2025/12/31 大みそかだよ!ホメまつりスペシャル
大晦日といえば「大みそかだよ!ドラえもんスペシャル」だ。
これのいじらしいのは「だよ」の部分である。
大晦日ドラえもんスペシャル、で問題なく意思疎通ができる。書き手も読み手も大みそかにドラえもんのスペシャルがあるということがわかる。そうにも関わらず「だよ」とつけることで、私たちに「お忘れでないですか・・・」というアプローチに加えて、ドラえもんがこちらに呼びかけて、「ほら御覧なさい」というニュアンスが入ってくる。これは言葉の魔術師だ。何を言っているんですか。
今日のスケジュールは18時から笑組ゆたさん、惑星カッポ笠生くんの三人で行う奇祭「ホメまつり」だ。これはもう奇妙なお祭りの類と言って問題ない。今回は謎の漫才風コント風催し。謎のワンコーラスカラオケ催し。これはもう完全な奇祭、珍祭。
年齢の順番で考えて、ゆたさんが先に亡くなる。その後「遺志を継ぐべき」となり、では二人で続けましょうよとなり、メンバーを一人足そうかとなり、やがて私が死に、となっていく。300年後の荒廃した世界で、セラミッククズが積み重なってできた丘に椅子を三脚並べて、変なTシャツ(ホメまつりTシャツ)を着た三人の男神をまつって周りを群衆がぐるぐると周り続けるようになる。その様子を見た地球偵察をしている宇宙人が「この星の住人は全員くるくるパーである」と本星へ連絡。
幹部宇宙人は「では侵略したとて、奴隷にも使えない」と他の星を当たることになるだろう。かくして宇宙文明から見放された地球は、超新星爆発を待つのみとなったのだ。
そんなイベントがホメまつりで、この大晦日だよ!スペシャルが18時から20時に行われる。
夜のライブに備えて、今日は家でゆっくりすることにした。毎日ウーバーをやっていたあの頃、疲れて疲れて、脳が動かない。大晦日にそんな状態でライブでしゃべるなんてわざわざお越しのお客様にも失礼である。プロとしてゆっくりさせていただく。
はてさて良い時間になったから身支度をして、会場である「ジオラマ喫茶かふぇ若茶」(若茶の読みは ワカサ )へ向かう。今更だけども、この喫茶店名って私はようやっとサラで言えるようになったけど、なかなか憶えられないよな。
まだ一度も若茶に訪れたことが無い方、無理に憶えなくても良いのですが、ふとした時に、なかなか憶えにくい喫茶店の名前だったよなと思っていただいて、イライラしてみて欲しい。
え~っと。じおらまカフェ若茶?ジオラマカフェワカチャ?喫茶ジオラマカフェテリア若茶?思い出そうとして結局、Googleで検索していただければ、若茶さんの宣伝にもなる。うーん。やはり我々は人と人が支えあって商売をしているな。
17時すぎに到着すれば、すでにお二人は到着していた。メンバーは気合十分の様相と言ったところか。
漫才風コント風催しを一回だけ稽古して、あとは椅子で雑談、猥談をしてお客様の到着を待つ。大晦日に町屋までやってくるお客様は顔つきが違う。皆、孤高のアサシンのような顔である。お笑いをやっていなかった頃の私から考えれば、大みそかにバイトをすることこそあれど、人が喋っているのを直接聞きに行くことなんか想像したこともなかった。感謝の気持ちが99%。どういう気持ちなのかというのが1%。
ありがたいですし、ありがとうございますと言わせてください。言っていいんですか。ではありがたく。ありがとうこざい真澄桑田。
言わないのかよというボケです。
やがて会が始まる。まずはおしゃべりの時間。なんだそれ。
今回の話題の核となったのは「師弟」の話。この度、漫才協会の若手であるパラダイムシフト高倉さんがロケット団倉本さんに弟子入りした。ゆたさんも好江師匠の弟子であるというところから、弟子ってなんなのかという話しをした。
個別具体のエピソードを例に挙げてここで話すのは野暮というもの。しかし私の中で一番印象に残った話だけ、勝手にここでしゃべりますね。口外禁止。
ゆたさんの中で、これはこうしていいのかと考えることが一つあった(何かは言わない)。こうしようと決心した理由は何かと言えば、自分の中にいる好江師匠ならどうするだろうか、自分になんて言うだろうかと考えたら、やるべきと言うだろうなと。それが決心の理由、という話しがあった。
この話、同様な話を聞いたことがあるな。そうだ、六代目の三遊亭円楽師匠が亡くなったのちに、伊集院光さんがラジオで「自分の中の円楽師匠ならどうするか、どう言うかを考えた時に~」という話しをしていた。
いまやお笑い界に師弟関係のなかで芸を磨いた人は数少ない。その中でゆたさんと伊集院さんが同じ考えを持っている。これって、割と師弟を考える中で真理に近いことなんだろうなと私は思った。
違ったらすみません。
もちろんライブの中で「伊集院さんと一緒!」なんて野暮なことは言わなかった。大人になったなあ。なるほどなあと自分の中で噛みしめて、ここで、これを読んでいる小さな村の中で共有しようとそういうわけだ。
ということで、もし高倉さんが今後、何かで悩んだ時、心の中の倉本剛さんに聞いてみると良いだろう。「うるせえ!」「何言ってんだ!」ばかり返ってきそうだなあ。
そんな素敵なホメまつり、滞りなくすすみ、各種催しものも大盛り上がり。こう言ってはなんだけども、割と過去のホメまつりの中でも上出来な方だったんじゃないですかね。
だんだん良くなっていっている。でもこんなときこそ俯瞰的な視点が求められる。中の人間が良くなっていると感じるとき、それは先鋭化して他者を寄せ付けない雰囲気になってしまう。初めて来たよという方への配慮は確かに難しさがあるし、できれば配慮しないほうが楽である。でもそれでいいわけがない。我々お笑いの最終目標は、地球人全員と顔見知りになることで、初めての人も楽しめる雰囲気づくりを絶えず考え続けなければいけない。
ということで、またやると思いますから、初めての方でもスーパーウェルカムです。お気軽にお声がけ、お越しくださいね。
会の後はゆたさんの家で手料理をごちそうになった。トマトとコンソメのしゃぶしゃぶという西洋と日本海のマッチング。これがとても美味しかったので、家でやっていこうと思う。
ゆたさんの芸事への考えはお弟子さんが後世へ語り継いでいくことだろう。私はこのしゃぶしゃぶを後世へ語り継いでいくつもりでいる。
今日面白いと思ったことは「私も何かをやるときはいろんな人が思い浮かぶ。マネージャーならなんていうか。作家さんならなんていうか。先輩が、後輩が見たらなんていうか。自分以外師匠、すべての人々に感謝しよう、というデフテックが言っていたのは本当のことだったんだな。私の師匠はデフテックです。」
今年も一年間読んでいただきありがとうございました。読者数の乱高下が激しいこの日記も、皆様のおかげで続けることができています。
よほど仕事が忙しくならない限りは投稿は続けていきますから、毎日でなくてもいいですから気が向いたらまた読みに来てください。では年は明けましたが、良いお年を迎えられるよう。皆さまの2026年が滞りなく、素晴らしい一年になりますように祈っています。さらばじゃ!
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こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。