Vol.12 【間取り公開④】プラントエンジニアが考える「メンパ最適化」10の決断(第1位)
「ビーヅクリさん、ついにやってしまうのですね……」
「ええ、これだけはやらないと、私の頭が爆発しそうです」
「そうすると、トイレの音問題や、湿気の問題が出てきますよ。それでも本当にやりますか?」
「もちろんです。そのための計算は、全て終わっています」
BESS担当者さんと、こんな会話を繰り広げました。
こんにちは、BESSログハウスの家づくり奮闘中のビーヅクリです。
これまで「窓を捨てる」「エアコンを空中に置く」など、数々の変態的(?)な決断をランキング形式で紹介してきました。
今回はいよいよ、第1位の発表です。
でも、その前に。 あなたに、一つだけ問いかけさせてください。
「あなたは今日、何に時間を奪われましたか?」
通勤、メール返信、SNSのスクロール、そして──洗濯。
私たちは毎日、無数の「やるべきこと」に追われて生きています。
そして気づけば、夜。 「今日も何も楽しめなかった」と、ベッドに沈む。
これが、かつての私の人生でした。 その時、私は気づいたのです。
「人生を変えるには、敵を特定しなければならない」と。
エンジニアの私は、自分の時間を奪う全ての行動を数値化しました。
そして判明した、人生最大の時間泥棒。
それが、「洗濯」でした。
■ 99%の人が見落としている「効率化」の真実
ここで、私の哲学を話させてください。
世の中は「コスパ・タイパ」全盛期です。 全てを効率化すれば幸せになれる。そう思い込んでいませんか?
私は断言します。「人は、無駄なものにしか、豊かさを感じられない」
考えてみてください。 高級料理店で、私たちが高いお金を払うのはなぜでしょう? 「効率よく栄養摂取できるから」ですか? 違いますよね。
シェフとのたわいもない会話、洗練された空間、手書きのメニュー。 栄養摂取という意味では「無駄」なものばかりです。 でも、その無駄にこそ、私たちは感動し、対価を支払うのです。
現代はこれだけスマホで便利になったのに、なぜ人々は「忙しい、辛い」と言うのか。 それは、「効率化で浮いた時間を、また別の効率化に使っているから」です。
私は違います。
「効率化の行き着く先は、生まれた余白で思いっきり無駄を楽しむ世界」だと信じています。
家族との会話、デッキでの日光浴、ハンモックでの読書、ただ炎を眺める時間。 この「最高の無駄」を味わい尽くすために、私は日常の「不快な無駄(作業)」を徹底的に排除するのです。
私がBESSの家での効率化を徹底するのは、BESSの家の無駄を徹底的に楽しむためなのです。
【第1位】 ランドリールームによる「洗濯動線」の完全攻略
■ 採用理由:人生最大の敵「洗濯」を、同じ部屋で完結させる。
私にとってのメンパ(メンタルパフォーマンス)を下げる最大の要因。 それは「洗濯」です。
洗濯物を集める
洗う
重い濡れた服を持って移動する(運搬)
干す
取り込む
畳む
各部屋にしまいに行く(配送)
……なんと豊かさの欠片もない、無駄な工程でしょうか。 これが毎日続くのです。365日、何年も、何十年も。
これは私の人生における「最大の敵」でした。
BESSの参考プランを見た時、私は愕然としました。
「洗う場所」「干す場所」「しまう場所」が全てバラバラ。
いくら「住むより楽しむ」がコンセプトとはいえ、これでは家事を楽しむ余裕なんて生まれません。
「これだけは、なんとかしなくてはならない」
そこで私が設計したのは、 「洗う・干す・しまう」がその場で完結する、コックピットのようなランドリールームです。

天井物干し+タンス+除湿機とサーキュレータ専用電源を設置
インスタに出てくるような、広くて映えるランドリールームではありません。 BESSの限られた面積と制約の中で、洗面脱衣所の横に「機能特化型の空間」をねじ込みました。
【ランドリールームの設計思想】
洗濯機から出した服を、すぐに干せる。
乾いたら、そのままハンガーで放置するか、下の棚に放り込むだけ。
各部屋への配送作業を最小化(タオル、下着類はここで完結)。
「移動ゼロ秒」の革命です。
■ 発生する「代償」と、エンジニアの「対策」
