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【オリジナル小説】ウイルス目視録


「俺は死ぬのか・・・・」


頭の中でこれまでの走馬灯がよぎる。


そもそも、何で俺は今生死をさまよっている。

いつものように大学に向かうため
家を出たはずだ。

俺は当時の事を、思いだしていた。

細い道から猛スピードで向かってくる車。
俺が車に気づいた時は「時既に遅し」

そのまま激突した。

アニメのように空を舞いながら飛ばされる中で

最後に目に入ったのは、
運転席で意識を失っている男の姿だった。

そのまま俺は病院に運ばれたんだ。

「こんな形で俺の人生は終わるのか・・・」

今日死ぬって分かってたら
もっと真面目に勉強したのに・・・

好きな子に告白したのに・・・
でも、成功しても失敗しても
次の日死ぬならしないほうがマシかなぁ・・・

親よりは長生きしたかったな・・・

こんな経験初めてだけど、
多分目をつむったら本当に死ぬんだろうな。

徐々にまぶたが下がってくる。

「来世こそは後悔しない生き方をしよう」


俺は、体力の限界を迎え目を閉じた。。。




「愛斗、愛斗。。。」


そう呼ぶ声がし俺は目を開けた。


そこには、母親がいた。

周りに目をやると、
どうやらここは病院のようだ。

俺は生きていた。

母親が目を覚ました俺を見て涙を流して喜んでいる。
まだ体は思うように動かないが、俺も涙が流れた。

生きてる。

そう実感できた。

しばらくすると、医者がやってきて
説明をしてくれた。

俺は事故により大量出血をし
生死を彷徨っている状態で
病院へ搬送された。

すぐに輸血の準備に取り掛かるものの
俺は、特殊な血液型だったため
輸血に必要な血が中々見つからなかったらしい。

誰もが諦めかけた時

1人の男性が、
俺に適合する血といって持ってきたという。

当然、病院側とすると
どこの誰か分からないやつが
持ってきた
血を使うわけにはいかない。

しかし、刻一刻と俺の限界が近づく。

俺が走馬灯を見ていたのはこの時だったんだろう。

結局、何もしないよりはこの可能性にかけてほしいと

母親からの頼みもあり、
謎の男が持ってきた血を輸血してもらった。

どうしてかはわからないが
奇跡的に俺の血とマッチし、
こうして生き返ることができた。

その男は血を渡すとすぐに病院を去ってしまったため

今はどこにいるかも分からない状態だった。

何はともあれ
生き返ることができた。

思ったほど外傷はなく

俺は数週間で退院することができた。


普通に大学にも通えるようになってきたある日の夜。
俺は、猛烈な頭痛に襲われた。

そしてそのまま俺は
意識を失うようにして
深い眠りについた。


12時間は眠っていただろうか。


起きるともう昼過ぎだった。


今日は夕方にサークルの新入生歓迎会があるため
俺は急いで着替えて家を出た。


外に出ると、俺は目に違和感を感じた。


目の前にはいつもの商店街が広がっているのだが
俺の目には、無数の赤い点や白い点、紫の点などで
いっぱいになっている。

「何だこれ・・・」


そう呟いた俺の口からも無数の
「点」のようなものが溢れ出す。

血か?と思って口に手をあててみるも

触った感覚はなにもない。

抑えた手をみると、

先ほど口から出たものが
手にたくさん付着しているのが分かった。

俺は、これを始めて見た気がしなかった。

俺は、すぐに家に引き返し

高校生の時に使っていた教科書を開いた。

俺の予感は的中していた。

先程、手についたものを机の上に広げ

それを1つ1つよく見た。

教科書の顕微鏡写真と比べるとそれは
「ウイルス」によく似ている。
いや、むしろウイルスそのものだ。

空気中を飛んでいたものの中には
「コロナウイルス」があった。

「コロナウイルス」とは日本でも
数十年前
猛威をふるい緊急事態宣言が発令された
大きな事件だということは
学校の現代社会の授業で習っていた。

ワクチンも開発され、
