Vol.21【人生戦略】農業分野に挑戦する理由
こんにちは、ビーヅクリです。
5月に入り、新居(ワンダーデバイス)の周りも、目に鮮やかな新緑に包まれる季節になりました。引越しの段ボール地獄からようやく抜け出し、ウッドデッキで飲む朝のコーヒーが、五臓六腑に染み渡る今日この頃です。
さて、前回は、私の胸の奥底に隠していた「本当の夢」について、全力で語らせていただきました。「会社の肩書という鎧を脱ぎ捨てて、ビーヅクリという『自分の名前』で生きていきたい」「衰退していく日本をただ眺めるのではなく、再起させる大人になりたい」
そんな、私の人生を懸けた魂の宣言でした。
本当に多くの反響や「スキ」をいただき、私の心の中の「文化祭前夜」の熱量はさらに高まっています。
さて、前回の記事を読んで、多くの読者の方がこう思ったはずです。
「熱い思いは分かった。でも、なんでいきなり『農業』なの?」
「プラントエンジニアのスキルを活かすなら、独立しての起業やコンサルの道もあったのでは?」
おっしゃる通りです。
独立で起業するわけでも、フリーランスのコンサルタントになるわけでもなく、泥にまみれ、自然を相手にする一次産業「農業」へ飛び込む決意をした理由。
今回は、私が人生戦略の最終到達点として「農業」を選んだ背景を、私の30代の苦悩と共に語らせてください。
理由は、大きく分けて以下の3つです。
① 妥協のない「熱狂するモノづくり」がしたかったから
② 心身ともに最高の状態で「生涯現役」の仕事をしたかったから
③ 持続的(サステナブル)な分野で、ダイレクトに社会貢献をしたかったから
なぜこの3つに行き着いたのか。
少しだけ、私の不器用な過去の話にお付き合いください。
■ 「持たざる者」の戦い方と、生産性の奴隷
30代の私は、日産GT-Rの開発責任者である水野和敏氏(Vol.15で熱く語った私のバイブルです)に強烈な憧れを抱き、プラントエンジニアとして文字通り「モーレツ」に働いていました。
「お客様の求める最高のプラントとは何か?」
「会社に最大かつ持続的な利益をもたらすにはどうすべきか?」
「チーム力を最大化する本質とは何か?」
常にそんなことを考え、狂ったように仕事にのめり込んでいました。
私は、高学歴なエリートでもなければ、圧倒的な才能を持つ天才でも秀才でもありませんでした。
ビジネスにおいて、【成果 = 効率(能力・才能) × 時間】 という残酷な公式があります。私のような、凡人で「持たざる者」が圧倒的な成果を上げるには、どうすればいいか。答えは一つ。「才能の不足分を、圧倒的な『時間』でカバーする」しかありません。
1日は誰にでも平等に24時間しかありません。
だから、寝る間も惜しんで自己啓発の本を読み漁りました。
みんなが休んでスマホを見ている休日や深夜こそ、「ライバルと差をつける最大のチャンスだ」と、PCを開いて仕事にフルベットしていました。
いつしか私は、効率と時間を追い求める「生産性の奴隷」になっていました。仕事の成果は上がり、マネージャーという役職も得ました。しかし、休日に無理やり仕事をしていても、心のどこかで「本当にこのままで良いのだろうか?」「この働き方を、あと何十年も続けられるのだろうか?」という、漠然とした未来への不安がじわじわと大きくなっているのを感じていました。
■ 転機1:世界の絶望を知り、視座が切り替わった日
そんなモーレツ社員だった頃、会社で「選抜型研修」を受ける機会がありました。優秀な同僚たちに囲まれ、凡人の私は食らいつくのに必死でした。その研修の最終課題は、「10年後の未来を見据え、会社がどんな新規事業をすべきか」を役員の前でプレゼンするという、重圧のかかるものでした。
私は、日々の目の前の業務(ミクロ)から一度離れ、世界はどうなっていくのか、日本はどうなっていくのかという「マクロの視点」で、あらゆるデータや文献を調べまくりました。
そこで直面したのは、恐ろしい未来の事実でした。
地球規模での気候変動。世界の人口爆発に伴い、近い将来確実に訪れると言われる「タンパク質不足(食料危機)」。一方で、少子高齢化によって静かに、しかし確実に衰退していく日本の現状。
この絶望的なマクロデータに触れた時、私の内側で何かが音を立てて崩れ、そして新しい火が灯りました。
「会社のため」に利益を上げる事業を考えるはずが、私の頭の中は「社会の課題に対して、私という『個人』は何ができるのか?」という問いでいっぱいになっていたのです。
会社の看板を使って事業を提案するのもいい。
戻る道のない自分自身の力で、この巨大な社会課題に真正面から向き合う事業をやってみたい。
歯車ではなく、エンジンの中心として生きていきたい。
その思いが、抑えきれないほど強くなっていきました。
