Vol.13 【住宅ローン】「変動か?固定か?」エンジニアが導き出した、感情論抜きの金融戦略
「この金利上昇局面で、あえて『変動』を選ぶんですか?」
「何が起こるか誰にも予測できませんよ。本当に良いのですね?」
銀行の担当者さんは、心配そうに念を押しました。
「はい、構いません。未来は誰にもわかりませんが、『仮説』と『計算』はできますから」
こんにちは、BESSログハウスづくりに奮闘中のビーヅクリです。
これまで、土地探しや間取り公開など、私の「戦略」をお伝えしてきました。 私が一貫して皆様に伝えたいのは、「明日をワクワクに変える勇気」です。
正解を探したって意味がありません。 誰かの真似をしたって、それはあなたの人生ではありません。
「自分で考え、自分で決断し、自分で正解にする(Best Answer創り)」。 これしかありません。 それが、家づくりを「消費」ではなく「創造」に変える唯一の方法だと信じています。
さて、今回は家づくりのラスボスとも言えるテーマに切り込みます。
「住宅ローンは、変動金利か? 固定金利か?」
結論から言います。 お金に関してはド素人のプラントエンジニアである私が、膨大なシミュレーションの末に選んだのは、「変動金利」です。
なぜ、金利上昇が叫ばれる今、あえてリスクを取るのか? そこには、感情論を排したエンジニア流の「3つの根拠」があります。
■ 私たちは「30円」には悩み、「5000万円」で思考停止する
本題に入る前に、一つだけ。
人は、スーパーでキャベツが他店より30円高いだけで、「損をした!」と悩みます。 その数十円のために、隣のスーパーまで自転車を走らせたりします。
なのに、なぜか「住宅ローン」という数千万円の巨額資金に直面すると、 「難しいからよく分からない」 「みんな固定にしてるから安心かな」 「銀行員さんが勧めるから」 と、急に思考停止してしまいがちです。
これは非常に危険です。 「安心をお金で買う」と言えば聞こえはいいですが、その安心料が数百万円だとしたら? キャベツ何万個分でしょうか。
私は、この「見えない不安」を数字で可視化し、「管理可能なリスク」に変えることにしました。
■ エンジニアが「変動」を選んだ3つの根拠
「いやいや、ビーヅクリさん。これからの時代は金利が上がりますよ?」 「いち早く固定金利に逃げたほうがいいんじゃないの?」
そんな声が聞こえてきそうです。 私が判断材料としたのは、以下の3つのロジックです。
① 元利均等払いの「構造」を理解する
ニュースで「金利上昇!」と聞くと不安になりますが、住宅ローンの仕組み(元利均等払い)を分解すると、景色が変わります。
この返済方法の最大の特徴は、 「借入残高が多い『初期』こそ、金利の影響力が最大になる」 という点です。
例えば、35年ローンの「最初の10年」。 ここは借入残高がMAXの状態です。ここに低い金利(変動0.5〜0.8%など)が適用される恩恵は、計り知れません。
仮に将来、金利が2%上がったとしましょう。 しかし、その頃には元金(借入残高)はずいぶん減っています。 元金が小さければ、高い金利を掛け算しても、ダメージは限定的なのです。
今の低金利: 残高MAXの時期に適用 → 恩恵特大(スタートダッシュ成功)
将来の高金利: 残高が減った時期に適用 → 影響は縮小
つまり、将来変動金利が固定金利の水準に追いついたとしても、即座に損をするわけではありません。 それまでの期間、安く払い続けてきた「貯金(含み益)」があるからです。
② 「最悪のケース」をシミュレーションする
では、「いつ」「どのくらい」上がったら損をするのか? ここを曖昧にせず、計算してみましょう。逃げてはいけません。
今回はわかりやすい例として「5000万円を35年ローン」で借りた場合に、かなり保守的(悪条件)なパターンも含めて比較してみました。
パターンA: ずっと固定金利(2.0%とする)
パターンB: 変動金利(0.8%)でスタートし、毎年0.1%ずつ上昇し続ける(かなり保守的) ※35年かけてバブル崩壊後(1994年)の水準(4%近く)まで上がり続ける想定
パターンC: 変動金利(0.8%)でスタートし、毎年0.2%ずつ爆上がりする(超・保守的) ※35年かけてバブル期(1990年)のMAX水準(約8.0%)まで上がり続ける想定



【計算結果】 驚くべきことに、「パターンB(毎年0.1%上昇)」という、かなり厳しい世界線でも、総支払額は「固定金利」とほぼ互角、むしろ変動の方が約40万円安くなるという結果が出ました。
毎年金利が上がり続けるなんて、経済が崩壊でもしない限り考えにくいシナリオです。それでも、固定金利とほぼトントンなのです。
ちなみに「パターンC(毎年0.2%爆上がり)」だと流石に損(約1300万)をしますが、もし世界がそんな超高金利時代になっているなら、銀行預金の金利も5〜6%ついているはずです。 資産運用でカバーできるため、ローン単体で損得を論じるのはナンセンスです。
③ 実際の返済期間は「35年」ではない
そして、最後の決め手がこれです。 契約書上は「35年」ですが、日本人が住宅ローンを完済するまでの平均期間をご存知でしょうか?
