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【隠れた名館⑥】宮城・東北歴史博物館ってどんな場所?【多賀城・東北・歴史・民俗】

はじめに


こんにちは。
今年の3月、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館を訪れました。
国立施設ということで高いハードルを設定していましたが、内容の充実度・膨大な展示資料を目にし、無事(?)度肝を抜かれました。

飛鳥時代の特集展示、青が基調色となっているのが良い
平安貴族のガラスケース展示
広角で撮ってますが、実物はかなりの大きさです


ただ、私の<文化施設ヒエラルキー>の頂点に君臨する国立施設がこの規模であれば、都道府県立や民間の文化施設でも負けず劣らない館はまだまだあるなと感じた次第です。

ということで、今回は宮城県の県立文化施設。
国立施設にも負けないクオリティで、東北地方の歴史・民俗を広く深く解説する、宮城県多賀城市の東北歴史博物館を紹介します。

隠れてはいません…が、更に知名度が上がっても良いんじゃないかと個人的に贔屓してますのでプレゼンさせてください。


多賀城市と多賀城碑

宮城県多賀城市は仙台市の北東部に位置する仙台のベッドタウン。仙台駅からは電車で20分、車で30分ほどの距離で向かうことができます。市名にあるとおり、かつては陸奥国府・多賀城という城がありました。その城跡である「多賀城跡」が日本遺産構成文化財として観光名所となっています。

中でも、城跡敷地内に保管されている石碑「多賀城碑」は国宝に認定され、国内に現存する石刻文字としてかなり古いものに分類されることから、日本書道史上で重要な位置づけに置かれています。

多賀城碑
上部に「西」字、右上に「多賀城」字がかすかに見えます

余談ですが、俳優の千葉雄大氏やコンビ芸人ニッキューナナのこっちゃん選手などがこの多賀城市出身です。
ニッキューナナは最近YouTubeでその芸風を見ましたが、地上波では見せられない面白さがありますね笑

アクセスと概要

〒985-0862
宮城県多賀城市高崎1丁目22-1

開館時間
午前9時30分~午後5時(観覧券の発券は午後4時30分まで)

休館日
毎週月曜日(祝・休日の場合はその翌平日)
年末年始(12月29日から1月4日まで)
※上記によらず開館・休館とする場合がある。

入館料
一般 500円(20人以上の団体の場合:400円)
大学生以下 無料
※中・高校生・大学生は要身分証
※特別展は別料金

常設展のみだとワンコインで済むのでこれまた破格です。
ただ、特別展も併せるとだいたい1400~1600円ほどになります。東北の文化施設の中では少々高めかもしれません。
開館時間・休館日は一般的な文化施設と変わらないでしょう。

アクセス面では、電車なら仙台駅からJR東北本線で国府多賀城駅に向かい(14分)徒歩すぐ、JR仙石線で多賀城駅に向かい(22分)徒歩22分又はタクシーで10分です。仙台方面から向かう場合は東北本線一択ですが、多賀城に宿泊する場合は国府多賀城駅周辺から離れた場所にホテルが立ちがちなので中距離の移動が必須となります。
(自分は一泊3500円のリブマックス多賀城に宿泊して向かったので徒歩30分ほど歩きました。)
車なら多賀城ICを目指して向かえばそこからは約5分で到着します。

国立施設に負けない!再現展示と史料の数々


東北歴史博物館では総合展示室・テーマ展示室・特別展示室の3つの展示室があります。

エントランスは広々としたホールとなっています
天井が高く開放感あふれる内装

中でも、総合展示室では、旧石器時代から近現代までの東北地方全体の歴史を、時代別の9つのコーナーに分けて展示しています。
この常設展示の内容が濃く、「東北」と名を冠するにふさわしいボリュームとなっています。

石器の展示
この展示台の散らし方が少しランダムで良い
縄文時代の住居の再現展示
奥の樹木までリアルに作られています

上の写真は旧石器時代と縄文時代の展示です。
ここから弥生時代、古墳時代、古代、古代から中世へ、中世、近世、近現代のセクションが続きます。
この並びを見ると、年代的に~1200年あたりの解説展示が大半を占めていますね。文化の興盛や現代文化への昇華よりかは、東北地方がどのような発展を遂げ、各県の生活文化とその民俗がどのような目的を持って発生したのかを解説する点に力を入れている館の姿勢が伺えます。

屈葬の人骨モデル
模型でも実際目の前にすると、何か意味ありげなフォームだと感じます

どのような分野でも、「東北地方の」という枠組みを外さずに展示内容を作っています。
当たり前ではありますが、なかなかコアです。

仙台湾と東北各地の貝塚
II
U
絶対狙ってやってる笑
多賀城近郊の文化展示
かつては仙台よりも多賀城の方が栄えていた印象

東北各県の史料を展示・解説していますが、中世まで主要都市として栄えていた多賀城と秋田県北西部にまつわるものが多いなと感じました。
山形県民としては複雑な気持ちです…が、山形は当時からド田舎だったわけですね…涙

もちろん多賀城ですので、多賀城碑のレプリカもあります。
実物は柵に阻まれて文字が見えづらいですが、これならくっきり見えますよ。

起筆・終筆が鋭利に、余白を見せる淡麗な線で書かれてます

西日本・関西から伝来した仏教は東北で独自の発展を遂げたものもあり、経典や仏具の特集展示は個人的に目を見張るものがありました。

ここまでの画像にも写っていますが、解説のキャプションに罫線が引いてあり、行間の調整や内容の難易度など、初めて見る人にもわかりやすく、見やすく、親切に作られております。

文章をよく読むと、「あらわれる」「まつる」「つくられる」「うやまう」といった難解な漢字表記はひらがなへとひらかれており、キャプション文章が読みやすさを重視した表記基準を以て、執筆されていることが分かります。
ただ全てをひらがなにすることなく、一定の常用漢字を残して、ほどよく万人に読みやすくするこの調整は至難の業だと思いますし、高く評価すべきです。

「村におけるワラの神々」展示では等身大のワラ神を目にすることができます。かなりインパクトが強いのでおすすめです。

木の上の龍がかっこいい!


近現代展示では大正・昭和期の駄菓子屋店舗が再現展示としてありました。その時代を生きていたわけではないけど、懐かしい…。

充実の常設展示に大満足です。

テーマ展示では3つの部屋でそれぞれ異なる分野を特集した展示を行っています。
さらにおすすめなのは映像展示室。ここでは過去の研究で密着した村の民俗行事の映像を見ることができます。
現代の価値観・倫理観では到底ありえないような光景が映し出されるので、知的好奇心を掻き立てられました。

私が行った時はこんなラインナップ
埴輪の世界
仙台箪笥の特集
東北の古文書特集
テーマ展示室のほうがガラスケースがあって美術館ぽいですね

私が訪れた時は特別展示を行っていなかったので、その展示室を見ることができませんでした。
ただ、常設展示とテーマ展示で120分以上滞在できたので、特別展示が開催していなくとも十分楽しめます!

また上の階にはこども歴史館として、展示に因んだ体験を味わえるエリアが広がっています。動きに着目して設けられた展示棚(ワークワゴン)や石器で布を切るなど、普段できないワークショップも開かれていますので、常設展示が退屈になってきた子どもにも楽しんでもらえる工夫が満載です。
ぜひお子さんとともに訪れる際は足を運んでみてください。

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吾妻圭@美術館・博物館・記念館情報 チップは全て、文化施設調査用に使わせていただきます。 当面の目標は「全国都道府県立の文化施設を周る」ことです。 周った全ての館は記事化します。 よろしければ応援していただけるとありがたいです。