カメラが高すぎると感じているあなたへ【2026年版・賢いカメラの買い方】
近年、カメラの価格が高い。
正直な感想を述べれば、「高すぎる」の一言に尽きる。
特に10年以上前の状況を知っている写真撮りなら、なおさらそう思っているはずだ。
コロナ禍の前後でカメラ製品を取り巻く状況が激変したことは、思い出したくない出来事として皆様の記憶に残っていると思う。
さらに、その後に発生した円安により、カメラの価格は今も上昇の一途を辿っている。
かつては大量生産すれば安くなったし、年月が経過すれば安くなるのが常識だった。
しかし、これらの現象は既に過去のものとなり、もう二度と戻らない古き良き時代の記憶となってしまった。
今回は、2026年3月現在の情勢を踏まえて、カメラ製品の価格高騰の背景とカメラの購入方法について記録していく。
結論を先に述べる。
「ローンを組んででも今すぐに買え」
どうしても欲しいと思ったカメラがあるのなら、夜も眠れず仕事中もそのことで頭がいっぱいになるほどあなたを虜にしているカメラがあるのなら、今すぐに買った方が良い。
たとえ手元にまとまった資金がなくても、ローンを組んででも今すぐに買った方が絶対に良い。
断言する。
僕がはじめて手にしたミラーレスカメラは2015年5月に購入したソニーのα7 IIズームレンズキットだ。
発売してから3か月後で184,000円だった。
現在はこの三世代後継にあたるα7 Vがあり、ボディのみの価格は本日現在で375,210円だ(参考:マップカメラ・2026年3月21日)。
なお、レンズキットは今後発売予定となっているため価格は不明。
400,000円の大台に乗るだろうか。
僕が購入したα7 IIと比較すると2倍以上だ。
そもそも、なぜカメラの価格がこのように高くなったのか、その裏側を紐解いてみる。
これから述べることは、産業用カメラメーカーに勤務していた僕が実際に見聞きした事柄を僕なりに咀嚼した見解だ。
全てのメーカーがこのようになったわけではないと思うが、多くのメーカーにとっては、当たらずとも遠からずと言った所だと思う。
価格上昇の主な原因は下記の3点だ。
これらがこれ以上ないほど最悪のタイミングで重なったことが原因である。
・スマートフォンのカメラ機能の高画質化に起因するカメラの販売減
・コロナ禍による半導体部品の供給不足と価格の高騰
・その後に発生した急激な円安による製造原価の底上げ
スマートフォンの台頭によるカメラ性能の向上でコンパクトカメラの販売台数は爆縮した。
また、急激な円安は海外部品が多くを占めるカメラの製造原価を底上げした。
しかし、これらは仕方のないことだと納得できる部分もあるが、コロナ禍による半導体部品の供給不足と価格の高騰は悪質極まりない。
2026年3月現在、コロナ禍による大きな混乱はほぼ終息しているが、半導体部品の状況は今後もコロナ禍以前のように戻ることはない。
部品の供給不足は多少改善されたが、コロナ禍以前のように大量に生産されることがなくなったからだ。
そのため、大量生産すれば安くなるといった現象はもう発生しない。
では、なぜそんなことになってしまったのか。
ことの顛末はおおよそ下記のとおりである。
1, パンデミック発生!
2. サプライヤー「工場を閉鎖もしくは生産ラインを絞って操業します!」→半導体部品の生産数量が激減。
3. 元請け会社「それじゃ駄目だろ!少しでもいいからとにかく作れ!」
4. サプライヤー「生産量1/5ですが何とか作りました!しかし価格が5倍になってしまいました!この価格が嫌なら無理に買わなくてもいいです!」
5. 元請け「やればできるじゃないか。大変だろうが継続して生産してくれたまえ。」
6. サプライヤー『・・・値段を5倍にしても売れるなら、無理して今までのようにフルタイムで働いて大量生産をする必要はないな。このまま生産量は1/5で単価5倍を継続だ!そうすれば、売り上げはそのままで人件費も電気代も1/5。つまりその分だけ俺が儲かるな。ラクして儲かるなら今までのように朝から晩まで働いて大量生産する必要なんかないな。ウハハハハ!』
部品価格5倍は決して大袈裟ではなく、中には10倍以上になった部品もあった。
しかも納期が異常で、これまで1週間で入荷していた部品が52週間(1年)や99週間などと平気で回答するようになっていった。
それでも元請けは是が非でも部品が必要なため、サプライヤーの言い値で買うしかない。
この異常な歪みは、ゲーム機や自動車、ガス給湯器をはじめとした家電製品、果ては交通系ICカードなど幅広い業界に深刻な影響を与えたことは皆様も覚えておられるだろう。
もちろん、カメラ業界も例外ではなかった。
カメラを注文しても納期は数か月から半年待ちは当たり前、中には1年待ちや受注停止のまま生産を終了になった製品もあった。
カメラが欲しくても買えない状況が長く続いた。
これがカメラの価格上昇の理由である。
