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行くと心が和む、大牟田市動物園を「勝手に応援」するフリーペーパーをつくる理由。

「大牟田市動物園、好きなんよ。なんか和むんよね」
と友人が言った。そしてこう続けた。
「大牟田市動物園のフリーペーパーとか作れんかな?」

彼の言い分はこうだ。「福岡県の端っこにある大牟田市動物園は、小さくて古くて、福岡県民にもあまり知られていない。その魅力を伝えるフリーペーパーがあれば、きっと来園者が増える」

大牟田市からちょっと離れた福岡市に住む彼が、そう言うのには何か理由があるはず。それは一体なんだろうと気になった。

飼育員さんたちの手作り感あふれるモルモットのおうち(撮影・中村紀世志 / 2017年)

私は、カメラマンの中村紀世志氏と一緒に大牟田市動物園へ行ってみた。施設はたしかに古いけれど、あちこちに飼育員さんお手製の看板があって、なんだかほっとする。園内の動物たちものほほんと過ごしていて、見ていて心が安らぐ。友人が「なんか和むんよね」と言っていたのが理解できた。

その後、中村氏と二人でフリーペーパーの企画会議を重ねた。完成した企画書を持って椎原園長に「つくらせてください」とお願いしに行くと、快諾してくださった。こうして、2015年に大牟田市動物園を「勝手に応援」するフリーペーパーの制作が始まった。

園長や飼育員さんに取材を始めてわかったのは、大牟田市動物園は「動物福祉」つまり、動物の心身の幸せに配慮した飼育に国内でいちはやく取り組んできた園だったということだ。

ゴマフアザラシの体に触れるトレーニングのようす(撮影・中村紀世志 / 2015年)

たとえば大牟田市動物園は、動物に協力してもらうトレーニングにより、ライオンやトラなど多くの動物の無麻酔採血(麻酔なしで採血を行うこと)を国内で初めて成功させている。これによって、安全に、かつ動物にできるだけ負担を与えずに採血を行えるようになり、健康管理ができるようになった。

動物をよく観察し、飼育環境を整え、健康管理のための訓練を行う。来園者の心が「なんか和む」のは、園の皆さんが、そうやって動物の幸せに日々向き合っているから。取材を続けるうちに、私は、そのことをたくさんの人に知ってもらいたいと思うようになっていた。

私たちが制作したフリーペーパーは、手に取った方から「かわいい!」「おもしろい!」と好評いただいている。来園者の増加に貢献できているかはわからないが、「大牟田市動物園の取り組み、すてきですね」と声をかけてもらえる機会が増えているのは、本当にうれしい。

これからも、動物の幸せのために奮闘する人たちを「勝手に応援」していきたい。

オモテは動物、ウラは飼育員さんを紹介。一枚ずつ手折りする作業は大変だが楽しい(撮影・中村紀世志)
福岡県内の書店やカフェなどに設置していただいている(撮影・中村紀世志)


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