腎臓は壊したが、生活は壊さず生きている【198】
第二章 十八歳の俺
高校生編
帰り道
夏休み前、終業式まで、あと少し。
放課後の校舎はまだ熱を帯びていて、外に出ると、むっとした空気がまとわりつく。
夕方なのに、太陽はまだ高い。
校門を出ると、彼女が隣に並ぶ。
特別な会話はない。
今日の授業のこと、提出物のこと、どうでもいい話をしながら歩く。
ふと、彼女が立ち止まる。
「暑いね」
そう言って、額の汗を拭った。
その仕草がやけに近く感じて、胸の奥が少しだけ落ち着かなくなる。
中学生の頃なら、きっとこういう距離に慣れなくて、変に強がっていたと思う。
でも今は、ただ隣にいられることが嬉しい。
夕焼けの光が校舎の壁に当たって、街全体が少しだけオレンジ色に染まる。
夏は、もうすぐそこまで来ている。