あまり脅威ではなくなったが
インフルエンザと同じように
今でも冬になると感染者が増えている。

俺は、もう一度

わざと自分の手にくしゃみをしてみた。

すると、やはり同じようにたくさんのウイルスが手に付着している。

改めて辺りを見回すと、
空気中に無数のウイルスが飛んでいることも分かった。

「どうやら俺はウイルスが見えるようになったらしい。」

なぜかはわからないが、
恐らく輸血をした事が原因なんだろうと
考えた。

最初は違和感がありすぎて
目を開けているのすら嫌になったが

徐々にその状態にもなれてきた。

俺は、色々な場所でウイルスを見に行った。

実際目に見えると分かってくることもある。

マスクは案外すごい。
外からウイルスが入ってくることがあまりない。

ただ俺には1日使ったマスクは
その白い色は
見えないほどにびっしりウイルスが付着していて
触りたくもない程だ。

同じマスクを使うなんて今ではできない。

一番きついのが
友達と普通に会話することだ。

面と向かってしゃべっていると
友達の口からすごいスピードで
菌が俺に向かってきているのが分かる。

これが好きなアイドルとかだったら
嬉しいのかなとも思ったりした。

今度握手会にでも行ってみようかな。

しかし、同じ大学で片思いをしている
梨花ちゃんの口から出るウイルスに
微妙に「HIVウイルス」が混ざってたのを見て
がっかりもした。

ちなみに、リアルタイムの映像じゃなくても
ウイルスの動きを目で見ることができる。

数十年前のコロナウイルスの時の映像を見た。
東京の渋谷の映像だったが

どこに何がわからないくらい
空気中が赤いコロナウイルスで覆われていた。

映像をよく見ると
普通のウイルスと違い、
コロナウイルスはちょっと勢いのあったまま
マスクに付着すると
細かく分裂し簡単に口の中に侵入しているのが分かった。

口にガムテープでも貼ってないと防げないような状態だったから
あんなに感染が広がってしまったんだろう。

とにかく、この力があれば
世界を変えることができるかもしれない。

俺はウイルスを見ることができる事を
入院していた医師に話をした。

しかし、当然ながら信用してもらえなかった。


そればかりか、死にかけて頭がおかしくなったのか?
というように俺をバカにするような発言もされた。

人のため、世の中のためを思って
相談したのにあまりにも酷い対応に
俺はついにキレた。

「本当であることを証明するのでちょっと待ってください。」


そう言うと
俺は、病院内のありとあらゆるウイルスを集めて
おにぎりをつくるかのように
丸めてボール状にした。

まさに、アニメで悪い敵のキャラクターが使うような
「真っ黒な塊」ができあがった。


俺はそれを持ち、再び医者の前へ戻った。
またガミガミと説教じみたことをしてくる
医者の口めがけて
俺はウイルスの塊を指で弾いた。

見事にその塊は
医者の口に命中した。

すると、徐々に医者の様子が変わっていった。
口からでる息がどんどん
黒くなっているのが目に見えて分かった。

その後、医者は急に苦しみだして
その場に倒れ込んでしまった。

ハァハァと苦しんでいる
医者の口から出る黒いウイルスは

病院内のウイルス全てが結合しとんでもない
スピードで医者の体を侵していた。

俺は怖くなりその場から逃げた。

家に帰っても捕まるのは時間の問題だろう。
そう思った俺はひたすらに走った。

ここまでこれば大丈夫だろうという

海の見渡せる高台でようやく腰をおろした。

この先、どうしようか。。。


この力を使えば医療に役立てることができるし
ノーベル賞だって簡単にとれるだろう。

なのに、なぜこんな使い方をしてしまったのか。
俺は後悔した。

こんなことなら、早めに自首をして
罪を償い、早い段階からこの力を医療に役立てよう。

そう思い警察に電話をしようと思ったその時だった。

「おい」

その声を見ると1人の男が立っていて
銃のようなものでこちらに発砲してきた。

殺される。

銃声がなると、銃口からは
