PEファンド|DDスコープ設計
今回はM&Aにおいて重要なプロセスであるDDのうち、スコープ設計について。
特にPEファンドのDD設計は、事業会社のそれとは異なる評価軸で組み立てられる。
ファンドは事業会社と異なり、事業シナジーや長期的な事業統合を前提としない以上、DDの目的は「この会社に投資して、想定した期間内に想定したリターンを実現できるか」という一点に集約される。
本稿はPEファンドによるバイアウト案件におけるDD設計の勘所を、DD実務担当者向けに整理した。事業会社案件とのコントラストを意識しながら読むと理解が早い。実際にファンドに入りたての人にとっても、自身でDDをドライブする立場をイメージすると分かりやすく参考になるかと思う。
投資目的の理解
PEファンドの投資目的は、事業会社のように複数の戦略的目的が併存するわけではなく、基本的には投資期間におけるMOIC・IRRの最大化という単一軸に収斂する。
この単一軸であることが、DD設計をむしろシャープかつ深いものにしている。
具体的には、DDの各論点は最終的に以下のいずれかに接続されるべきものとして設計される。
IRR・MOICといったリターン指標にどう影響するか
レバレッジ構造(有利子負債)の耐性にどう影響するか
オペレーティングモデルのKPIやドライバーにどう影響するか
保有期間中のバリューアップ計画の実現可能性にどう影響するか
Exit(次のバイヤーへの売却またはIPO)時の企業価値評価にどう影響するか
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