世界中が僕のような勤勉な労働者というわけではない。
世界的に見たらラクをして稼ぐと考える人の方がむしろ多いのではないだろうか。
価格高騰の原因として3点挙げたが、残念ながらカメラの価格が現在よりも下がる可能性があるのは、最後に挙げた円安が解消された場合のみである。
コロナ禍の半導体不足は部品供給の遅延を発生させただけではなく、半導体製品の進化も停滞させた。
これまではカメラのモデルチェンジのペースは、エントリークラスやミドルクラスは約2年、ハイエンドやプロ向けは4年でモデルチェンジと言った具合で更新されてきた。
現在はクラスに関係なく概ね4~6年程である。しかも、多くのメーカーが以前よりも製品ラインナップを削っている。
ここで一度、現在のカメラ価格についての状況を整理する。
・カメラの価格は過去と比較して大幅に上昇しつづけており、以前のように時間が経てば安くなるといった買い方が出来ない。
・カメラのモデルチェンジは4~6年くらい。
・円高が唯一の希望。
つまり「今の価格が一番安い」ということだ。
いま販売されているカメラの価格はこの先を見通しても、いまが一番安く買えるタイミングだ。
その日により多少の前後はあるかもしれないが、来月まで待てば少し下がるかもしれないと言ったことはあまり期待できない。
買おうと思っているカメラがあれば今すぐに買った方が良いし、もしかしたら来月には価格改定(価格上昇)があるかもしれない。
「カメラのモデルチェンジは4~6年くらいなら新型はもうそろそろかな、型落ちを狙うか」という考えも古き良き時代の楽観的な思想になった。
新型が出るころには旧型は今までの価格のまま売り切れてしまっている。
たとえ、旧製品になったときまで在庫が残っていたとしても、新型はさらに高額になっているため旧製品の価格が安く見えてしまい、店側にとって価格を下げる必要がない。
例:RICOH GRシリーズ(参考:価格ドットコム・2026年3月21日)
GRIII:約190,000円
GRIV :約230,000円
「円高まで待つか!」と言う考えもあまり賛同できない。
円安により価格が上がったのは、円安と騒がれてから数か月経過した後だ。
為替の影響が価格に反映されるのはそれなりに時間がかかるし、もしかすると円高が起こっても価格を下げないかもしれない。
それでは、どうすればよいのか。
答えはシンプルだ。
分割払いで買えば良い。
現代のカメラの製品サイクルが4~6年であることを考えれば、たとえ48回払いや60回払いでも決して長い期間とは言えない。
一部の店舗やキャンペーン期間などを狙う必要があるが、60回までの分割払いでは金利0でローンを組める。
月々5,000円(60回): 総額30万円。
月々7,500円(48回): 総額36万円。
月々7,500円(60回): 総額45万円。
頭金を用意出来れば524,700円のEOS R6 Mark III RF24-105L IS USM レンズキットが買える(参考:マップカメラ・2026年3月21日)。
支払いが終わる5年後にはこのカメラの後継機種が出ているので、いまのカメラボディを下取りに出せば後継モデルを月々5,000円の60回ローンで購入可能だ。
しかも、カメラの価格が上がり続けるというのは、いま所有しているカメラの価値も上がり続けるということだ。
現代のミドルクラスのカメラの5年後の下取り価格は、次に手にするカメラの頭金として十分な額になるはずだ。
勤め人の僕でも、真面目に働いていれば無理せずカメラを手に入れられる。
過去には盆や暮れのボーナス時期を狙う方も多かったと思うし、店側もセールなどを行う場合が多かったが、残念ながらもうこの買い方は出来ない。
そもそもカメラ自体がセールになることは稀であるし、ましてや目星をつけているカメラが特別価格になるということはほぼない。
シーズンによる店頭価格に大きな下落は無いと思った方が良いだろう。
しかし、そんな中でも希望はある。
メーカーが行う期間限定のキャッシュバックキャンペーンである。
実際に安く買えるわけではないが、数万円のバックの有無は極めて大きい。
コロナ禍以前と現代ではカメラの購入方法は大きく変わったのだ。
もちろん返せないローンは組むべきではないし、しっかりとした計画を立てる必要はある。
しかし、一括購入の予算がないからと言ってローンでの購入を検討せずに購入を諦めるのはもったいない。
「嗜好品をローンで買うなんて」と言う意見もあるだろう。
しかし、僕もそうだが、ある程度の写真撮りにもなると、写真が人生の一部になっている人もいれば生き甲斐になっている方も少なくない。
生き甲斐だからこそローンで買うのだ。
ローン完済までは働き続けなければならないし、人生を継続しなければならない。
正に生きる活力である。
写真は人生である!(ローンがあるから)
写真は俺の生き甲斐だ!!(ローンがあるから)
結論:「ローンを組んででも今すぐに買え」

