「THE 不登校」を読んで——How Toでは届かない声に出会った
いろいろな不登校関連本を読んできましたが、IN/SECTSという雑誌の特集「THE 不登校」は、そのどれよりも印象に残りました。
これは“ノウハウ本”ではありません。けれど、私にとっては多くの“ヒント”が詰まった一冊でした。
生きている声がある
「不登校になったらこうしよう」「学校に行けるようにするためには」——本書は、こうした手順や解決策は書かれていません。
専門家の意見もありません。(教員の悩みは書かれています)
代わりに誌面に並ぶのは、不登校の子ども、その保護者、そして居場所をつくっている人たちの“思い”と言葉です。方法よりも先に、“生きている声”がある。
これまでにありそうでなかった本でした。
言葉にしてくれて、ありがとう
特に心に残ったのは、不登校の子をもつ作家さんやライターさんの文章です。読んでいて、思わず「ありがとう」と言いたくなりました。
自分の中にたしかにあるのに、うまく言葉にならないモヤモヤ——その重さや温度まで含めて、見事に言語化してくれている。物書きを仕事にしている人の力って、やっぱりすごい。そう素直に思いました。
読みながら考えたこと
“通う/通わない”の二択では測れない現実があること。
親の不安や罪悪感は、正解探しではなく共有と言語化で少し軽くなること。
居場所づくりの実践には、近道よりも関係の積み重ねが効くこと。
どれも新しい知識ではないかもしれない。でも、当事者や保護者の声として読むと、腑に落ち方がまるで違いました。
こんな人に手に取ってほしい
不登校の子どもと向き合っている保護者
居場所づくりや支援に関わる地域の大人や先生
“正解”よりも、まず本音の言葉に触れたい人
「THE 不登校」は、How Toでは届かない場所に、そっと灯りをともしてくれる本でした。
前を向いて進んでいくためのヒントは、手順や答えのかたちではなく、だれかの等身大の言葉として、ここにたくさん詰まっていました。