■ 転機2:『最高の体調』が教えてくれた「環境設計」の真実
もう一つの転機は、一冊の本との出会いです。
サイエンスライター・鈴木祐氏の著書『最高の体調』。
私はもともと体が強いというわけではありませんでした。持たざる者が時間と体力でカバーする戦い方を続けるには、「限界まで最高の体調を維持する」必要がありました。そのためのノウハウを求めて、この本を手に取ったのです。
しかし、そこに書かれていた内容は、私にとって衝撃的でした。
現代人を悩ませるあらゆる不調(疲労感、モチベーションの低下、病気)の正体は、突き詰めれば「慢性炎症」と「不安」の二つに集約されるというのです。
...そして、最高の体調を得るための最適解は、栄養ドリンクを飲むことでも、気合を入れることでもありませんでした。
・自然に触れることで、自律神経が劇的に整い、慢性炎症や不安を確実に減らせる。
・腸内環境が、免疫・気分・集中力・肌の状態のすべてを支配している。
・睡眠こそが、最強かつ最安の「治療薬」である。
・そして、メンタルの土台として「自分の価値観に沿った行動」が、深い充足感を生む。
この本が私に突きつけた最も鋭いメッセージは、
「あなたの日々の不調や不安は、あなたの努力不足や能力不足ではない。遺伝子と現代社会のミスマッチという『環境設計』の問題である」
ということでした。
私はハッとしました。
コンクリートのジャングルで、深夜までPCのブルーライトを浴び、コンビニ弁当を流し込み、会社の評価(他人の価値観)のために生産性の奴隷になる。
こんな環境設計で、心身が健康でいられるわけがないのです。
■ 点と点が繋がった瞬間。「農業」という究極の解
「社会の課題に、ダイレクトに向き合う仕事がしたい」
「自分の価値観に沿って、限界まで健康に働き続けたい」
私の中でバラバラに散らばっていたピースが、ある日、カチッ、カチッと音を立てて一つに繋がりました。
スティーブ・ジョブズの有名な言葉「Connecting the dots(点と点が繋がる)」とは、まさにこの感覚のことでしょう。
冒頭で掲げた3つの理由を、もう一度見てください。
① 妥協のない「熱狂するモノづくり」
プラント建設の論理的思考を、自然(気候や土壌)という最も予測不可能な相手にぶつける。これほどエキサイティングで、妥協が許されない究極のモノづくりはありません。そして、このモノづくりがたくさんの人に喜んでもらえるのも、非常に魅力的です。
② 限界まで「生涯現役」で仕事をする
太陽と共に起き、土や緑に触れ、体を動かし、自然の恩恵を受ける。これは『最高の体調』で示された「慢性炎症と不安を取り除く環境」そのものです。農業なら、定年という概念に縛られず、命が尽きる限界まで健康的に働き続けることができます。
③ 持続的(サステナブル)な社会貢献
食料危機や日本の農業の高齢化・耕作放棄地問題。これらは、私が研修で直面した「世界の課題」の最前線です。一次産業に飛び込むことは、最もダイレクトでサステナブルな社会貢献になります。
すべてを満たす究極の解。
それが「農業」だったのです。
そして、皆さんもうお分かりかと思いますが、私が「BESSの家」を選び、自然豊かなつくば方面へ「地方移住」したことも、決して単なるマイホームの夢ではありません。
土と緑に触れ、太陽の光を浴び、DIYで家を育てながら、自給自足的な生活の基盤を作る。BESSの家は、この「農業」という途方もない人生戦略に挑むための、計算し尽くされた環境設計(ベースキャンプ)だったのです。
■ 次回予告:なぜ「ブルーベリー」なのか?
点と点が繋がり、「農業をやるしかない!」と確信した私は、その日から狂ったように農業関連の専門書を読み漁る日々をスタートさせました。
しかし、農業と言っても、米、野菜、果樹、畜産……その分野は多岐にわたります。
素人のサラリーマンが、いきなり広大な農地でビジネスとして成立させるには、さらに緻密な「戦略」が必要でした。
では、なぜ私はその数ある農作物の中から、「ブルーベリー」を選んだのか?
私の構想した条件的にも、ビジネス的にも、そしてお客様に「Big Smile」を届ける目的にも、いかに最適であるかを語りたいと思います。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。本当にいつもいつもありがとうございます!
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次回も、熱量MAXでお届けします!お楽しみに!

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