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持ち物は、少しの勇気と時間だけ。会社員が罪悪感を手放して2週間休暇を取るまで

「2週間休みます」

同僚がこんなことを言ったら、あなたはどう思うだろうか。驚いたり、心配したり。同僚が不在の間、自分に被る仕事を想像する人もいるだろう。

私は、新卒で入社した会社で20年近く働いている。新婚旅行や体調不良を理由に1週間ほど休んだことはあるが、それ以外は休まず走り続けてきた。いや、走り続けなければならないと思いこんでいたのかもしれない。

私には“休む理由”がなかったから。

病気、出産・育児、介護など、人様に堂々と言える理由がないと休んではいけない。こんな風に言い聞かせて、朝から晩まで仕事に打ちこんだ。その結果、生活は乱れ、運動不足で体重は増える一方。鏡を見るのもだんだん嫌になっていった。

疲れたから休む。

こんな選択肢があってもいいのではないか。ときには休み、また走ること2年。私のために、2週間の休暇をとれるようになった

その過程を振り返って、綴っておこう。過去の私と同じように、走り続けているあなたに読んでもらえたら。


「自分のために休む」という選択を許す

子育てや介護、病気…さまざまな事情を抱えながら仕事をしている人たち。一方で、私は健康で時間的な制約もない。長期休暇は、自分以外の誰かのためにとるもの。だから、こんな思考にとらわれていた。

・働く時間に制約がない私は、子育てや介護をしている人たちよりも仕事に打ち込まなければならない
・出産・子育て、介護で休んでいる人よりも、早く昇進しなければ価値がない

さらに、コロナ禍やマネージャーへの昇進が、思考を頑なにした。

・コロナ禍で、仕事があるだけ幸せだと思わなきゃ
・マネージャーに昇進したのだから職場を空けてはならない

コロナ禍をきっかけに、オンラインで世界中の人たちと交流するようになり、私の考えは無知による思い込みであることを痛感する。

「忙しい日常から離れて内省するため」「新たなインスピレーションを得るため」など、よりよい仕事をするため、よりよい人生を送るために、長期で休む人たちの存在を知った。

走るスピードを緩めて、いったん停止する。また走り出すためのエネルギーを蓄える。こんな時間の使い方をしてもよいのかもしれない。

当時の私は、走るエネルギーがなくなってるのに、無理に動いていたように思う。そんな自分を痛々しく思って、休むことを許せるようになれた。

まずは、平日1日休むことから。実験開始!

私のために休むことを許せても、いきなり長期休暇を取れたわけではない。

まずは、1日から。

当時、たった1日の休みでも電話やメールがくるのではないかと心配していた。ところが、私のスマホに電話やメッセージはなかった。仕事の日は次から次へと連絡がくるのに。(芸人さんのように、大袈裟に椅子から転げ落ちるマネをしたくらい)

実はトラブルが起こっていたが、メンバーたちが解決してくれていた。私が数日いなくても、仕事はまわる。あまりの自意識過剰ぶりに、今でも思い出すと顔が赤くなる。

たった1日のできごとだったが、休むことへの罪悪感を手放せた経験になった

それから、3〜4ヶ月のペースで、2日、3日…と徐々に休む日数を増やしていった。温泉に行ったり、飛行機に乗って国内旅行をしたり。ひとり時間の楽しみ方も板についてきた。

チームメンバーも自身や家族との時間を大切にし、メリハリをつけて働くようになった。感謝の気持ちが循環するチームに成長できたように思う

勇気を出して1日休みをとってから、2年経過。私は1週間休めるようになっていた。

休む期間は問題ではない。休むまでの準備が肝心だった

今年のはじめ、海外でのリトリートツアーに声をかけてもらった。指定された持ち物は「2週間という時間、その時間を確保する勇気」である。

5年ぶりの海外。リトリートへの好奇心、仕事のことを考えてブレーキを踏む気持ち間で、しばらく揺れ動いた。

そんな状況下、私は部署異動することに。リトリートツアーに参加するためには、異動後早々に休暇をとることを決断しなければならない。上司や同僚との関係も構築中の段階。かなり迷った。

却下されるかもしれない。でも、言わないまま結論を出したくない。

持ち物は、時間とほんの少しの勇気だけ

この言葉に背中を押してもらい、異動してから1ヶ月後に上司と同僚に休むことを伝えた。

異動してから疲れていると思うから、休んだらいいよ」「実は私も長期休暇をとりたいと思っていたんです」といった、想定外の反応だった。またしても、自身の思い込みの強さに恥ずかしくなる。

休みをとる4ヶ月前に申し出たのは正解だった。上司や同僚が、私の休暇期間を前提に行動してくれるようになったからだ。私も、4ヶ月間かけて仕事において大事にしていること、トラブル時の判断ポイントを積極的に開示した。

そして旅立つ数日前、私がもっている仕事の進捗をシェアした。上司や同僚からは「任せてください!安心して休んでくださいね」と声をかけてもらい、仕事中に涙を流しそうになった。

休みが1日でも2週間でも、上司や同僚は快く送り出してくれた。

ほんの少し勇気を出して行動したからこそ、手放せた罪悪感。上司や同僚の温かさを胸に、旅立つことができた。

忙しい日常から離れて、心と体を休める。また元気な姿で働けるように。

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