北八スノーシューハイク
数年ぶりの雪遊びに慣れ親しんだ北八へ行ってきました。北八のスノーシューハイクは何度も経験があるのですが、今回は初めて歩くコースで、近頃は山歩きもご無沙汰なので少し不安でした。おまけに白駒池の星景写真を撮りたいと、機材を詰め込んだザックは10Kg越えの重量で、老体にはちょっとやばいんじゃないかと心配になりましたが、まあ、それ程の標高差もないので、「ゆっくり行けば何とかなるさぁ」と自分に言い聞かせスタートです。
R299茅野側冬季閉鎖ゲートに9時到着、気温 氷点下10度
2年前にMSRのスノーシューが経年劣化で痛んで補修もままならない状態になってしまったため、TUBBSのFLEX VRTというのを新調して保管してあったものをいよいよおろします。BOAシステムが気に入って購入したのですが、思った通り装着は楽でした。
余談になりますが、北八のスノーハイク事情は8割方軽アイゼンでの山行、2割程度がスノーシュー、あとほんの少しスキーと言う感じでしょうか。
僕はふかふかの雪と戯れたいのでスノーシュー派です。疎林の緩斜面を見つけると、誘われるようにふらふらと林に入り込んでいって、時には腰ぐらいまで雪にはまり込んで右往左往しますが、うすくクラストした雪面を「カサカサ」と割りながら進む感触は何とも言えない快感ですね。おそらくアイゼン派の人はルート工作のラッセル以外ではトレースを外れる事はないでしょう。このあたりは楽しみ方の違いでしょうか、、、。

10時前、ゲートを超えてスタート、雪のR299を歩き出す、道は雪上車やスノーモービルが往来しているのでかなり締っている、これじゃあスノーシューが無くてもぜんぜん平気に歩くことができるけど、スノーシューをザックに括って歩くのも馬鹿らしいし、あわよくば道を外れるつもりなので最初からスノーシューを付けて、まあのんびり行きましょうか。ペースを掴むまではよりゆっくりと。天気は晴れたり曇ったり雪が降ったり。風はほぼ無風。歩き始めて30分、ようやく体が落ち着いたところで日向木場展望所。見晴らしがよいので少し足を止め息を整える。体力に心配があったけど案外と良さそうな感触。


R299を辿りカーブをいくつか過ぎ、ロープウェイ方向への分岐で車道からそれ登山道へ入り込む。トレースはしっかりしていて迷う事はない。すぐに出逢いの辻、ここから大石峠方面へ。鬱蒼とした樹林の中をひと登りすると急に視界が開けおとぎり平へ出る、一面に広がる雪原が気持ちよさそうで、トレースは外れて踏み入るも、ブッシュの落とし穴にはまり込みやっとの思いでトレースに戻る。

大石峠を過ぎたあたりから、雪がいよいよ深くなり深山の赴きがひしひしと心に染み入る。僕の大好きな八ヶ岳のオオシラビソの森に抱かれて、一歩一歩すすむたびに「きゅっ、きゅっ」と雪が鳴る。いいなぁ、これ以上いい事ってあるのかな?、、、そんなとりとめのない事を考える時間がとても贅沢なんだと僕は本気で思う。

大石峠から麦草峠へ下り、白駒池方面へ再び登り始める頃、少し足に疲労を感じる。我ながら少し情けなく歳はとりたくないものだと思うが、こればかりは受け入れて、こんな自分と付き合っていくほかない、今の自分をちゃんと理解して、あともう少しだけじたばたしようと改めて思ったりもする。
白駒の奥庭を通過し、暗い森の中を登りきると本日の目的地の白駒池へ到着、午後2時30分、なんだかんだ言って、まあ順調だったかな。

今夜の宿は白駒池湖畔に建つ白駒荘。この山小屋、館内は清潔で明るいし、食事は美味しいし、ロケーションはいいし、標高2000m越えで星空は最高だし、いう事はありません。(以前の僕もそうだったんですが)ガチの登山者にはあまり興味はないでしょうが、今の僕のような体力はあまり自信ないけど山歩きはしたいという者にとっては本当にありがたい存在です。

到着が少し早かったので、一番風呂に入ることができました。場所柄、せっけんとかの使用は不可ですが、それでも汗を流せるのは心地よいです。(余談ですが、ここ北八の天狗岳の南側にある根石山荘でもお風呂に入れて気持ちよかった事を思い出しました)
さて、食事も済み寝支度もすませて、外はとっぷりと暮れていますんで、いよいよ星景撮影に出向きます。わざわざ持参してきた星撮り用ダウンに身を包み極寒の白駒池へ。池上は完全結氷で乗っても全く大丈夫。
構図は、温かみのある光が漏れ出る山小屋を前景にして昇りゆくオリオン座です。
多分気温はマイナス20度程度でしょうか、でもテンパっているせいか、それほど寒さを感じません。ポラリエUの極軸をセットしてfp+Contemporary24mmF3.5を同架、星空写真は約2分のガイド露光、山小屋写真は固定撮影で露出を変えて数枚。ずっと頭の片隅にあった撮りたい構図をやっと撮影することができました。おそらく30分程度の撮影だったでしょう、それほど冷えることもなく終了しました。


翌朝、食事を済ませ、身支度を整え、早々に出発。
昨日のルートを引き返すのも芸がないので、思い切って高見石へ登ることにしました。

白駒池から高見石そして麦草峠への道は、そこそこの傾斜があって、ちょっとスノーシューでは昇り降りしにくかったですが、麦草手前の雪原は感動的に気持ちよかったです。
東屋があったので、コーヒーを沸かし一服。この先はR299を降りていくだけの単調な道の消化となります。

心配だった体力も、充分とは言えないまでも、まだ少しは歩けるなぁと、しみじみ思いながら、いつもいつも下山の時に感じていた「後ろ髪引かれる思い」を懐かしんでいる自分がそこにいました。
@.ichi
