老後を考える前に、まず「今」を立て直したかった|独身アラサーが200万円を使って得たもの
「独身のまま老後を迎えたら、私はどうなるのだろう。」
最近、そんなことを考えるようになりました。
老後のお金。
働けなくなったあとの暮らし。
住む場所や、人とのつながり。
考え始めれば、不安になることはいくらでもあります。
けれど少し前までの私は、老後どころか、数年先のことさえまともに考えられていませんでした。
毎日の仕事を終えるだけで精いっぱい。
自分が何にいくら使っているのかも、これからどこで暮らしたいのかも、深く考えたことがありませんでした。
そんな私が正社員を辞め、リゾートバイトやワーキングホリデーを経験し、無職だった期間も含めて約200万円を使いました。
貯金という数字だけを見れば、大きな後退です。
「あの200万円を残しておけば、将来もっと安心できたのではないか。」
そう思う夜が数え切れないほどあります。
それでも、あの時間がすべて無駄だったとは思っていません。
なぜなら私は、200万円と引き換えに、ようやく自分の人生を自分で考え始めたからです。
今回は、私が老後や将来について考えるようになるまでのお話です。
未来を考える余裕すらなかった
20歳を過ぎてからの私は、手取り16〜18万円ほど、ボーナスなしの生活を続けていました。
観光業から販売業へ転職したときには、正社員として雇用されるはずが、実際はパート枠。何度か会社へ掛け合いましたが、手取り12万円ほどの状況は変わりませんでした。
その後、再び転職。
最後に勤めた会社では、毎日のように12時間を超えて働いていました。
休日も、心から休めていた記憶はあまりありません。
真っ暗な部屋で食事を注文し、ベッドの上でぼんやり過ごす。
いつ職場から、「ごめん、お店に来られる?」と連絡が来るか分からない。
身体は休んでいるはずなのに、気持ちはずっと仕事から離れられませんでした。
やがて、心と身体の両方に不調が現れるようになりました。
「このまま働き続けて、私は何のために生きるのだろう。」
そんなことまで考えるようになり、「この環境に身を置いていれば、いつか力尽きてしまう。」と危惧し、勇気を出して退職届を出しました。
けれど、最初の退職届は受け取ってもらえませんでした。
「今さら転職して何をするの。」
「そんなことで生活できるの。」
「ワーキングホリデーなんて、遊びに行くだけでしょう。」
いろいろな言葉を受けながら、実際に辞められるまでには半年ほどかかりました。
今振り返っても、退職したことがすべて正しかったとは言い切れません。
仕事を辞めたあと、人生が急に明るくなったわけではないからです。
お金の不安もありましたし、次に何をすればいいのか分からず、立ち止まった時期もありました。
それでも、あのまま働き続けていたら、自分の将来を考えるところまで辿り着けなかったと思います。
私にはまず、未来を考えるための余白が必要でした。
200万円を使って、人生を一度止めた
正社員を辞めたあと、私はリゾートバイトやワーキングホリデーへ行きました。
リゾバが見つかるまでの間にも、生活費はかかります。
海外へ渡れば、航空券や家賃、食費、保険など、さらに多くのお金が必要です。
そうして気づけば、将来のために貯金していた約200万円ほどのお金は大きく減り、手元に残った貯金は70万円ほどになっていました。
正直に言えば、ものすごく焦りました。
「さすがに使いすぎたのではないか。」
「この先、本当に大丈夫なのだろうか。」
数字を見るたび、不安になりました。
ですが、貯金を使ったあの時間の中で、それまで持っていなかったものを少しずつ身につけることができたのは事実です。
決して、特別な資格や華やかな経歴ではありません。
・暮らしを自分でつくる力
・完璧でなくても動く力
・今の選択が未来にどう影響するのかを考える力
お金と引き換えに、私はこれらを手に入れることができました。
海を渡って変わった私の行動力
海外へ行ったとき、私は初めて、自分が生活について何も知らなかったことに気づきました。
・ライフラインを整える
・住む場所を確保する
・毎月の支出を把握する
・限られた食材で自炊する
日本ではインターネットで簡単に手続きできたり、家族や友人に助けてもらったりしていたことが、海外では思うように進みませんでした。
言葉の問題もありましたが、それ以上に苦労したのは、自分の性格でした。
「間違えたらどうしよう。」
「きちんと調べてからでないと動けない。」
「こんなことを聞いたら、迷惑かもしれない。」
慎重に石橋を叩き続けて、結局渡れない——そんなことが滞在中に何度もありました。
