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⛰️海を見に行く縦走 ― 沼津アルプスを歩き通す春の一日

丹沢を離れ、アップダウンの多い沼津アルプスを歩くことにしました。
低山ながら急登が続き、縦走らしい歩きごたえがあるのがこの山域の魅力です。 そして最後には海を見るという、小さなご褒美もこの日の目的でした。
春というにはやや暑い陽気に包まれながら、黒瀬から多比へと続く山道を歩き始めます。


🔖こんな人向け

  • 海の見える山歩きを楽しみたい人向け

  • アップダウンの多い低山で体力をつけたい人向け

  • 間近に富士山を眺めたい人


■沼津駅から香貫山へ

沼津駅から歩き始めると、街の空気はすでに初夏のような暖かさでした。 薄い雲が上層にかかっているものの、陽射しは明るく、南からの風が吹いています。
香貫山へ向かう道は幹線道路で、車が多いものの香貫山を眺めながら歩きます。山がすぐそこにあると感じます。
黒瀬登山口に入り、少し登ると香陵台に到着します。ここでは慰霊碑となる塔があります。さらに上ると展望台もありますが、この辺りは朝早くから地元の人たちが訪れており、10名ほどとすれ違いました。

慰霊碑の奥に富士山が見えます。


香貫山の展望台に着くと、北には愛鷹山を前景にした富士山、そこから左を向くと駿河湾越しの由井・清水方面が見えます。過去、ここを訪れた時と同じ大展望に気持ちが高まります。

やはり富士山は引き付けられます


ソメイヨシノはすでに散っていましたが、八重桜が満開で、濃い色の花が春の名残を鮮やかに彩っていました。ツツジが咲いており、上の富士山の写真にも左下に白や赤の花が見て取れます。ツバキも少ないながらまだ残っており、赤い花が目立ちます。
香貫山の頂上は眺望はありませんが、小休止をして、ここから始まる長い縦走に向けて気持ちを整えました。

沼津アルプスの標識を見ながら小休止します


■香貫山から横山を経由し徳倉山へ

香貫山を過ぎると、いよいよ沼津アルプスらしいアップダウンが始まります。一度、八重坂峠に下り横山へ登り返します。横山への登りは急で、ロープが設置されており、軽く持ちながら登ります。ロープに体は預けません。横山の標高は低いものの、登山道は傾斜があるため、体が一気に温まります。

横山山頂に到着する頃は暑いぐらいでした


横山を越えると横山峠に向けて下りとなります。その後は徳倉山への登りが待っています。沼津アルプスは峠を越えて頂上への登り返しが多く、これが急登になっている原因だと思います。
徳倉山へのアプローチも急登であり、ここには長い鎖が設置されています。鎖も軽く持つだけで腕力には頼らず、体のバランスを支える程度にします。下りでは転倒すると転げ落ちる可能性があり、三点支持を意識するとともにいつでも持てるようにしておくとよいと思います。

徳倉山へは鎖が設置された急登を登ります


足場は安定しており、淡々と脚を使って登っていきます。意外と長い鎖に驚きます。鎖の終点から少し登ると徳倉山の山頂に至ります。山頂は広く、休憩するにはいいポイントです。二人の先行者がレジャーシートを広げて休憩していました。自分も大休止とし、水分を補給します。

徳倉山山頂は広場となっています


■徳倉山から鷲頭山へ

まずは小鷲頭山へ向かいます。ここでも志下坂峠や志下峠などの峠に降りることとなり、地図の等高線を見ても鷲頭山へ一筋縄ではいかないことが分かります。
志下坂峠が最初の経由地になりますが、途中、登山道から少し外れた象の背に向かいます。明確な登山道はありませんが、ピンクテープがいくつかあるので道迷いに注意しながら進みます。その先に象の背の表示がこれもピンクテープにありました。わずかに外れた場所に小さく記されている名前が、このコースの遊び心のように感じられました。

ピンクテープに書かれた象の背の表示


象の背を後にし、志下坂峠へ下ります。突然海が正面に現れ、景色が一転し、思わず足を止めます。

海が見えることが今回のコースのポイントです


志下坂峠からの道は眺めがよく、右手に何回か海が見えます。そして、これから上る小鷲頭山を前方に確認することもできますが、下って登る事が見て取れるため、「それなりに大変だ」と感じます。
小鷲頭山の登りも急登となります。これまでも何人かとすれ違ってきましたが、 小鷲頭山の手前では団体の登山者とすれ違い、にぎやかな声が響いていました。登り優先ではありますが、全員抜けるまですれ違いができるポイントで待ちます。

