった」ということだけかもしれません。「2箇所の誤字」という事実に対して、「いつも雑だ」という感情的なラベルを貼ってしまうと、相手との関係が悪化したり、正しい状況把握ができなくなったりします。
事実: 実際に起きたこと、数値やデータで証明できること
感情・主観: 自分の解釈、感情、思い込み
「今、自分が捉えているのは『事実』か? それとも『自分の感情(思い込み)』か?」と問いかけ、切り離して考えるのがファーストステップです。
ステップ2:「本当にそうか?」と隠れた前提を疑う
私たちは知らず知らずのうちに、「隠れた前提」に縛られて生活しています。
「前例がこうだから、今回も同じようにすべきだ」
「実績のある人が言っているから正しい」
「みんなが賛成しているから、これがベストだ」
これらは一見正しそうに見えますが、必ずしもそうとは限りません。ここで使いたい合言葉が、自分の考えに対する「本当にそうか?(Is that really true?)」という問いです。
「前例はそうだけど、時代や環境が変わった今でも本当にそうか?」
「実績のある人の意見だけど、今回のケースにそのまま当てはまるか?」
「みんなが賛成しているけれど、見落としているリスクはないか?」
自分の「当たり前」をあえて疑ってみることで、見落としていた矛盾や、新しいアイデアの芽が見えてくるようになります。
ステップ3:あえて「別の視点」から考えてみる
人間には誰しも「自分の考えに都合の良い情報ばかりを集めてしまう」という思考の癖(確証バイアス)があります。だからこそ、自分の正しさを一疑う姿勢が欠かせません。
そのために非常に効果的なのが、「あえて反対の立場に立ってみる」というアプローチです。
もし自分が相手(反論する側)の立場だったら、どう考えるだろう?
もし自分が競合他社の社長だったら、この提案をどう見るだろう?
もしこの選択が失敗するとしたら、どんな原因が考えられるだろう?
自分の意見に自信があるときほど、あえて「逆の視点」を持ってみてください。相手の立場や異論に寄り添う多角的視点を持つことで、自分の考えの「抜け・漏れ」に気づくことができ、結果として提案や判断の精度が格段に上がります。
おわりに:しなやかな「自分の軸」を持つために
「自分を疑う」こと、そして「批判的思考を持つ」ということは、決してひねくれることでも、冷酷になることでもありません。
むしろ、自分の偏見に気づき、他者の視点を取り入れながら、正解のない世界で納得のいく選択をするための誠実で温かい姿勢です。
「感情」と「事実」を分ける
「本当にそうか?」と前提を疑う
あえて「別の視点」から考えてみる
この3つのステップを日常のちょっとした場面——ニュースを読むとき、仕事で判断に迷ったとき、SNSを見るとき——に意識してみてください。
情報に流されるストレスから解放され、しなやかでブレない「自分の軸」がきっと育っていくはずです。
エピローグ:IT業界へ飛び込んだ私が、いま思うこと
私が現在のIT系の仕事に就いてからは、前職と業界業種が異なったためすべてが新しい知識・経験でした。
そのため、教わるがままに仕事をこなしてきました。
会社を設立したばかりでスピードが求められることは事実です。
しかし、会社の基盤や組織を作るうえで、常に思考を駆け巡らせることには変わりありません。
常に「なぜ」の問いを心の中に置きながら、日々過ごしていきたいものです。