弾ではなく、
ウイルスのようなものが飛んでくるのがわかった。

しかもそこまでスピードが出てないため
俺はとっさに交わした。

するとその男は

「やはり適合したか。」

そうつぶやいてこっちに近づいてきた。

彼は俺がウイルスを見ることができているか
試すために、
あえてゆっくりとしたスピードで
ウイルスを飛ばしてきていたのだ。

「お前は何者だ?」

そう聞くと

「おいおい、命の恩人を忘れちゃったのかい。」とつぶやく。


俺は、事故の後医者から聞かされた話を思い出した。
「お前、、、、まさか」

「そうだよ。私がお前に血を分けてやったのさ」


黒いマントをはおり
サングラスに帽子を被り
マスクをつけている男は
あの時、俺に血を分けてくれた張本人だった。

「説明は後だ。一緒に来い。」

そうゆうと男は歩き出した。

仕方なく後ろをついていくと
そこは地下室だった。

すると男は話し始めた。

「私がお前に与えた力、もう感じている通り
ウイルスを目視できるという力だ。
俺にも同じ力がある。」

「数十年前に流行った「コロナウイルス」
あれは私がつくったものだ。」

「なぜ、そんなことを。」俺は聞く。

「私はその当時この力の事を隠しながら
研究者として、ウイルスを研究する仕事をしていた。
そんな時、俺に目をつけたとある団体が私に接触してきた」

「彼らは俺の能力に気づいていた。

こんな事が世間にバレたら
私は危険人物として
隔離されてしまう。」

「その弱みに漬け込み彼らは
感染力の高い
ウイルスの開発を依頼してきたのだ。」

「彼らはそれを「兵器」として悪用しようと考えていた。
しかし、開発途中の段階で
見つかり、調査が入ってしまった。」

「その時、一緒にいた彼らが私の研究室から

開発中のウイルスを持っていき、結果として
それが「コロナウイルス」として全世界に広がってしまった。」

「あれで、、開発途中だと・・・?」


「そうだ。本来であれば感染しただけで
確実に重症化し死んでしまうようなとてつもないウイルスを
作ろうとしていたんだ」


「お前のせいで親父は・・・・」


俺は思い切りそいつを殴った。


避ける素振りもなく俺のこぶしが顔に当たった。

「すまない。」

彼はそうつぶやいた。

続けて、
「私も取り返しのつかないことをしてしまったと
反省をしている。」

「当然ながら私はその組織から追われている。
なので今こうして逃げながら後継者を探していたのだ。」

「輸血を必要とする人で珍しい血液型を持っていたのが君だった。」

「巻き込んでしまって本当に申し訳ないと思っている。」

「でも、もう時間はないんだ。」


「実は組織は既に私以外の研究者を使い

当時目標にしていた最強のウイルスを完成目前まできている。」

「しかし、最終的なウイルスの完成には
、私の血が必要なのだ。」

「彼らは必死になって私を探しているだろう。」

「ってことは・・・?」

「そうだ。」

「君も病院でひと暴れしちゃったみたいなので

恐らく君のことがバレるのも時間の問題だ。」

「ここまで数十年、何人かの人に輸血をしてきたが
うまく行かなかった。」

「ついにこの時がきた。君が適合したことで
私にも仲間が増えた。」

「ウイルスが見えるものでないと
組織と戦うのは難しい。」

どうか力を貸してほしい。


「そんなこと急に言われたって」

でも、俺は確かに帰る場所がない。
そして、彼に協力することは世界を救うことになる。

彼の言っている事が本当だとしたら
近いうちに世界は滅亡する。。。

となると、答えは簡単に出た。


「わかった。協力する」


「ありがとう」


「我々にできることは
ウイルスの完成をさせないよう敵に血を渡さないこと」


「そして、敵を抹殺すること。」

「万が一に備え、抗体となるウイルスを作り
世界中にばら撒くことだ。」


「これから君にはウイルスを使って戦うやり方を教えよう。」

そして俺は銃弾の代わりになるたくさんの
ウイルスが入った
ボックスと
