サビをインストだけで感動させたかった
Sona Soundの新しい曲、
**「I Still」**を作りました。やっとできた。。。
最初から今の形を考えていたわけではありません。
始まりはもっと単純で、
夜っぽくて、少し夏っぽい曲を作りたい。
それくらいでした。
そこから曲を作り、歌詞を直し、映像を考え、
うさぎが出てきて、星空が出てきて。
最初に想像していたものとは、
だいぶ違う場所に着地しました。
でも今回は、その
「予定どおりにいかなかった感じ」も含めて
気に入っています。
サビを歌わせたくなかった
最初にやりたかったことのひとつが、
サビをインストにすることでした。
歌が一番盛り上がるのではなく、
言葉がなくなったところで音だけが感情を
持っていく。
そういう曲で、
実際にすごく感動したことがあったからです。
自分でもやってみたかった。
結果として、完成した「I Still」が
完全にその構造になったかと言われると、
ちょっと怪しいです。
作っている途中でも、
「普通すぎる」
「キラキラしすぎる」
「曲まで力強くなりすぎる」
「メロディーがありきたり」
と、何度も方向を変えました。
最終的に大きかったのは、
世界観を少しやわらかくしたことだったと
思います。
強い決意を歌うからといって、
曲まで全部強くする必要はない。
むしろ柔らかい場所に強い言葉がある方が、
自分にはしっくりきました。
エレクトロニカだけでも、
ハウスだけでもない
曲の土台にはエレクトロニカがあります。
ただ、それだけではありません。
JazzやHouseの要素も混ぜています。
さらに、本当に少しだけですが
Salsaっぽいリズムも入っています。
どれか一つのジャンルに
きれいに収めるというより、
夜の空気に合いそうなものを少しずつ混ぜていった
という方が近いです。
Jazzの少し曖昧な感じ。
Houseの一定に進んでいく感覚。
そこにエレクトロニカの質感を重ねて、
ほんの少しSalsaの動きを入れる。
最初に「このジャンルの曲を作ろう」と
決めたわけではなく、
世界観に合うものを足したり引いたりした結果、
今の形になりました。
「I Still」の後ろにあるもの
タイトルの「I Still」は、
かなり後から決まりました。
自分の中では、
まだ終わっていない。
まだ忘れていない。
でも、もう振り返らない。
その全部が「I Still」の後ろにあります。
歌詞の中で特に好きなのは、
戻れないことを
知らなかった わけじゃない
という部分です。
戻れないことは分かっていた。
それでも、前へ進むことを選ぶ。
この曲で言いたかったことが、
一番残っている部分だと思います。
誰か一人の状況だけを想定した曲には
したくありませんでした。
何かを失った人でも、何かを諦めた人でも、
これから何かを始める人でも。
それぞれの「I Still」として聴いてもらえたらいいと思っています。
なぜ、うさぎなのか
MVには、黒い目のうさぎと、
赤い目のうさぎが登場します。
最初の黒目のうさぎは、
普通の姿として置きました。
そこから後半、赤い目のうさぎへ変わります。
アルビノのうさぎは、
色素が少ないことで目が赤く見えます。
自然界では白い身体も含めて目立ちやすく、
生きていくうえで不利になることもあります。
でも、この作品ではそこを少し違う方向から
見ています。
目立つ姿のまま、
それでも大切にされて生き延びた存在。
強く生きることだけではなく、
自分自身を大切にして生きること。
赤い目のうさぎには、
そんな意味を持たせています。
赤目を怖いものとして使ったわけではありません。
むしろ自分の中では、かなり前向きな変化です。
ちなみに途中までは、
赤や白の色つながりでイチゴやショートケーキまで
出そうとしていました。
さすがに世界観が崩壊しそうだったので、
やめました。
人物を出すかどうかは迷った
MVには女性も登場します。
人物を入れるかどうかは、かなり迷いました。
うさぎだけでも作品として成立する気が
したからです。
ただ、映像全体の色の変化を見せるうえでも、
人の姿があった方が対比が分かりやすい。
そこで、女性とうさぎを別々の登場人物ではなく、
同じ存在を違う姿で見せるような構成にしました。
同時には登場しません。
黒と白を中心にした姿から、
赤やピンクを含んだ姿へ。
MVの後半では、
色そのものも少しずつ変わっていきます。
少しだけ、儚くしたかった
映像は色鉛筆のような質感を目指しました。
単純に見た目が好きなのもあります。
ただ、それだけではなく、
ほんの少しだけ儚い感じを入れたかった。
実写のように生々しくするより、
線が残っている絵の方が、
この曲には合う気がしました。
完成してみると、
「思っていたほど色鉛筆感ないな?」
とも思っていますが。
それも含めて今の形です。
もっとページをめくるような映像にする案も
ありました。
もっとポップになる予定もありました。
でも、いろいろ試して削った結果、
こうなりました。
こういう時、自分でも完成形を最初から
説明できないのが面白いところです。
星空は、全部自分で撮った
MVに出てくる星空は、
すべて自分で撮影した写真です。
今回、それを作品の中に使えたのは
かなり嬉しかった部分です。
AIで素材を作れるようになっても、
自分で実際に撮った風景が入ると、
映像との距離が急に近くなります。
全部を生成する必要はないし、
全部を自分で撮影する必要もない。
自分で撮った写真と、生成した素材と、
編集した映像を組み合わせながら、
自分が見せたい場所を作っていく。
今はそのやり方がかなり楽しいです。
冒頭で、うさぎと女性がそれぞれ振り向く場面も
かなり調整しました。
ほんの短い動きですが、
今回のMVではかなりこだわった部分です。
AIならボタンひとつ、
ではなかった
音楽も映像も、AIを利用している部分があります。
AIで作品を作ることに対して、
「簡単に作ったもの」というイメージを持つ人も
いると思います。
実際、以前ならできなかったことを
短時間で試せるようになったのは
間違いありません。
これは本当にすごい。
でも、ここしばらくAIと言われるものに
触れている中でひしひしと感じていることは、
ボタンを一回押したら完成した、
ということはほとんどありません。
曲調が違えば作り直す。
メロディーが普通なら変える。
歌い方が強すぎれば戻す。
画像の顔が違えば作り直す。
人物の向きが足りなければ増やす。
動画にすると違和感が出て、また静止画へ戻る。
そこから編集して、音に合わせて、また直す。
更に編集、修正、編集。。。
ChatGPTと何度喧嘩したかわかりません笑
できることが増えた分、選ぶことも増えました。
だからこそ、自分にはAIが
「作品を代わりに作るもの」というより、
今までやりたくてもできなかった表現まで
手を伸ばせる道具
と感じています。
技術がなくて諦めていたものを、
とりあえず形にして試せる。
そこから、自分が好きなものだけを残していく。
これはかなり大きいです。
最初の予定とは違うけれど
夜っぽくて、夏っぽい曲を作ろう。
最初はそこから始まりました。
最終的には、
エレクトロニカにJazzとHouseが混ざり、
少しだけSalsaが入り、
赤い目のうさぎが出てきて、
人物が歩いて、
自分で撮った星空が広がる。
最初に想像していたものとは、だいぶ違います。
でも、作りながら変わっていった結果としては、
今の「I Still」が一番しっくりきています。
純粋に曲や映像の世界を楽しんでもらえたら
嬉しいです。
そして、
「こういう作り方でも作品って作れるんだ」
と思ってもらえたなら、それも嬉しいです。
I Still.
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