小説『傲灥(GOSEN)』の表表紙の装丁画・飛鳥世一の真骨頂でもある アトリビュートとアレゴリーを配した多層構造はタイトルにもその妙をみせる。 申し訳ないが、ボケっと流し読みしていると「今回」は寝過ごした最終電車となる。踏み板抜かれる瞬間をとくとお楽しみあれ !
主人公である益子達也はシリーズ四作目にして自画像での登場だ。
活劇ものではない。勧善懲悪ものではない。ましてやヒーローものではない。
人間の深淵を抉る画描きが対峙する毒と美、そして叶わぬ祈りが交錯する日常の闇。
因習の闇へと誘うのだが……さて、抜けられるのか泥沼の血脈から
物語りの冒頭である。有馬の温泉王、盟主として君臨した百数十年の歴史には 「血脈」という裏があった。絶対的な経営の安定基盤を誇った裏の取り決め。 佐伯巌翁の突然の永逝から幕を上げる 「くたばりやがったってのかい。まぁ、やっこさん長生きし過ぎたんだろうさ」
誰とも知れぬ言葉が有馬の秋の霧を纏い呪詛を編む。
VANITASなのか。いや、たしかに違うのである。三羽の鴉としゃれこうべ。
どちらが主題なのだ。どちらが命題なのだ。どちらがどちらのアトリビュートなのだ !
それとも、こんなところに仕掛けられた「Fae Trap」を読み込めと言うのか ! !
佐伯巌翁の死去の後、妻の佐伯喜美子から連絡を受けた益子達也は巌の デスマスクいや、モーニング・ポートレートの制作を依頼される。 しかし、達也が喜美子から受けた依頼はそれだけには留まらなかった。 凌辱と因習の連鎖。汚れた血脈の棚卸と「そうざらえ」。
さて、達也その絵筆のように知恵と言葉はサブジェクトの厚い面の皮を暴けるのか。
赤く光るしゃれこうべの眼窩。鋭利なアイスピックを想わせるくちばしと血脈を呪うような目の色が印象的な三羽の鴉。首を垂れているのは忠誠のあかしか。では、誰への忠誠を立てているというのだろう。小説『傲灥(GOSEN)』
世一の筆が狂乱の幕開けを告げる。
原作 飛鳥世一
言葉 飛鳥世一
舞台 飛鳥世一
人物 飛鳥世一
構成 飛鳥世一
理論チェック・構成チェック AI(Gemiちゃん)と飛鳥世一
了