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「怪しい...」と思ったら、優しい手助けだったーパリ初日、反省したこと

タクシー乗り場で学んだ、偏見というフィルター


ロンドン経由でマンチェスターからやっとのことでパリに到着した初日、北駅(Gare du Nord)でのこと。ホテルまでタクシーを拾うため、駅の出口に向かった。

すでにタクシー乗り場には長蛇の列。「あぁ、こんなに人が待っているのね」と思いながら、車椅子の夫ダーリンと一緒に列に加わろうとしたそのときだった。

出口付近に、ショッキングピンクのベスト、金のネックレス、指にはいくつもリング、サングラス姿の男性たちが立っていた。「こっちだよ!」と手招きしてくる。

その瞬間、以前YouTubeで観た「パリでやってはいけないこと」動画が脳内再生された。「親切そうに近づいてくる“自称タクシー運転手”には気をつけて」。まさにそれっぽいじゃないか。

「ノン、メルシー!」と断り、長蛇の列に並ぼうとした。でも彼らはフランス語で大声を出し、激しいジェスチャーで私たちを誘ってくる。ダーリンが話を聞こうとするのを、「だめ、だめ、行こう」と急かした。

すると、黒いジャケットに大きく「SECURITY」と書かれた男性が現れ、英語でこう言った。

「彼らは車椅子の方を優先案内しているだけですよ。列に並ぶ必要はありません。助けようとしてるのに無視するなんて…まあ、並びたいならどうぞ。でも、彼らは親切にしているんです。」

そのとき、彼らのピンクのベストに、しっかりと車椅子マークがついているのに気がついた。

……あ。これは本当に、公式のサポートだったのか。

気まずさと恥ずかしさでいっぱいになって、「ごめんなさい、知らなかったの」と英語で謝った。ああ、フランス語で「ごめんなさい」を覚えておくべきだった。

見た目だけで「怪しい」と決めつけていた。彼らの派手な服装や金のアクセサリー、そして肌の色を見て、「危ない人かも」と勝手に判断していた自分の偏見に気づかされた。

実際には、とても陽気で親切な人たちだった。私たちのような旅行者を、早く目的地へ送り届けようとしてくれていただけなのに。

でも、正直こんなファッションのヘルパーさん、マンチェスターでも日本でもあまり見かけないよね……と思ったのも本音。

その後、乗ったタクシーの運転手さんも英語は話せなかったけれど、感じがとても良かった。「今日はタクシーのストライキで、だからこんなに並んでるんだよ」と教えてくれた。Google翻訳アプリがなければ会話は成立しなかったけど、心は通じた気がした。

蒸し暑い夕暮れのパリ初日。
忘れられない、大切なレッスンをもらった。

基本中の基本。
「見た目で人を判断してはならぬ」

わかっていたはずなのに、旅は思いがけず、自分の中の思い込みに光を当ててくる。
ありがとう、親切なムッシューたち。

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