格差社会(後編)
前編はこちらです↓
前回、新中間階級のAさんと正規労働者階級のBさんについて比較しました。
各階級の統計の数字からも分かるように、平均値を取れば収入や満足度で、新中間階級と正規労働者階級に極端な違いはありません。
実際、中小企業でも待遇がいい場合もあり、当然その逆もありうるわけで、現状では大きな差はないと言えます。
しかし問題は、これからの数十年にあります。
新中間階級は、所属する企業の恩恵を受けて新しいスキルを身に付け、徐々に資産形成を行い、長期スパンでは老後や子供世代の安心を作れています。
正規労働者階級は、マニュアル化された競争の激しい仕事で常に賃金低下の圧力にさらされ、普段の生活優先でスキル獲得や資産形成が難しく、老いていくに従い将来の不安感が大きくなります。
これらの将来展望の差が、就職や転職、景気のめぐり合わせなどの運によって左右されてしまう、という大きな問題が起きています。
私も実際にそのような状況を見てきました。

私は、格差が拡大する社会は良くないと思います。
しかし格差を本当になくすことが出来るのかと言われれば、それはできないと考えています。
なぜならどんな時代のどんな国にも格差は存在してきたからです。
またこういう意見があります。
「格差は各人の努力の結果であり、自己責任である」
もちろん間違いではないですが、ごく一部の人を除き個人で出来ることはそれほど多くないので、格差の問題すべてを自己責任論で片づけるのは難しいと思います。
よって、すでに格差が存在するのは認めたうえで、それが全体として悪い方向へ行かないためにどうするか考えるのがよいと思います。
ではどんなことが必要なのでしょうか?
アンダークラスを救う
調査によると、アンダークラスの貧困率(国民の所得分布の中央値の半分に満たない世帯の割合)は圧倒的に高くなっています。
他と比べ2倍~8倍近く高い状況であり、さらにコロナ禍の被害の可能性も考えると、最優先で救わないといけないと思います。
※この調査では、アンダークラスに年金生活者は含まれていません。

氷河期世代を救う
1993年~2004年頃に社会に出た約1700万人の就職氷河期世代のうち、2020年代の今でも困窮の度合いが高い層は100万人もいると言われています。
もう20年近く経っているにもかかわらずです。
2019年の「就職氷河期世代支援プログラム」支援対象者は、現在も不安定な仕事に就いているまたは無業の人など100万人程度と見込まれている。
私はまず、もう20年経ったんだ・・・という驚きが強く、これだけ時間が経ってしまうと対策がとても難しいのではと感じます。
正直、遅きに失したと言えるのではないでしょうか。
この世代に含まれる一人として、悲しいですがもうできることはあまりないと思います。
もちろんやらないよりはやったほうがいいのは間違いありません。
この世代が老後になった際、大量の困窮者を生んで社会の負荷がさらに増してしまう前に、少しでも打てる手があれば打ってほしいです。
見えない貧困
ここまでお読みいただいた方も、私もですが、今回さまざまな形で紹介した格差の実感は、実はあまりない人が多いのではと思います。
noteで書いていたり、このような社会的な問題に興味や関心があったりする人の生活圏ではなく、その外側に実際に困っている人がいるはずで、そこもすでに分断されていると感じます。
ただし、少なくとも今回の記事を書くことで問題提起はできると思いますし、これによって「もっとこうしたほうがいい」という考えが生まれるきっかけになれば、さらに良いと思います。
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