人生は美しく、戦争は断じて美しくない〜あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。
佐久間彰(水上恒司)との別れから7年、加納百合(福原遥)は教師になっていた。教師は彰の夢でもあった。
ある日、彼女の前に宮原涼(細田佳央太)が現れ、臨時的代用教員として百合のクラスの副担任となった。
百合の受け持つクラスには気になる生徒がいた。鮎川沙良(豊嶋花)。彼女は授業中に小説を書いていた。
苦悩の日々を送る百合は、年老いた女性と出会う。彼女の名は、藤谷千代(倍賞千恵子)といった。
前作『あの花が咲く丘で、君とまた出会いたい』の続篇にして、完結篇である。
百合と涼は教師として、いわば志を同じくして惹かれ合う。同級生に破かれた沙良の小説ノートをともに修繕したり、進学校では困難だと思われた特攻隊をめぐる特別授業を行なったり。やがて同志的愛は恋愛へと移行してゆく。
一方、百合は千代の話を継続して聴いていた。千代には亡き夫との間に3人の子がいた。だが、この結婚の前に、千代には心に思う人がいた。特攻隊の石丸。彼亡き後、結婚してもなお石丸が千代の中にいた。そして現在、百合は涼との恋に踏み出そうとするも、心の中には彰がいた。千代は二人の恋の後押しをする。千代にはある確信があった。
前作では戦闘シーンは描かれていなかったが、本作では描かれている。千代(出口夏希)の夫である藤谷林吉(井之脇海)が彼女に戦時中の出来事を語る。許婚者がいる同僚が翌日、激しい戦闘により死んでしまったのだ。林吉たちは穴を掘って彼ら戦死者を埋める。俺には何もできなかった。その記憶が戦後も彼を苦しめる。
戦争で叶えられなかった夢、引き裂かれた絆は百合や涼、沙良たちによって叶えられ、結ばれてゆく。涼が言う「恩送り」のように。それが思う存分できるのが平和ということなのだと、百合先生は生徒たちに訴えたのだ。
戦争は遠い過去の記憶ではない。今でも世界のどこかででは戦争が続いている。戦争を美化してはならない。戦争を止めるために、戦争を再び起こさないために、ひたすら歩め、そして、ひたすら考えよう。




