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春と自粛とわらびと子ども~今を味わうこと

「ママおみやげだよ」

小3の息子。
おばあちゃんと近所にサイクリングに行ってきた帰り。

うっすら茶色いものがついていて、ひょろ長い先はくるんとしている。
これは…

「わらび!」

近所にまさかわらびが生えているとは驚きだ。
田舎とは思っていたけど、わらびが生えるほどだとは思いもしなかった。

我が家に突然やってきたわらび。

実は私、わらびを自分で料理をしたことがない。

「味噌汁にいれてね」
ばあちゃんからの伝言のようだ。

しかし山菜は何かしら下処理をするはずだ。
早速検索してみる。

「重曹で下処理が・・・」

やっぱりそうか。そういう感じだよね。

そうやって見ていく中で

「たった15分であく抜きができる」

こんな言葉に目がいった。

基本的にはずぼらなので、できれば簡単なほうがいい。

「たった15分」というあく抜き方法に飛びついた私。

その方法とは、

「鍋に水を入れ、小麦粉と塩を入れて混ぜ、わらびを3分ゆでる。
あとは冷水に浸し10分間浸すだけ。」

早速その通りにし、翌朝、味噌汁にいれてみる。

なんとなくみそ汁が渋い気がしたが、
山菜はこういうものだと言い聞かせた。


翌日、またもや
「ママおみやげだよ」の声。

自転車を置いてきた息子の手を見てみると

再び「わらび」だった。

…デジャブ。

今度のばあちゃんからの伝言
「タンサンでやるんだって」という。

家の中に隠しカメラでもあるのか?
私の行動が読まれていることに驚いた。

さて、今回は試しに重曹=タンサンであく抜きに挑戦。

重曹をかけて、沸騰したお湯を上からかける。
1~2日間つけておく。(水替えはする)

というものだ。

やってみたら全然手間はかからない。
小麦粉作戦より簡単かもしれない。

そして一晩おいて、わらびの入ったボウルを見てみると
「げっ」
その色に思わず息をのんだ。

ほぼ黒に近い深緑。

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こんなにあくが出るものなんだ…。
山菜の自力のようなものを感じた。

小麦粉で太刀打ちできるレベルじゃない。
わらびは明らかにそう言っていた。

さらに水を替えもう1日置く。


そして翌日。
わらびをさっとゆでる。
ついに我が口に。

昔父が食べていた「しょうゆマヨネーズ」につけて。
小さかった頃は食べもしなかったのに
記憶だけははっきりとしていた。

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あくは完全に抜けていた。
見た目とは裏腹に口に入れると少しぬるっとした食感。

どこまでもわらびだった。

そこに「おいしい」だけではない、何かを感じた。

縄文時代から食べられていたという山菜わらび。
それを現代人の私が
今 食べている。

今を味わっているんだ。


翌日、「ママにわらびの場所を教えてあげたい」
そんな息子の想いに応え、自転車をこぐ。

暖かい日差しの中、
秘密の場所へたどり着く。

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慣れた様子でわらびを集めてくる息子。
3歳の妹にもとり方を教えてあげている。

「それは小さいからまだだめだよ」

「もっとあっちにあるよ」

今日ばかりはお兄ちゃん面している。


「おとこぜんまいは大きくなりすぎて食べられないんだよ」

「小さいものはとらないんだ」

「ばあちゃんは毎年取りに来ているんだって」

わらびを集めながら楽しそうに話してくれた。


そして集まったわらびたち。
畑にいた私の父であるじいちゃんの手に渡った。

自分が取ってきたわらびを大好きなじいちゃんへ。

なんだか誇らしげだった。


何もない日常。

でもそこにはキラキラとした瞬間がいっぱい詰まっている。

子どもと過ごせること
祖父母がそばにいること
自然がそこにあること

すべてのものが私にとっては大切なもの。

そこに すべてに ありがとう



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綺麗道 【生きるを愉しむ新潟クリエイター】 サポートしてくれなんて滅相もありません。 もしそんな奇特な殿方・ご婦人がいらっしゃった場合は、感謝しすぎて鼻血が出ることでしょう。(出なかったらすみません) そして大切なお気持ちは ”恩送り” に使わせていただきます。愉しくて温かい ”和” が広がりますように。

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