ウイルスを発射するようの拳銃の使い方を学んだ。


毎日のように特訓の日々。
あの後、車で移動したのだが
途中で寝てしまったこともあり
今いる場所がどこかすら分からない。

携帯はとっくの昔に電池がなくなってしまい
連絡もとれない。
まぁ恐らく
電池があったところでここは圏外なのだろう。

あれからかなり時間が経っている。

あの時、俺がウイルスを食べさせてしまった医者はどうなっただろう。
もしかしたら亡くなってしまうかも知れない。
そうなると俺は指名手配されているのだろうか。
母親も友達にも迷惑をかけていると思ったら申し訳なくなった。

しかし、俺が頑張らないと
ウイルスによってみんなの命が危なくなってしまう。

それだけがきつい特訓を耐える心の支えになっていた。

今日も特訓を終えて疲れ果てていると
奴が近づいてきた。

「だいぶ、形になってきたな。」

俺と激しい特訓をしているのに
彼は息すら上がっていない。

よくよく考えたら俺は彼の名前すら知らない。

俺は聞いてみた。

「俺は、早乙女愛斗。お前の名前はなんて言うんだ?」

彼は答えた。

「私の名前はパリオス。
私は身を隠している人間なので当然本名は使っていない。」

正直、そんな事だろうと思ったが
これ以上聞いても教えてくれない事はわかっていたので
俺は、それで納得した。

俺は質問を続けた。

「パリオス、敵はいつ頃動き出すんだ?」

「正直、分からない。ただ俺が内通者から聞いた話だと
もうウイルス自体はほぼ完成してしまってるので
私の血を求め、日本に来ているだろう。」

「彼らは、中国政府とも繋がっていると聞いた事がある。」
「ここの場所だって、政府の力を使えば特定される可能性もある。」

正直、相手がどんな攻撃をしてくるか分からない。
いくらウイルスが目に見えないからといって

相手が銃や刀を持ってきたら簡単にやられてしまう。

「パリオス、、俺をもっと強くしてくれ」


「ふっ」

パリオスは初めて笑顔を見せた。


「私の特訓は下手すりゃ死ぬぞ?」


そこからも俺は
特訓を続けた。

どうやら空気中には様々なウイルスが飛んでいる。
それらを掛け合わせる事で
固体化させる事ができるらしい。

これらを身につけておくことでまさに
透明の防弾チョッキも作る事ができる。

だいぶ戦い方が分かってきた。

そんなある日、パリオスから
「お前に、これを先に渡しておこう」

そう言われると、1本の注射器を渡された。

今、彼らが作ろうとしている最強ウイルスの解毒剤だ。

「ついに完成したのか」

パリオスは続けた。

「お前には、私の血が入っているから
この解毒剤は必要ない。ただ、私も途中までしか開発をみていない。
もし、相手のウイルスで体がおかしくなったらこれを打ってくれ。」

俺はそれをカバンの中にしまった。

「少し外の様子を見てくる」
パリオスはそういって出ていった。


俺はウトウトしながら
色々かんがえていた。

「もし、敵がずっと攻めてこなかったら
いつまでこんな生活を続ければいいのだろう・・・」

「あぁ、、、、そろそろ新しいiPhone出たかなぁ・・・」

そんなことを考えながら眠りにつく・・・

その時だった。

外から、ものすごい衝撃音が聞こえた。

俺は一瞬で目が覚め
外へ向かった。

「こっちへ来るな!!!逃げろ!!」

パリオスの声がした。

しかし、俺は進む足を止めなかった。

外に出た。

「パリオス、大丈夫か?」

そういって目に映った光景に俺は絶望した。



続く・・・?


○あとがき

こちらの小説は思いつきで久しぶりに書き始めたのですが
中々更新できずに下書きに保存していました。笑


正直、疲れてしまったのでここで一度公開し
皆さんの応援があれば、「Kindle書籍」で
完成版を公開します。


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以上。


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