随想好日『"致命的"からはいまだ遠く死には至らず』
随想好日『"致命的"からはいまだ遠く死には至らず』
物が壊れはじめると次第に壊れるものが増えはじめる。調味料が切れだすと、一気に様々な調味料が切れだすというアレである。
「お味噌が無くなるなぁ」と思っていると、マヨネーズが先に切れる。ここからは早い。砂糖が切れ、味噌が切れ、酢が切れる。
こうなると、業務スーパーなどへの買い出しの際の抱える荷物の量も多くなるのであるが、このところの生活資材全般の値上がり続きもあり、一万円の使い勝手の悪さに気付くと驚くばかりなのだが。以前は1万円分買うと、かなり重くなったものだが、今ではすっかり買い物バックも軽くなった。
物が壊れはじめている。致命的ではなく、壊滅的ではない。
「まだ使える」状態を維持したままに壊れて行く。
最初は冷蔵庫からはじまった。扉の閉まりがアマク、気が付くと扉が開いていたりする。
次は洗濯機がヤバくなってきた。排水時に水が漏れるようになってきた。排水ホースを取り換えれば済みそうでもあり、色々調べてみたのだが、排水ホースの取り付け口の形状が国産とは違うことから、どうやら難しいということが分かった。
そして、勝手口のLED電球の球が「点滅」をするようになってきた。邪魔くさいので消しているのだが、球を交換せねばなるまい。
テレビもおかしい。LG製の壁掛けテレビなのだが、色がおかしくなっている。青色ばかりが強く、何を見ても青く見えてしまう。辛子明太子などがテレビに映っていても青いのである。何を見ても青い。
そして……パソコンがついに悲鳴を上げはじめた。ひらがなの『り』と『る』が反応しなくなりはじめている。押し方にコツがいるようになってきた。
非常に拙いのだが、どれもこれも致命的ではない。
だましだまし使えるのである。
この状態は、まるで「わたし」のようでもある。
中々死なぬのである。
ところどころの綻びは出ているものの、致命的とはならず、だましだまし使いまわす状況。
おかげさんで、手術前には10ポイントあったHbA1cは、膵臓の機能改善が進んだものか、20日ほどで8ポイントほどまで下がり、改善している。
即ち、糖尿の症状が改善しているのである。
ちょっと気になるのは、尿たんぱく値の悪化なのだが、これは腎機能と膀胱機能によるであろうから、二カ月ほど様子を見て対応策を考えてみたい。
まぁ、食生活をもう一丁改善しておけばことは足りるであろう。
壊れはじめると次々に壊れて行くようだが、一説にはこれは「良い傾向」であると解説するご仁もおられるようだが、さて。
了
