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ブルース

個人ブログ2024.2.4の記事よりnoteへ転載

 作曲家でピアニストの林晶彦さんとのライブ2daysのうち、1日目が無事終了しました。雨の中、お越しくださり、ありがとうございました。かけがえのない時間でした。
 音楽って生き物だね、と林さん。本番ではリハと全然違うことをやってしまった曲も。今この瞬間に生成する音の遊泳。二人でライブペインティングをしてるような気分になりました。
 和して同ぜず。
 お互いの個性を尽くして、音楽という頂上を目指して登る。伴奏という概念もなく、対等なんだと。
 大作曲家と正面からぶつかって真剣に音楽ができて良かったです。

 実は昨年末から持病で顔が炎症で悪化してしまいメンタル的にかなり落ち込んでいました。でも1年前のように約束事やライブをキャンセルするわけにはいかない(昨年はそれが拙著「光の樹」の制作へと繋がりましたが)。このライブでは帽子で顔を隠して演奏しました。恥ずかしくて何とも言えない気持ちでした。終演後に店主が晩年のビルエバンスの動画を見せてくれて、顔の浮腫を髭で隠していたエバンスの心境と重なるものがありました。

 今の自分の症状から思い付くことがあり、幼少期から高校入学までずっと抱えていた心の傷に気付くことができた。呪いの仮面を被り、ほんとうの自分というものが分からずに苦しんでいた。恐らく斜視の矯正のため、縦と横の縞が入ったレンズのメガネをかけていた。
 ルソーの本に書いてあったけれど、自分だけ違う星から来た宇宙人で、他人を皆、外人のように感じていたのかもしれない。それを人間失格の大宰のように自らを滑稽に扱ったりした。呪いの仮面のようだった。高校入学前に手術を受け、その仮面は外すことができた。自由を感じ、友人もできた。けど、うまく馴染めないというか、外人意識は消えなかった。

根を持つことと翼を持つこと
光の樹は天を貫き
永遠に向かって飛翔する
太陽の翼をもった聲
蜜蜂のように献身的に
言葉の蜜を集めよ
やがて風が言葉を運ぶのを待て
大地の夜空に光る月は
内臓と共鳴し
生命記憶の彼方へ掘る音色
あらゆる闇の感情を光へ
まず自分自身をふるさとにすること

 お母さんから産まれる時、内部の宇宙からこの大地へ転がる時、僕の名前を呼ぶたったひとつの声を聴いたはずだ。この小説にある(梨木香歩「沼地のある森を抜けて」)アザラシの娘たちのように。その名前には魂のコードが埋め込まれていて、地球上での自分の役目も書き込まれている。自分を地球上に呼んだその声を思い出せ。
 そして、29歳からアトピー性皮膚炎になり、その頃のことも当時のブログを頼りに思い出した。自分の運命というものが、悪い方にも良い方にも大きく開いていった時だった。夏の演奏ツアー、職場の異動、出張先の現場で事故る、三重で演奏、不眠症、自転車で軽い事故、友人を裏切ってしまう、岡山での音楽合宿、映画や美術館に行きまくったり、本もよく読んでいた。何かを得ようという必死さが伝わる。今の自分に繋がる土台が養われたのもこの頃か。うん、かなり無理してた。仕事も色々な所に出張に行っていたり。若気の至りか。
 行き場のない身体の声が吐き出されて病気になったのだろう。この時期の僕はものすごく他者が入り込んでいた。無数の声に寄生されコラージュされ、皮膚という境界が燃えて溶けて、焼け野原となった。狼の遠吠えのように沈黙の慟哭がはみだす。
 起こってくるそのことが、もはや自分にとっての善悪の現象を超えて、ただ、起こるべくして起こることが起こっている。もし、過去に戻ったらまた同じことをするのかと問われたら、するだろう。
 僕は僕のこの生を生きざるを得なかったということだ。
 その時の仕事も辛かった。異動先の職場では僕はひとりだった。複数の物件を抱え込み、出張も多く、身体はしんどかったが薬でごまかし、生活のあれこれは実家に頼った。
 その後、救世主のようにH君と室内楽団が現れるまで5年間、ずっとひとりで闘っていた。
 この心に蓋をしていた過去をクリアリングしていきました。当時の痛みと苦しみと悲しみと怒りなど闇の感情を光に変えるんだと。

 最近になり、林さんが針灸師の方を紹介してくれました。針灸師の方も過去に僕と同じ病気で苦しんでいた時があり、話を分かってくれて助かりました。今は週一で通っていて、徐々に体調も良くなってきました。

 先日のライブではピアソラとシューベルトのアヴェマリアを演奏しました。ほんとはカッチーニのもやりたかったのですが、これは時間足らずで。
 特にピアソラのアヴェマリアをやることは、今回のライブのひとつの挑戦でした。
 林さんのアドバイスでマリア様に祈りを込めながら、魂の底から歌いました。そのおかげか憑き物がとれたようになり、さらに症状も良くなってきました。
 以前の自分だったら、こういう歌いあげる曲はやらなかった。でも、今なら、作曲家がアヴェマリアに込められた痛みや悲しみの音色が分かります。アヴェマリアは僕にとってのブルースです。

 ライブの2日目、1月27日(土)にたまゆらでやります。ご予約は僕までご連絡ください。
 闇から光へ。僕のブルースを聴いてください。

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【作曲家・ピアニスト林晶彦さんとのライブ2daysのご案内】
 来年の1月に、作曲家・ピアニストの林晶彦さんとの演奏が決まりました。 
 テーマは「音は光」としました。
 僕が今までの音楽人生によって深く感動した体験は、光を伴って現れてきたものでした。それは光の矢が僕の顔面に向かって突っ込んできたり、天使の羽ばたきが炎となって内部に放射したり。先日の林さんのピアノソロを聴いて感じたのも、まるで子供の天使達が頭上で舞っているような光でした。
 プログラムは、林さんがマティスのステンドグラス作品からのインスピレーションで作曲した「マティスの光」、バッハのオルガン曲、即興演奏などを予定しています。
 1日目は、音楽好きなマスターが営む国分寺のGAKU、2日目は、小平のパワースポットのたまゆらです。
 どちらもお席に限りがあるため要予約となっています。詳細は下記です。もし、ご都合よろしければ是非お越しください。

【ライブ1日目】
※要予約(ご予約はお店までお電話でお願いします:残席7)
2024年1月21日(日)
14時スタート

【場所】
国分寺楽GAKU
東京都国分寺市本町3丁目11-15
(国分寺駅北口より徒歩3分) 
TEL:042-312-0387

【メンバー】
林晶彦/ピアノ
大竹弘行/コントラバス

【ミュージックチャージ】
Music Charge/2500円+1drink
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【ライブ2日目】
※要予約(ご予約は僕宛にご連絡ください)
2024年1月27日(土)
14時スタート

【場所】
カフェ・ギャラリーたまゆら
https://www.tamayura-cafe.com/
東京都小平市小川町1-500-50
鷹の台駅より徒歩約25分(駅から遠方ですが、天候良ければ玉川上水沿いの緑道をゆっくり歩いて向かうのも気持ちが良いです)
または
東大和市駅より徒歩約16分

【メンバー】
林晶彦/ピアノ
大竹弘行/コントラバス

【ミュージックチャージ】
2500円





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