見出し画像

広告屋さんもまんまと体感…「ながら磨き」でブランドスイッチが起きた話

こんばんは!「広告屋さんのひとり言」管理人のkouです。

先日、いつものようにドラッグストアへ買い物に行った時のことです。歯磨き粉の陳列棚の前で、いつものように決まったブランドのホワイトニング系の製品に手を伸ばそうとしました。長年浮気ひとつせず使い続けていた、愛着のあるブランドです。

ですが、ふと目に飛び込んできたのは、ある歯磨き粉のパッケージに書かれた「ながら磨き」という文字。

私はいつも、デスクワークをしながら歯磨きをするのですが、その時「泡が垂れたり」「磨き残しが気になったり」していたんですよね(苦笑)。その悩みを一瞬で思い出し、ついついホワイトニング系へのこだわりを一旦やめ、その「ながら磨き」の歯磨き粉を衝動買いしてしまいました。

それが、花王さんの「ピュオーラ 薬用ハミガキ」です。

出典:花王株式会社|「ピュオーラ」https://www.kao.co.jp/pyuora/hamigaki/

長年ホワイトニング一筋だった私が、数年ぶりに別の歯磨き粉を購入するきっかけとなったこの「利用シーン」を全面に押し出した訴求に、まんまと体感し、思わず驚きました(笑)。今回は、この体験から学んだ「ブランドスイッチ」の秘密と、企業努力の裏側について語りたいと思います。


なぜ「ながら磨き」に心惹かれた?利用シーン訴求の破壊力

なぜ、私は「ながら磨き」という言葉にこんなにも惹かれたのでしょうか?

花王株式会社さんのリリースによると、ピュオーラのこの商品は、2024年10月にリニューアル発売されたとのこと。
その背景には、事前のWeb調査で、現代では多くの人が歯磨き中にスマホを見たり、別のことをする「ながら磨き」の習慣があることがわかったそうです。

出典:花王株式会社|「ピュオーラ」https://www.kao.co.jp/pyuora/hamigaki/

【従来の歯磨き粉の訴求軸】

  • 機能・成分重視:ホワイトニング、歯周病予防、口臭対策、フッ素配合など

  • 効能効果:歯を白くする、虫歯を防ぐ、スッキリ感など。


これまでの広告が、製品の持つ「機能」や「効能効果」を前面に押し出すのが王道だったのに対し、「ながら磨き」という言葉は、「顧客のリアルな行動」に寄り添った全く新しいアプローチでした。

私にとって、それはもはや「歯磨き粉」という商品を買うのではなく、「デスクワーク中でも快適に歯磨きができるという『体験』」を買うことだったのです。

■ 共感性
「あ、それ僕だ!」と、無意識のうちに自分の行動と結びつく。

■ 課題解決
「泡が垂れる」という、日々の小さな悩みを解決してくれると直感する。

■ 体験への期待
まだ使っていなくても、「これを使えばもっと快適になるだろう」という期待感が生まれる。

長年のブランドへの愛着やこだわりさえも上回ってしまうほど、「利用シーン」を切り口にした訴求には、大きな破壊力があるのだと痛感しました。

「第一関門突破」から「ブランドスイッチ」へ、巧みな戦略

ピュオーラのマーケティング戦略は、この「利用シーン訴求」で私のような顧客に「一回使ってみよう!」と思わせる「第一関門突破」を仕掛けただけではありません。

💡 俳優の起用による「すり込み」

俳優の吉沢亮さんを起用したCMを放映し、商品の存在と「ながら磨き」というメッセージを、日々の生活の中で無意識のうちに「すり込み告知」していました。

💡 ブランドスイッチへの道筋

競合他社がひしめくドラッグストアの棚で、まずは「手に取る」から「一回使ってみよう」という関門をクリアさせます。
そして、その後に自社の自信のある機能性や効能効果を体感させることで、最終的な「ブランドスイッチ」を起こさせる。

これは、緻密に練られた企業努力の賜物だと感じました。

機能や成分が優れていることは大前提として、それを顧客の「どんな行動」「どんな悩み」と結びつけるか。
これを徹底的に考え抜いたからこそ、リニューアル後の発売から1年足らずで、多くの消費者の心をつかむことができたのだと思います。

まとめ:広告屋として再認識した「利用シーン訴求」の重要性

今回は、無印良品の「冷やして食べるカレー」に続いて、私自身が体験した花王さんの「ながら磨き」の歯磨き粉の事例から、「利用シーン訴求」の重要性について考えてみました。

  • 機能や成分だけでなく、「どんな時に使うのか」「どんな悩みを解決するのか」という、顧客のリアルな行動や感情に寄り添うことが、現代の広告には不可欠です。

  • 新しい訴求は、既存の強固なブランドの牙城を崩す、強力な武器になり得ます。

  • そして、その訴求を日々の広告で丁寧に「すり込み」、最終的にブランドスイッチへ導く、緻密な戦略も欠かせません。

新しい広告の打ち出し方って、本当に難しいですが、こうして既存のブランドが訴求軸を変えていく姿を見ると、私たち広告屋も、お客様のビジネスの可能性を広げるために、もっともっと知恵を絞っていきたいと強く感じます。

さあ、皆さんも、何気なく使っている商品の中に、どんな「利用シーン訴求」が隠されているか、探してみてはいかがでしょうか?
ぜひコメントで、皆さんの「ひとり言」も聞かせてくださいね!


いいなと思ったら応援しよう!

AXEL@広告屋さんのひとり言.ch よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!