見出し画像

絵描きの日記をめくって下さい

ずっと産土を探している


昨日9月8日、東京都美術館での展覧が最終日を迎え、ようやく少しホッとしているところです。
その準備に加え、やりたいこと、やらねばならぬこと、やれと言われること、目白押しで、2ヶ月近くに及ぶ寝不足、不摂生。体調不良は当然といえば当然ですが、動けるということは素晴らしい!

今回発表の作品は、5点でひとつの作品になり、展示空間や気分で、並べ方を変えることができます。全体像ではありませんが、部分的に少しばかり紹介をしちゃいます。よかったらみてやって下さい。


「産土(うぶすな)」部分


線維筋痛症と適応障害を発症して10年以上経ちましたが、行ったり来たりの症状の中で、これ以上のダメージはないと気付いた時は、本当に何も出来なくなって考えられなくなって、涙など出ない。まさに段ボールに詰められてじっと朽ち果てるのを待つ、そんな気持ちを何度も経験しました。
そんな過去からの繰り返しを吹き飛ばすように、そして昨年中からの活動自粛の穴を突破するように、今年、無事開催することができました。
今!こうして動き回っていられることが、どんなに素晴らしいことか!

美術館内は、感染症防止対策は十分できているものの、やはり観覧者は例年の半数ほどでした。
表彰式もオープニングパーティも行わないので、準備する側としては、フットワークはいつもよりはラク?でしたが、受賞された絵描きさん達は、館内の地味で雑然とした事務所(楽屋裏)での賞状等の受け渡しに、え?地味!と、引いたのではなかろうか、と少々心配も。


「産土」部分


以前、記事に書いたかなって記憶しているのですが、狭い間取りの中、キッチンにテレピンの匂いをプンプンさせながら、最長60cmそこそこという至近距離で、時には約2m四方の絵を描いているわけで、美術館の広大な地下室に搬入されて、初めて自分の作品を遠くから確認することができるのです。後悔など問題外というところです。
よく描けるねって、例外なく言われるけれど、描けるのではなく、描いちゃうんです。
エスキースも作らない行き当たりばったりですから、勘……というか感覚?の仕事です。
その時の感情で、使いたい色もフォルムも変化していく。
そんな正直な日記が塗り重なった分厚い記録なのです。


「産土」部分


作品のテーマ、産土。
生まれた土地。内なる故郷。自分の落ち着く場所。自分の居るべき場所。
自分に合った土と水をずっと探し続けています。


「産土」部分



産土を探す旅は続きそうです。

来年は都美術館や東京の銀座での展覧を予定してます。
マスクを外せる日は、訪れるのでしょうか。



みて下さってありがとうございます。
全体像はできれば他の機会に、と思っています。








いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集