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週末美術館 『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』 at 東京国立博物館

金曜日の上野

 前回の投稿は、金曜日に上野の森美術館で開催されている『五大浮世絵師展』のレポートだった。金曜日、それは美術好きには自明なレイト・オープン・デーだ。それ以外の日はだいたいの美術館・博物館が17時に閉まるが、金曜日は20時まで開いていることが多い。だから僕が上野の森美術館に訪れて、カフェでまったりした後でも、他の展覧会を見るのに十分な時間があった。
 そして、僕の目の前にはお誂え向きに、東京国立博物館がある。さらにそこでは特別展としてNHKの大河ドラマ に思い切り乗っかった をフィーチャーした企画『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』が開催されているじゃないか!
 これはもう、流れ上こっちにも行くべきだろう。


蔦屋重三郎について

 蔦屋重三郎、通称蔦重(つたじゅう)は寛延3年(1750年)に吉原で生まれ、出版業者として喜多川歌麿、東洲斎写楽や葛飾北斎といった江戸後期の美術家を多数手がけた出版業者だ。彼は細見(さいけん)と呼ばれる吉原のガイドブックの制作、出版を吉原を拠点にしてビジネスをスタートさせている。その後、蔦重は拠点を出版業のメッカ日本橋に移し、黄表紙(きびょうし)と呼ばれる大人向けの洒落本の出版に関わり、さらには浮世絵のプロデュースまで行っていた。
 今回の展覧会はそんな江戸後期の名プロデューサーである蔦重の仕事を紹介するという企画となっている。


展示内容

 蔦重は手広くコンテンツ・ビジネスを展開していた。そして、この展覧会ではそれらを3章構成で紹介している。しかし、この投稿では思い切って1章と2章をスキップし、3章目の『浮世絵師発掘ー歌麿、写楽、栄松斎長喜』のみについて言及する。なぜならそこでは主に彼の手がけた書籍の紹介を主に行っており、自分の興味の外にある分野だからだ。しかし、それらの書籍の中には『画本虫撰』といった昆虫図鑑の挿絵に歌麿の絵が使用されており、美術的にも見応えのあるものとなっている(と、フォローをしておくに留める)。

 第3章は全て浮世絵を紹介しているのだが、メインとなるのは歌麿と写楽である。確かに章名に “栄松斎長喜” の名も含まれるが、その数は10枚とかなり少ない。分量としては歌麿 写楽 >> 長喜で、そこに数枚ずつそれ以外の作品が展示されている。歌麿の展示数はダントツで多いが、これは上野の森美術館でその展示数がかなり少なかったので、美人が好みの歌麿好きには嬉しい状態だろう。しかし展示数では歌麿に及ばないものの、展覧会のトリを務め、メインとなっているのは写楽である。これは写楽の代表作で、重要文化財の『市川鰕蔵の竹村定之進』と『三代目大谷鬼次の江戸兵衛』が展示されていることからも明らかである。


附章

 この投稿のはじめに、この展覧会がNHKの大河ドラマに関連した企画となっていることに触れた。そのため、展示最後にはドラマの舞台となった江戸時代の街並みを紹介している。

江戸の街並み(セット)1
江戸の街並み(セット)2 - 蔦屋
蔦屋の内装
写楽代表作のパネル
左:『市川鰕蔵の竹村定之進』、右『三代目大谷鬼次の江戸兵衛』


一日に2件の展覧会を鑑賞して

 さて、真剣に鑑賞すると、一日に2件も展覧会へ訪れるのは疲れる。これはある程度歩いているのであれば、まだ良いが、一箇所にじっとしてる時間の長い展覧会はかなり大変だ。
 でもまぁ、これで軽く国立天文台の常設展を流してからここを後にしよう。と思ったが、展示スペースを出るとその脇で『新版画』に関する小さな企画がやっていた。

続く。

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