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時計を持たない君が、時間を守った日

小学4年生になったばかりの息子は、まだ時計を持っていない。
こんなに急に成長すると思っていなくて、キッズ携帯やスマホ、GPSも商品選びで迷っているうちに、時間だけが過ぎている。

もし息子がひとりになったとき、彼が時間を確認できる手段は、
“自分の感覚”と“周りの人”だけだ。

そんな息子が昨日、サッカーの試合のあと
「お友達と1時間だけ公園で遊びたい」と言い出した。

「せっかく迎えにきたのに…」と私は少し残念な気持ちを抱えながらも、
一人っ子の彼が「友達と思いっきり遊びたい!」気持ちはよーくわかる。

相手の男の子は公園の目の前のマンションに住んでいる。
我が家までは、自転車で10分ほど。

私は「じゃあ、17時半に公園を出て、まっすぐ帰ってきてね」と伝え、
先に帰宅し、お風呂と夕食の準備に取りかかった。

でも──よく考えると、彼は時計を持っていない。
どうやって時間を見るのだろう?

そう思った途端、私は不安になってきた。
ひとりで時間に気付き、帰ってこられるだろうか?
やっぱり迎えに行こう。そう思って、夕食の支度を急いだ。

すると、17時35分ごろ。そろそろ家を出ようというタイミングで
インターホンが鳴って、息子が帰ってきた。

「え? どうやって時間わかったの?」と聞くと、
息子は少し得意げに、でもいつものようにさらっと言った。

「ママが17時半に公園出て、って言ったからさ。
 公園の時計の近くで遊ぼうって、友達と時計の下で鬼ごっこしたんだよ」

ああ、なんていい子に育っているんだろう。
思わず、涙が出そうになって、
「おかえり! 一人で帰って来れて、時間も守れてすごいよ〜」と
息子を抱きしめた。

時計を持っていなくても、どうすれば約束を守れるか。
彼は自分で考えて、工夫していた。
それは、誰かに言われたからじゃなく、
私との小さな約束に応えようとする、息子なりの誠実さだった。

私の方が「この子は時間なんて守れない」と思っていたけど、
そうじゃなかった。

息子は、ちゃんと“信じていい人”になっている。
私がこれまで、どんな小さいものでも息子との約束を守り
約束を守ることの大切さを伝えてきたつもりだ。

そして息子は、私との約束を守ってくれる人になっていた。

私は「約束を守らせる親」から、
「信じて待つ親」になる段階に来ているのかもしれない。


時計を持たない君が、時間を守った日。
昨日は、ただの休日の午後じゃなかった。
親と子、どちらにも訪れた、小さな記念日になった。


私たちはつい「GPSがないと不安」とか、「時計を持たせなきゃ」と思ってしまう。
でも、道具よりも先に“心”や“信頼”を育てるフェーズがあるのだろう。

(ちなみに…GPSは発注済み。でも人気商品で、5月末まで届かない予定です。笑)


あなたのご家庭には、どんな“小さな記念日”がありますか?

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ayaworks | ライター、編集、ヨガ講師、母業 いただいたチップは次の文章作成に活用させていただきます。