hairsalon OTTO。
先日、美容師の夫に髪をやってもらった。

夫が美容師だと「いつでもやってもらえて羨ましい」と思われがちだが、実際はそうでもない。
少なくとも我が家ではむしろ家族なんか優先順位最下層で、何ならこのことで戦争が起きかけたこともあるくらいだし、夫本人がいちばん自分の髪にかける時間がない。
(これは結構美容師あるあるだと思う)
夫が美容師でよかったと思う瞬間、それは何よりも予約の電話をしなくていいこと(電話嫌い)、そして自分が思ってる5倍はブスに見える瞬間ナンバーワンと言っても過言ではない、お洒落なスタッフさんだらけの中、自分1人だけが顔ツルンと大丸出しにされる、あの刑がなくなったことだ。
※厳密には顔は丸出しになるし5倍ブスには見えてるけど夫だけならまあいいとして
あとは、美容師さんとの会話に逆に気を遣ったりとか、トイレのタイミングとか雑誌読むスピードとか、下ネタのページが出てきちゃったら本当はちょっと気になってるけど飛ばしてみたりとか、ドライヤー中に話しかけられても何言ってるかわかんないとか、そういう美容室での気まずさを感じずにすんでいる。

ここまではお客目線での話。
夫が店をオープンして数年はしばらく手伝いをしていたわたし、実はスタッフ目線での気まずさも経験済みなのである。
手伝いと言っても美容師免許がないショボイわたしに出来ることは、電話対応やお茶出しや掃除や洗い物くらい。
もともと「自分で考えて動く」とか「アイデアを出す」ということが、昔から超苦手。
そのうえ一般企業でまともに働いた経験がないに等しいわたしは(ニートではない)、気の利いた立ち居振る舞いもなかなかできない。
日本社会でいちばん嫌われる典型的な指示待ち人間が、若さを言い訳にできなくなり、加齢でさらに居た堪れない感じに仕上がりました。
それがこのわたくしになります。(じゃーん)
そんなわたしなので、今思えばだいぶトンチンカンな接客を夫サロンでも繰り広げていた。
"予約時間に来たのに、前のお客さんが押してることによって発生してしまった待ち時間"
これはわたしが悪いわけではないのだが、レセプション(かっこよく言ってみる)のわたしにとっては気まずい時間ナンバーワンだった。
お待たせしちゃってる申し訳なさプラス、手持ち無沙汰の自分。どうしよう。何かした方がいいんだろうか。こっちがソワソワしてくる。
どうする?話しかける?
今日は寒いですねー、って?
でもな〜、美容室であんまり喋りたくない人も実は多いんじゃないかなって思うんだよな…
というわけで、もう少しライトなコミュニケーションを見つけたかったのだ。
そこでわたしが思いついたのが
「よかったらどうぞ」
と、壺に入った飴ちゃんをおひとつ選ばせに行くことだった。
大真面目に苦肉の策で編み出した、
お客さんとわたしの暇つぶしである。
マダムやお婆ちゃまは最も飴ちゃんを選ばせやすいのに対して、舘ひろしみたいなダンディお兄さまや、体脂肪3%の鶏のささみみたいなメンズや、マッシュルームカットのメンノン期の男子なんかに飴ちゃんを選ばせにいくのは、本当はちょっと恥ずかしくて嫌だった。
だってよく考えたら変じゃない。美容室の待合で壺を持った女がやってきて飴を選ばされるだなんて。人生で一度でもある?ないに決まってるんだよ?
でも自分で考えて決めたことだしみんなにあげている飴ちゃんだから… って、いつも少しの憂鬱さと恥ずかしさをこらえて壺持って選ばせに行っていたんだ。
とか言いながら
飴を選ばせにいくことを突然根底から疑問に思い、ボイコットした日も結構あったと思う。
あのとき飴ちゃん外ししてしまったお客さま、心からお詫び申し上げます。

今日の一曲は、
LOVE PSYCHEDELICO / Lady Madonna〜憂鬱なるスパイダー〜
大大大大大大好きで何回聴いたかわからない。当時イヤホンで聴くことが多かったから、今でもイヤホンで聴くと当時の空気感をヒュンと思い出す。このアルバム本当大好きだった。
