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和紙の向こう側

先日、協力隊の同期である河本さんや吉田さんのご縁で、
手すき和紙づくりに取り組む福祉事業所を訪ねました。

もともとは見学のつもりでした。

作業室に入ると、利用者の方たちが牛乳パックをちぎっていました。
地域の人たちが持ち寄ったものだそうです。

細かくちぎる人もいれば、大きめにちぎる人もいる。

「それぞれでいいんですよ」と、職員の方が教えてくれました。

その言葉が、なぜか頭に残りました。

牛乳パックは、水の中で繊維になり、
やがて和紙へと生まれ変わります。

紫のゴム手袋をはめた手が、木枠を水の中からすくい上げる。
枠の上には、白い層がうっすらと広がっていました。

これが一枚の紙になる。

乾燥を終えた和紙は、カードやカレンダーへと姿を変えていきます。
添えられた押し花は、この地域で咲いた花だそうです。
手に取ると、少しざらりとしていました。

均一ではない。

でも、だからこそどこか落ち着く。

見学を終える頃には、
自分でもこういうカードを作りたいと思っていました。
もしお願いするなら、ここに頼みたい。
それは福祉事業所だからではなく、純粋に素敵だと思ったからです。

もうひとつ、心に残ったことがあります。

カードやカレンダーには、一枚ずつ違う言葉が手書きで添えられています。言葉を選び、手で書く。

効率だけを考えれば、もっと早い方法もあるはずです。

それでも手書きにするのは、
受け取る人のことを思い浮かべているからかもしれません。

牛乳パックだった紙。

このまちで咲いた花。

誰かが選んだ言葉。

目に見えるのは一枚の紙だけれど、
その向こうにはたくさんの手と時間がある。

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