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かっこいいことを書こうとしない人の文章を読んだ

久しぶりに、文章を書くことが本業じゃない人が書いたエッセイ本を読了した。

以前にも書いたことがあるのだけれど、わたしは文章を書くことが本業じゃない人が書いたエッセイが大好物だ。

次は誰が書いたエッセイを読もうかと考えていた時、話題になったけどまだ読んでいないあの人の本があった!と、思い出して、すぐに購入ボタンを押した。

それがこれ。

オードリーの若林さんのエッセイ。ナナメの夕暮れ。

これは、若林さんの2作目のエッセイ。先に1作目じゃなく、こちらを選んだのは、Amazonでこれが出てきたから。特に深い理由はない。

最初から最後まで若林さんらしい文章が綴られていて、文庫版の最後の朝井リョウさんの解説までセットにして、素晴らしい本だった。

この人の目に映る世界が、情景が、その時の気持ちが、手に取るように分かるその語彙力、言葉の選び方、言い回しのセンスに舌を巻いた。どうしてこんなにもありありと気持ちが伝わってくるのだろうと不思議に思った。




ぼくは、世の中の成功者が書く啓発本の「挑戦しなさい!」という言葉は強者の論理感が強くて嫌いだ。
でも、精神論ではなくてデータの総量の増大という意味での挑戦の大切さのことなら納得できる。

この考えには、なるほど、と思った。挑戦することが自分の中のデータの総量の増大なのだとしたら、成功であろうと失敗であろうと、データが積みあがるだけのこと。
「初めてのことに挑戦する」ってなると二の足を踏んでしまうかもしれないけれど、「またひとつ新たにデータを蓄積するだけ」って考えると、なんだかそこまでハードルは高くないような気がする。


「人と話している時、5個ぐらいのこと同時に考えてる?」
「5個かはわからないですが、1つではないです」

お芝居を観に行った時もそうだが、小説を読んでいる時も似たようなことがあって、頭の中で違うことを考えているんだけど文字は目で追っているからページ数がかなり進んでしまっていて、戻ってまた読み直すことがしょっちゅうある。
だから、ストーリーをメモしながら小説を読んでいる市、映画や芝居を観る時もそうだ。

この辺りの文章には、ものすごく共感した。

わたしもそういうことがある。常に頭の中で同時並行的に色んなことを考えている。同時並行じゃなくても、あれこれと考えていることが展開していくときもある。それは、人と話している時にそうなることもあれば、若林さんがここで書いているみたいに、本を読んでいる時にそうなったりもする。
こないだはライブ中に「この歌ってそういえばあのアルバムに入ってたよな~あのアルバムをよく聴いてた時ってわたしは学生でこういうことがあって~あの時こうじゃなかったら~」とかなんやかんや考えていたら、気づいたら違う曲が始まっていたこともあった。もったいない。

頭の中でなぜか色々考えてしまう。みんながそうなのかは分からないけれど、ここに同じような人がいたことに少し安心した。




若林さんの文章がこんなにも身近に感じて、ものすごく共感できるのは、きっとこの人が素直に文章を書いているからなんだろう。自分の心に嘘をつかず、かっこいいことや見栄えの良いことを書こうとせず、ありのままをそのまま書いていらっしゃるからこそ、こちらの心にグッとくるものがある。

また良い本を見つけてしまったよ。

次は若林さんの1作目のエッセイを読んでみたい。


そんなわけで、今日もおつかれさまでした。


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