本当の使い方
小学校でタブレットが全員に支給されてから数年経ちました。今の小学生は、いとも簡単に、そして手軽にIT機器を使いこなします。私たち教員も、授業後にIT研修を受けたりして、進化していく道具をいかに使いこなして授業をよりよくするかに取り組んでいます。
私はもう時代についていくのがやっとの世代で、ワープロから始まり、何とかブラインドタッチで文章が打ち込める程度で、たくさんの機器を一度にサクサクと使いこなすには程遠いところにいますが、それでも少しでもと頑張っている部類かもしれません。
そんな中、授業で素晴らしい発表をした子がいて、この子のしていることこそ、IT機器を本当に使いこなしているなあと感動したので、クラスのみんなにも伝えることにしました。
彼女は、リボンが大好きな女の子で、リボンの形の美味しいパンを作ろうと自分で発想しました。自分のこの発想をわかりやすく教えてくれている動画はないかと探し、その動画を何回も何回も見て作り方を覚え、実際にリボン型のパンを自分で作りました。それは見事で、作る過程もちゃんとわかりやすく写真に収めて伝えてくれていますし、出来上がったリボンパンにはうっすらとシュガーがかかって美味しさを誘わずにはいられません。これを作っている我が子を見守っていたお家の方も、
「私が作ったこともないようなパンを自分で調べて、何回も動画を見て本当に素敵に美味しく仕上げて、びっくりしました。またぜひ作ってほしい。」
と感想を述べていました。
これこそが、本当の意味でITをちゃんと使いこなしているのでは、と私が思ったのはこういうことです。
自分が作りたいイメージや発想がちゃんとある。
自分のイメージを具体化、現実化するための方法や手段をITで探す。
探したものからコツを見つけ出し、実際に自分なりに作ってみる。
作ってみたことから、過程や結果から振り返り、今後どうしようかまた考えてみる。
この一連の流れがとても大切だと思いました。自分の中に湧き起こるイメージや思いが先にあって、それをさらに深めたり探求するための道具としてITを活用していく。このことをこれからも大事にしてほしいと、力説していまいました。
子ども達からすると、私の言ったことが「そうなんだ」と思える子もいれば、情報をネットサーフィンして探すことばかりに偏っている子どもからするとびっくりしていたり、自分にはちょっと「面倒臭い」と思ったりする子どももいたように感じました。
何が正解かは人それぞれだとは思うのですが、人が持っている生身な力を信じて、それをより伸ばすために、道具を使える人になってほしいと、わたいは願うのでした。
《れい》
湧き出でる
イメージの世界
ここにあり
道具に活かされ
手作り産むよ
