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50代。マニキュアを塗ると、爪が息できない気がする

娘がマニキュアをしている手を見せてくれた。

キラキラして、
つやつやして、
とてもきれい。

手を少し上にあげて、
光にすかして、
ながめている姿を見て思った。

「好きやなあ。
こういうのが好きなんやなあ。」

好きなものを見ている人の顔って、
なんだかいい。

うれしそうで、
ちょっと誇らしそうで、
見ているこちらまで少しうれしくなる。

かくいう私は、
マニキュアをしたことがほとんどない。

たぶん、塗ったことがあるのは
5本の指で数えられるくらいだと思う。

なぜなら私は、
マニキュアを塗ると爪が息できない感じがするから。

「い、息ができない。助けてー」

爪が、そう言っている気がする。

こう書くと、
何を言っているの?
と思われるかもしれない。

でも、本当にそう感じる。

爪の上に何かがぴたっと張りついて、
ふさがれているような感じ。

別に痛いわけではない。

体に悪いと思っているわけでもない。

ただ、なんとなく落ち着かない。

実はこの感覚、
バカにされると思って、
誰にも言ってこなかった。

娘に言うと、
「は?」
という目で見られたんだもん。

まあ、そうなるよね。

自分でも、
何を言っているんだろうと思う。

だから娘以外に言ったことはなかったんだけど。

ふと思いついて、
友達の集まりでこの話をしてみた。

きっと、
「は?」
が返ってくると思って、少し身がまえていた。

そしたら、

「わかるー」

「私もそう思ってた」

「爪が苦しい感じする」

そんな声が返ってきた。

うそでしょ。

こんなことを思うのは、
私ひとりだと思っていた。

今の今まで、
ずっとそう思っていた。

だから、なんだか不思議な気持ちになった。

こんな小さな、
誰にも言っていない違和感なんて、
私の中にはいっぱいある。

予定が午後にひとつあるだけで、午前中から少し落ち着かないこと。

母からのLINEの通知音だけで、心臓がきゅっとなること。

自分だけお茶を入れて座ることに、なぜか少し罪悪感があること。

でもそれって、実はみんなの中にもあるのかもしれない。

私だけの変な感覚だと思っていたことが、
誰かの「私も」になることもある。

そんなこともあるんだなあと思った。

マニキュアが苦手。

ただそれだけの話。

大きな悩みじゃなくてもいい。
立派な気づきじゃなくてもいい。

爪が息できない。

そんな小さな感覚でも、
書いてみていいのかもしれない。


あなたにも、
「こんなこと思うの私だけ?」
と思っている小さな違和感、ありますか。

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