合計11名の団体を見送ります


多比にバスが到着し、北上する登山客が増えてきたようで、この先はすれ違いがコンスタントに続きます。 小鷲頭山は経由地として休憩は取らず、先の鷲頭山に向かいます。
10分ほど歩いて鷲頭山に到着します。そこには20年前の標識がまだありました。もしかすると作り直されたものかもしれませんが、同じもののように見えます。手入れがされているのか、文字もはっきりとしています。ただ変わったことがあります。根元から折れてしまったのか、海側から移動され、木に立てかけられていました。年月を感じさせる姿に、長く歩かれてきた山であることを実感します。

根元が折れ、木に立てかけられていますが、変わらないように見えます


山頂からは海が近く見え、青い水面が春の光を反射してきらきらと輝いていました。ここまで来ると、縦走も終盤に差し掛かります。
時間も11時30分であり、お昼ご飯の時間でした。朝から動いており、大分おなかがすいていましたので、持ってきたパンを食べてこの先に備えました。

■大平山から多比に下山

鷲頭山から大平山へ向かう道は、備長炭の原料にもなるウバメガシの森が続きます。独特の幹と枝の木々が密に生え、これまでとは異なる雰囲気を作り出していました。尾根は明瞭ですが、岩の上を歩く場所もあります。
右手に時折海が見えるたびに、ゴールが近づいていることを感じます。 多比への下山分岐となる多比口峠まで進むと、大平山への最期の登りが始まります。

ウバメガシの森を抜けます


10分ほど登り大平山に到着します。大平山も広場になっており、休憩の適地です。そして地元の方がこの登山道を整備されていることがここでもわかります。予定していたすべてのピークを終え、いよいよ縦走が終わりに向かいます。

地元の大平会による整備が分かります


最後に多比口峠に戻り多比への下山の道に入ります。
多比へ向かう下りは急な箇所もありますが、明るく、道は整備されており、歩きやすい登山道が続きます。しばらく歩くと、やはり地元の方が整備しているスイセン畑に到着します。ここからは農道となりそのまま多比へ至ります。
多比の集落に降り立つと、山の静けさから一転して、海の匂いが漂ってきました。
多比は国道が走っているため交通量も多く、山の雰囲気は一気に消えます。国道を渡り左に折れると多比のバス停はすぐそこです。

多比の集落を目指すと海が見えます


山行は終わりましたが、裏手に向かいます。堤防に登ると、青い海が広がり、今日の目的のひとつである「海を見る」ことが叶いました。釣りをする人や散歩する人など、海の手前には人がいました。
長いアップダウンを歩き通した達成感と、海風の心地よさが混ざり合い、歩いてきた尾根の時間が、海風の中に溶けていくようでした。

堤防からは山行の目的とした海が見えます



山行記録

  • 日付 : 2026/4/12(日) 

  • 天候 : ☀️晴れ 

  • 目的の山 : 香貫山、徳倉山、鷲頭山、大平山、他

  • コース概要 : 沼津駅 →香貫山 → 横山 → 横山峠 → 徳倉山 → 志下坂峠 → 志下峠 → 小鷲頭山 → 鷲頭山 → 多比口峠 → 大平山 → 多比口峠 → 多比

  • コース定数 :28

  • 距離 : 12.3Km

  • 標高差 : ⬆️1,097m、⬇️1,098m

  • 行動時間 : 6時間08分


ルート

今回の山行ルート

$${\scriptsize{\textsf{出典:国土地理院 (https://maps.gsi.go.jp/)}}}$$
$${\scriptsize{\textsf{地理院タイル (陰影起伏図+地名) を加工して作成}}}$$


所感

ずっと歩きたいと思っていた沼津アルプスを歩くことができました。
ご当地アルプスの先駆け的なコースですが、行く先々に設置されている標識が多くの人に愛され、それが登山道を含めた整備につながっていることを再認識しました。
コースとしても、海へ向かって歩くというシンプルな目的が、この縦走をより印象深いものにしていました。
多比からのバスもおおよそ1時間に3本となっており、沼津駅までの帰りも心配しなくてよいという事もメリットかなと思います。


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