けれど、生活していくためには、完璧になるまで待っていられません。
分からないことは聞く。
できないことは助けてもらう。
失敗したら、そのときに考える。
少しずつですが、そう思えるようになりました。
そして、自分でも驚くほど行動できるようになったのです。
当時の私は27歳。
人生で初めて「私でも、1人でちゃんとできるんだ。」と思えた経験でした。
「今」の選択が、未来の自分をつくっている
会社員だった頃の私は、将来への影響を考えずにお金を使うことがありました。
内容を十分に確認しないまま契約する。
「まあ、カードで払えばいいか。」と、支出を先送りする。
毎月いくら使っているのかも、はっきり把握していませんでした。
けれど、貯金が減っていく現実を目の前にして、初めてお金と向き合うようになりました。
・固定費を確認する
・支払いを整理する
・毎月の支出を目に見える形にする
・貯金の目標を決める
・積立や投資について、自分なりに調べてみる
どれも、すでに多くの人がしていることかもしれません。
それでも私にとっては、27歳になってようやく始めた、新しい習慣でした。
そこで初めて気づきました。
「老後は、ある日突然やってくるものではない」と。
◼︎今日の働き方
◼︎今日のお金の使い方
◼︎今日選んだ住む場所
その小さな選択が積み重なった先に、未来の暮らしがあることに、恥ずかしながら27歳で気づきました。
老後を考えることは、遠い未来だけを見ることではなく、今の生活を見直すことなのだと思うようになってから、自分の「老後」に対する考え方が大きく変化したのです。
結婚を前提にしない人生を、どうつくるか
私は現在、結婚を人生の最優先にはしていません。
この先も独身でいるのか。
それとも、いつか誰かと暮らすことになるのか。
それは、今の私にも分かりません。
もし一生ひとりで暮らすなら、どれくらいのお金が必要なのだろう。
働けなくなったとき、どこに住むのだろう。
困ったときに頼れる人はいるだろうか。
お金だけでなく、人とのつながりや、心身の健康についても考える必要があります。
もちろん、すべてに今すぐ答えを出すことはできません。
不安を完全になくすこともできないでしょう。
それでも、「まだ先のことだから」と放置するより、分からないなりに考えてみる。
今できることを、一つずつ試してみる。
それが、未来の自分に渡せる小さな備えになるのだと思います。
200万円は高かった。それでも、無駄ではなかった
約200万円を使ったことを、誰かに勧めたいわけではありません。
会社を辞めることも、海外へ行くことも、すべての人にとって正解ではありませんから。
できることなら、私のような無計画に突き進むことなく、慎重に考えて行動することをおすすめします(上から目線ですみません😓)
現に、200万円を貯金したまま残せていたら、今より将来への不安が少なかった可能性がありました。
だから私は、「経験に使ったお金だから、全部よかった。」ときれいにまとめるつもりはありません。
高い勉強代だったし、遠回りだったとも思います。
もっと早く知っておきたかったことも、たくさんありました。
それでも、あの時間がなければ、私は今も自分の暮らしについて考えないまま働き続けていたかもしれません。
お金を失ったことで、お金の大切さを知りました。
知らない土地で暮らしたことで、自分に必要な環境を考えるようになりました。
ひとりで不安になったことで、誰かに頼ることを覚えました。
そして、未来が怖くなったからこそ、未来へ備えようと思えるようになりました。
あの決断をしなければ、きっと私は今も「まあいいや。」で日々を大切にせずに過ごしていたのかなと思います。
このシリーズで綴っていくこと
「独身アラサー、老後に備える(旧タイトル:アラサー独身が『老後』について考える)」では、独身のまま迎える場合の老後に直面する問題(お金や仕事、住まい、人とのつながりなど)を中心に率直な気持ちや考えを綴ります。
「今の私」が備える老後。
人生の先輩方からすれば、「詰めが甘いな。」と思われる記事を公開するかもしれません。
しかし、それらは紛れもなく「今の私」が実際に考え、備えていること。
同じように将来へ不安を感じている方に、「ここにも、分からないまま考えている人がいる。」と伝われば嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
Bamirah
⭐️老後シリーズのマガジンはこちら⭐️
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