住宅金融支援機構などのデータを見ると、借換えや繰り上げ返済を含め、 「平均約15〜17年」で完済しているというデータがあります。
多くの人が、退職金や住み替え、あるいは繰り上げ返済で、35年もかけずにローンを終えているのが現実です。
先ほどのシミュレーションを思い出してください。 「毎年0.2%ずつ金利が上がり続ける」という地獄のようなシナリオで、変動金利が固定金利よりも損になり始める(損益分岐点を超える)のは、「約15年後」なんです。
つまり…… 「平均的な16年程度で完済、もしくは繰り上げ返済するなら、圧倒的に変動金利が有利」 という結論が導き出されます。
■ 結論:自分の「正解」を創ろう
今回の私のシミュレーションは、「毎年金利が上がり続ける」という、借り手にとってはかなり最悪なケースを想定したものです。 それでもなお、変動金利の優位性は揺らぎませんでした。
元利均等払いは「最初」が肝心(低金利の恩恵を最大化)
毎年0.1%上がっても、固定との差は微々たるもの
ほとんどの人は損益分岐点が来る前に完済している
これらを総合的に判断し、私は「変動金利」を選択します。
もちろん、これは私の条件とシミュレーションに基づいた「私の正解」です。 もしあなたが「明日金利が上がるかも」と毎日震えて眠るくらいなら、高くても固定金利を買うべきでしょう。それは「メンパ(心の平穏)」をお金で買う行為だからです。
ただ、闇雲に不安になるのではなく、こうして数字で具体化することで、見えない恐怖は「管理できるリスク」に変わります。
皆さんもぜひ、現実に向き合い、ご自身のライフプランに合わせて計算してみてください。 それが、あなたにとっての「Best Answer創り(ビーヅクリ)」になるはずです。
【妻の判定】
最後に、この完璧なロジックを妻にプレゼンした時の反応をお伝えします。
私:「……というわけで、シミュレーション上は変動金利の方が圧倒的に有利なんだ。最初の10年で貯金を作って、もし上がったら繰り上げ返済で逃げ切る戦略でいこうと思う」
妻:「ふーん、すごい計算だね(棒読み)」
私:「ど、どうかな?」
妻:「どっちでもいいけど、毎月ちゃんと払えるなら文句ないよ。 あとさ、浮いた金利分で、キッチンのグレード上げられる?」
私:「……計算し直してきます」
結局、我が家の財務大臣には、どんなロジックも敵わないようです。
【読者の皆様へ】
いかがでしたでしょうか?
私はわからないことこそ、自分で考えたい、自分で決断したい、自分の正解を作りたいと思ってしまいます。 そんな時がワクワクして楽しい時間です。私の考えや決断が、少しでもみなさまを後押しできる勇気につながれば、そんな嬉しいことはありません。
あなたは、住宅ローンをどう選びましたか?(選びますか?) 「固定派」の意見も、「変動派」の戦略も、ぜひコメント欄で教えてください! お金の話はタブー視されがちですが、ここなら本音で語り合いましょう。
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次回は、戦略的なお話(BESS愛?減額方法?スケジュール?)をお楽しみに!

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