しかし、この間取りを実現するために、私はBESSのセオリーを崩しました。 その結果、新たな「問題点」が発生します。
【問題点1】 トイレの位置問題
ランドリールームを優先した結果、トイレへのアクセスが「リビング直結」に近い形になりました。 BESSの標準では、洗面所を経由させることで音やプライバシーに配慮しています。それを捨てたのです。
BESS担当者さんは言います。
「音漏れ、気になりませんか?」と。
【ビーヅクリの対策】
ハード対策: トイレの扉を「防音仕様(簡易防音ドア)」に変更。
ソフト対策: 真のユーザーは家族です。「音漏れ? 生きてるんだから仕方ない」と割り切るマインドセット。
完璧な家なんて、存在しません。 大事なのは、何を優先し、何を諦めるか。その判断軸を、明確に持つことです。
【問題点2】 湿気とカビのリスク
BESSは木の家です。狭い部屋で毎日洗濯物を干せば、湿気で木が傷むリスクがあります。 しかも、私は「窓」を削除しています(掃除したくないから)。
BESS担当者さんは言います。
「木が腐ったら、どうするんですか?」 と。
【ビーヅクリの対策】 ここがエンジニアの腕の見せ所です。
壁の塗装: ランドリールームの壁(無垢材)には、あえて「屋外用の強力な塗装」を施します。雨風に耐える塗料なら、部屋干しの湿気など敵ではありません。
床材の変更: ここだけは無垢床を諦め、「クッションフロア」を採用。水に強く、掃除も楽。
設備投資: 天井には室内物干し用の下地を3箇所に埋め込み、「除湿機」と「サーキュレーター」専用のコンセントを計画的に配置。
機械の力で強制乾燥させることで、カビのリスクを抑えつつ、生乾き臭も防ぎます。
担当者さんは言いました。
「……ビーヅクリさん、本気ですね」
「はい。人生を賭けていますから」
【間取り図を見た妻の反応】
「なかなか良いね〜♪ これなら洗濯が楽になるね!」
「あれ…でも私の欲しかったパントリーはどこにいったの?」
「おっと…(冷汗)」
これが私の答えです
「最高の無駄を楽しむために、最大の無駄を省く」
高性能な住宅にお住まいの方から見れば、「何を当たり前のことを」と思われるかもしれません。 でも、不便を楽しむBESSの家で、ここまで機能を追求することに意義があるのです。
私はBESSが大好きです。 この木の家の温もりも、全てが愛おしい。
だからこそ、この家で過ごす時間を、本当に大切なことだけに使いたかった。 洗濯に人生を奪われるのではなく。
家族と笑い合うために。
自分の心と向き合うために。
ただ、生きることを楽しむために。
あなたの「人生最大の敵」は、何ですか?
この記事を読んでくださったあなたに、問いかけます。
あなたの時間を奪っているものは、何ですか? それは本当に、必要な時間の使い方ですか?
もしも答えが「NO」なら。 あなたにも、戦う権利があります。
私がランドリールームで洗濯と戦ったように。 あなたも、あなたの敵と戦っていい。 そして、浮いた時間で、最高の無駄を楽しんでいい。
それが、人生を取り戻すということです。
「最高の無駄を楽しむために、最大の無駄を省く」 これが、私の家づくりの結論です。
さて、これまで全4回にわたって「間取り・設備ランキング」をお届けしてきました。 私の頭の中には、まだ書きたいことが山ほどあります。
実際の予算は? 減額テクニックの全貌
戦略的な住宅ローン設計(変動か固定か?)
工期スケジュールで工夫した「クリティカルパス」
それでもやっぱりBESSが好き!な理由
これまでの間取りや設備を写真で公開
正直、どれから書けばいいか迷っています(笑)。
「これ知りたい!」「この話をもっと詳しく!」 というリクエストがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。 あなたの声が、次の記事の設計図になります。
ちなみですが、妻が希望したパントリーは小さいながらもちゃんと準備しました。
今回の記事に共感いただけた方は、「スキ」や「フォロー」をお願いします。 (特に「洗濯嫌い」の同志からのスキ、待ってます!)
次回作も、どうぞご期待ください。
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