見出し画像

M&A|タグアロング (Tag Along)とドラッグアロング(Tag-Along)

「タグアロング」「ドラッグアロング」という言葉自体は、IBDやPEファンドで働いていれば一度は耳にする。

しかし、実際に株主間契約(SHA)や株式譲渡契約(SPA)の条文を読んだときに、「この条項が具体的に何を強制し、何を守っているのか」「自分がマイノリティ株主だったら何に注意すべきか」まで腹落ちしている人は意外と少ない。

この記事では、用語の定義から一歩踏み込んで、契約書上どのような文言・論点として現れるのかを整理する。

イメージ図

そもそもなぜこの2つの権利が必要なのか

未上場企業(PEファンドの投資先、スタートアップ、事業会社の子会社など)では、株主が複数存在する場合、株式の譲渡は原則として自由ではない。

定款や株主間契約で譲渡制限が付いているのが通常であり、さらに大株主(過半数株主)とマイノリティ株主の間には利害の非対称性が生まれやすい。

例えば・・
大株主が会社を売却したいのに、マイノリティ株主が反対すると、買主は100%の株式を取得できず、ディールそのものが成立しない可能性がある

逆に、大株主だけが有利な条件で株式を売り抜け、マイノリティ株主だけが取り残される(しかも非公開会社なので売却先を自分で探すのは困難)というリスクも

ドラッグアロングは前者の問題を、タグアロングは後者の問題を解決するために設計された権利であり、この2つは「コインの裏表」の関係にある。

ここから先は

2,916字
この記事のみ ¥ 1,980
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

投資銀行・FAS・PEファンドの実務者や転職志望者に加え、事業会社の経営企画・M&A担当者の方にもご好評いただいています。書籍や資格試験では学びにくい、財務モデリング、DD、バリュエーション、SPA・契約交渉等の実践的な論点を収録したM&A実務の総合パッケージです。

財務モデリング(DCF / LBO / M&A)、財務・ビジネスDD、SPA・契約交渉論点等を網羅したM&A実務の総合パッケージ。投資銀行…

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
【日系大手・外資PEへの内定実績あり】 ・入社前のケーススタディ/モデルテスト対策 ・入社後も役立つICメモのTIPSなど、実務スキルもサポート

PEファンド選考で頻出のケーススタディ・LBOモデリング対策資料に加え、実践的なExcelテンプレートを収録。選考突破に必要な知識の習得だ…

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで