ガラス作家になるために、でなく続けるために歩んだ日々
ガラス作家になりたくて上京して2年が経ちました。
(イラストレーターもやっている理由は自己紹介にかいております!)
ガラス工芸初心者からずっとハードル走のような歩みを続けて、この度ようやく出展までこぎつけることができました。
振り返ってみると、続けるためにはこうするしかない・・・と消去法的な理由で今に辿り着いているし、作品も何かすごく考えて思いついたわけでも何でもありません。
実際、ガラス工芸を続けて行くことは難しいです。モノづくりは何でもそうでしょうが。
当然といえば当然ですが、あらゆるガラスの体験工房や教育機関は、最初ガラスの楽しいところやキラキラしたところだけを見せます。
(イラストとか、他のあらゆる仕事でもそうなのかもしれない)
そしていざ始めてみると、リアルに越えなければならないハードルにぶつかることになるのです。
それでも続けたいと思う人が、きっと作家になるのでしょうね。
そして、続けるためにあれやこれや手探りでやっているのが今の自分。
技法についてかるく説明
記事を理解しやすくするために、技法についての説明を少し
私がやっている電気炉で焼成する技法は、どちらかというとマイナーかもしれません。
私は東京ガラス工芸研究所に1年間通い、一通りの技法をやったのですが、できそうだったのがそれだったという消去法的な理由でした。
吹きガラスは体調が悪くなるし、精緻なものを作る技法には興味がないし、雑な性格だし、自分のペースでできて、ある程度大らかで自由な部分があるところがいいなと思いました。
電気炉で焼成する技法をキルンワークと呼ぶのですが、その中でいくつか技法があります。
・パート・ド・ヴェール
古代メソポタミア文明から存在していたらしい鋳造の技法で、アール・ヌーヴォー時代にヨーロッパで復活しました。
粘土やワックス等で原型を作り、石膏型をとってガラスの粒をつめて焼成します。
色や粒度を変えてとても多彩な表現ができる技法です。
このパートドヴェール技法を軸として作品を展開しています。
時間と手間がかかり大変ですが、作家もまだまだ少なく1番可能性を感じます。

粘土で原型を作り、石膏をとって外型と内型をプレスさせます。
・フュージング
鋳造とは少し違って、ガラスを型に沿わせて溶かす技法。
既製品の色ガラスの板をカットして組み合わせて溶かす、というのをよく体験工房とかで見ます。
焼成温度のプログラミングが難しく、パート・ド・ヴェールより私はこっちでたくさん失敗しました。

・エナメル絵付け
エナメル顔料をメディウムで練ってガラスに絵付けし、焼き付けます。油絵っぽい表現も水彩っぽい表現もできます。


これらの技法を使って作家活動を続けると決めた時に、乗り越えなければならなかったことを書いていきます。
ガラス作家でnoteをやってる人は、私が知る限りでは1人しかいないので、誰も読まないかもしれませんが。。
①作業スペースと機材問題
美大や学校を出た後、大抵の人は学校やどこかの工房、工場にお世話になりますが、設備が整った場所がないとそもそも作れないからです。
一軒家を持っている人、実家でできる人は羨ましいのですが、私は生活するためだけの狭いワンルームでやらなければなりません。
私の場合、絶対にいるものは家族に助けてもらって購入しました。
・電気炉(三日かけて学校で手作りして格安で入手)
・ハンドリューター(とりあえずこれがあれば研磨ができる)
高いお買い物はこの2点で、細々したものを合わせると30万以上と思います。
電気炉は家庭用コンセントでできる最大のサイズで作ったため、結構スペースを取るのですが、逆に窯の上で作業ができるというメリットもあります。
写真撮影も耐火ボードを置いて窯の上で行っています。
大きな機材は当面は工房でレンタルをすることにしました。
お金はかかりますが、大型機材を使った方がはやいです。平盤、サンドブラスト、グラインダーとか。
②身体的な問題
私運動神経は結構いい方なのですが、握力だけないんですよね。
そりゃ、手がでかい人と手が小さい人の握力が同じなわけがなく。
研磨作業をしているとすぐに疲れます。


というか、「ガラスは研磨をしなければならない」という概念を、やる前にもっと教えて欲しかった。笑
ガラスは土みたいにすぐ削れません。家の窓ガラスを削ることを考えたら想像しやすいかもしれません。
削れても、傷がついて荒っぽい面になり、番手を変えて磨かなければなりません。
一度削った面を再びピカピカにしようもんなら、気が遠くなるくらいの時間と労力がかかります。
私は学校を修了後、パート・ド・ヴェールの工房でインターンをさせてもらいました。
とても充実した日々で、ガラスのこともガラス以外のこともたくさん学びました。本当に有難かったです。
今でもその工房がなければ活動は成立していません。
しかし、パート・ド・ヴェールでやっていく、というビジョンがなかなか見えないままでした。
ガラス作家として生きていくためには、定期的に作品を販売し続けなければなりません。しかし、10個も20個も簡単に作れるような技法ではなく、それこそ設備やスタッフが充実していないと実現しないような領域です。
③どうすれば作り続けられるのか
だから、一度作品に対しての理想を捨てて、作り続けられるかどうかということだけにフォーカスしはじめました。
加工が最小限であること、室内での生活に支障が出ないこと、など。
(物が溢れすぎてまともに歩けないのは仕方がない)
そこで、フュージング技法を取り入れることにしました。
石膏代わりの素焼きの型と最適な温度プログラムさえあれば、同じ形を安定的に作ることができます。
そして、均一な表面のガラスは溶けるとツヤっとなります。
形を崩さず表面が綺麗になる絶妙な温度管理をすることで、後から表面を加工する手間を省きました。

学校を卒業する少し前。良い感じに見えていますが、凹んでいたり、裏側に皺が寄っていたりと大失敗しています。
④問題や失敗が起きた時対応する力
ガラス作品を作っていると、どんなに熟練した方でも失敗することもあります。
失敗しないことではなく、失敗した時リカバリーできることが1番大切だと、本当に、ひしひしと、痛感しています。
どうしてかというと、Googleで検索しても解決策は出てこないからです。
学校と工房で先生から教えてもらったこと、先生方の書籍、ガラス素材そのものについての知識を総動員して実験してやっと解決できた、ということもありました。
1人でやっている今でも、何かあれば頼れる人がいるだけで心強いです。
このことだけで1本記事が書けそう。
絶対に1人ではここまで来れなかったし、失敗して止まってしまったら作家活動はできなかったと思います。
⑤どこに出展したらいいのか分からない
私が展開しているLettersといううつわのシリーズのことについては今度書こうかと思います。偶然できたものを後からこじつけたので大したことではありませんが。
アート、工芸、クラフトとかの棲み分けはよく分かっていません。定義の違いはありますが、どれがやりたいのかどうやって決めるのかも分かりません。
色んな公募展があって、どれに出したらいいのか分かりません。
アートすぎたり、工芸すぎるものは、空気感が違うので出さないようにはしています。
唯一出したい!!と思ったのはSICFでした。
青山のSpiralという、有名なアートセンターで毎年やっている若手作家の公募展です。
ガラス作家がよく展示をしていて、青山塾から近いので授業前に足を運んでいました。
洗練されていてとてもかっこいいので、いつか出展するぞ!と目標にしていました。
去年の秋頃から、応募できるように自分の軸となる作品を確立させようとしてました。
自然と期限ができていたことは良かったと思います。
審査資料はかなり頑張って作ったので少し自信は持てましたが、いざ審査を通過した時はめちゃくちゃ驚きました。
いきなりこの大舞台に出るのはやばいので、クラフトマーケットに出展することにしました。
こちらも青山塾のお隣でやっている恒例のマーケットで、絶対に会場に辿り着けるので安心です。
先日も、青山塾の修了展で行ったときが土曜日だったので、会場の下見ができました。
また、マーケット準備のこと纏めたいと思います。
ハードル走は続く
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INTO Craft Our Lives vol.45
2025年3月29日(土)・30日(日) 10時〜16時
【アワモトの出展は29日のみ】
雨天開催/荒天の場合中止
入場無料
会場:国際連合大学ピロティ
東京都渋谷区神宮前5−53−70
最寄駅:渋谷駅・表参道駅
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SICF26
A日程:2025年5月2日(金)〜5月4日(日)祝 11時〜19時
B日程:2025年5月5日(月)祝〜7日(水) 11時〜19時
【アワモトの出展はB日程・MARKET部門です】
会場:スパイラルホール(スパイラル3階)、スパイラルガーデン(スパイラル1階)
東京都港区南青山5−6−23
東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道駅」B1、B3出口すぐ
EXIHIBITION部門(計100組):別途入場チケット購入
MARKET部門(計70組):入場無料
