縦読み詩「わ・す・れ・ら・れ・な・い・女」💞詩+ショート・ストーリー+コケティッシュ・JAZZ
縦読み詩:
💞「わ・す・れ・ら・れ・な・い・女」
わかっていたはずの終わりを
すこしだけ先延ばしにして
れいのない夜を重ねながら
らしくない沈黙を覚え
れき史の外に置いた恋が
なぜか今も息をしていて
いなくなった背中より
女は記憶の中で生き続ける
ショート・ストーリー
💞「わ・す・れ・ら・れ・な・い・女」
わかっていた。
終わりが来ることも、永遠ではないことも。
それでも彼女は、あの時間を丁寧に生きた。特別な約束がなくても、未来の保証がなくても、目の前の一瞬に心を置いた。その姿勢は、後悔のためではなく、記憶に残るためだったのかもしれない。わすれられない女は、最初から「忘れられよう」としていない。ただ、誠実に在っただけだ。
すべてを語らない強さがある。
感情を並べ立てることも、理由を説明することも、彼女はしない。沈黙の中に意味を残し、余白を相手に委ねる。それは不親切なのではなく、相手の人生を尊重しているからだ。言葉を尽くせば楽になることもある。だが、あえて言わない選択が、心に長く残ることを彼女は知っている。
れいせいに見えて、実は情が深い。
表に出るのは穏やかな表情だけれど、その内側では、感情が静かに積もっている。燃え上がる恋よりも、染み込むような関係を選ぶのは、一度結んだ縁を簡単に手放せないからだ。だからこそ、彼女と過ごした時間は、後になってから重さを持つ。
らしく生きることを、彼女は恐れない。
誰かの理想になるより、自分であることを優先する。迎合もしないし、しがみつきもしない。その姿は、ときに冷たく、ときに自由すぎるように見えるだろう。しかし、その一貫した姿勢こそが、相手の記憶に強く刻まれる。取り繕わなかった女は、忘れにくい。
れんらくが途切れても、物語は終わらない。
声が聞こえなくなり、姿が見えなくなっても、ふとした瞬間に思い出される。匂い、光、音楽、季節。そのどれかが引き金となり、彼女は静かに蘇る。時間が経つほどに美化されるのではなく、輪郭がはっきりしてくる不思議な存在だ。
なぜ忘れられないのか。
それは、彼女が相手の人生を壊さなかったからだ。支配も依存もせず、相手の自由を奪わなかった。だから別れた後も、否定すべき記憶にならない。思い出すことを許される関係だったからこそ、記憶の中で生き続ける。
いまも彼女は、どこかで普通に笑っているだろう。
特別なことがなくても、日常を大切にしながら。過去に縛られず、しかし過去を粗末にもせず。わすれられない女は、誰かの心の中で役割を終えたあとも、自分の人生を前に進めている。
女は、記憶に残ろうとしないからこそ、残る。
求めすぎず、与えすぎず、ただ誠実に関わった結果として。忘れられない存在とは、強烈な刺激ではなく、静かな真実なのだ。時間がすべてを薄めていく中で、なぜか消えない人がいる。その象徴が、わすれられない女である。
コケティシュJAZZ
💞「わ・す・れ・ら・れ・な・い・女」
歌詞
ねえ
もう終わったはずなのに
どうして 思い出すの?
わかってたの 長くはないって
それでも今を ちゃんと生きたの
すべてを語らない そのクセ
余白ばかりが 残るでしょ
冷静なフリ 上手だけど
ほんとは情が 深いのよ
連絡なんて なくなっても
記憶は ちゃんと息してる
わ・す・れ・ら・れ・な・い・女
追いかけない 縛らない
甘く微笑んで 風みたいに
あなたの時間を 通り過ぎた
わ・す・れ・ら・れ・な・い・女
静かに 爪痕残す
恋じゃなくても 愛じゃなくても
心に 居座るタイプなの
忘れさせるほど
強くなんて してないだけ
わすれられない女
今夜もJAZZで 揺れてるの
