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「この会議、なんのためにやってるんだろう?」P&Gがすべての仕事を「目的」から始める理由

「この会議、なんのためにやっているんだろう?」


仕事をしていて、そう思ったことはないでしょうか。


毎週同じメンバーが集まり、順番に進捗を報告する。しかし、何かが決まるわけでも、誰かの行動が変わるわけでもありません。


定例だから会議を開く。依頼されたから資料を作る。設定されたからKPIを追う。


本来、会議や資料、KPIは何かを実現するための手段です。しかし目的が曖昧なまま仕事が始まると、手段を実行すること自体が目的になります。


一方、世界的な消費財メーカーであるP&Gには、会議、資料、メール、戦略のすべてを「目的」から考える文化があります。



第1章 目的のない仕事が、職場にあふれている


たとえば、当初は意思決定のために始まった会議が、いつの間にか進捗報告の場になり、最後には「毎週開催するものだから開催する」という状態になることがあります。


参加者は会議のために資料を作り、説明し、議事録を残します。しかし、何も決まりません。


問題は、会議の進め方ではありません。


「会議が終わったとき、何が決まっていれば成功なのか」が定義されていないことです。


目的がなければ、必要な参加者も、準備すべき情報も、議論すべき論点も決まりません。目的のない会議を効率化しても、無駄な仕事を短時間で終えられるようになるだけです。


第2章 P&Gでは、会議も資料も目的から始まる


元P&Gマーケターの足立光氏によると、P&Gでは会議、書類、メールの最初に目的を示すことが基本だったといいます。


P&Gの書類では、冒頭に「Objective」を置きます。


「新商品の売上について」とテーマを書くのではなく、


「情報を共有したい」


「意見がほしい」


「この選択肢から意思決定してほしい」


「施策の実行を承認してほしい」


と、相手に求める判断や行動まで明確にします。


目的が情報共有なら、会議ではなくメールで済むかもしれません。意思決定が目的なら、選択肢と判断材料を準備できます。


目的を決めることは、資料を読みやすくする技術ではありません。そもそも会議が必要なのか、誰を呼ぶべきなのかを判断する起点なのです。


第3章 目的がなければ、戦略もKPIも決められない


目的から始める考え方は、日常業務だけでなく戦略にも及びます。


P&G元CEOのA.G.ラフリー氏らは、戦略を次の5つの選択で整理しました。


何を勝利とするのか。どこで戦うのか。どのように勝つのか。どの能力が必要か。どの管理システムが必要か。


最初に置かれるのは「何を勝利とするのか」という目的です。


目的が決まって初めて、戦略や施策、KPIを決められます。


しかし多くの職場では、KPIが先に置かれます。売上、会員数、認知率、クリック率といった数字を追いながら、「なぜこの数字を上げる必要があるのか」を説明できません。


KPIは目的ではありません。目的を達成できているか確認するための道具です。


第4章 目的を個人の意識ではなく、仕組みにする


P&Gの特徴は、目的を大切にする姿勢を個人の意識に任せていないことです。


公式の行動原則には、「明確に定められた目的と戦略に従い業務を行う」と書かれています。


さらに、事業に価値を加える仕事に集中し、作業を可能な限り単純化、標準化、合理化することも明記されています。


目的が明確だから、その仕事が価値を生んでいるか判断できます。価値がなければやめ、必要であっても簡単にできるなら簡素化します。


また、P&Gは企業目的や行動原則を入社時から教育し、全社員に繰り返し確認させています。


文化とは、社員が自然に理解するものではありません。重要な考え方を、言葉、教育、ルール、業務プロセスによって反復した結果として生まれるものです。


第5章 目的が明確だから、手段を捨てられる


P&Gの研究者たちは当初、水不足に苦しむ地域で、汚れた洗濯水を再利用するための技術を研究していました。


しかし研究を進める中で、その技術を使えば、汚染された水を飲める状態にできることが分かりました。


そこでP&Gは、洗濯水の再利用という当初の用途に固執せず、安全な飲み水を提供する技術へと発展させました。


P&Gの目的は、洗濯水を再利用することではありません。消費者の生活を向上させることです。


目的が明確だったからこそ、最初に決めた手段を捨て、より大きな価値を生む方法へ変更できたのです。


「この会議、なんのためにやっているんだろう?」


そう思ったとき、会議時間を短くする前に確認すべきことがあります。


この会議が終わったあと、何が決まっていれば成功なのか。誰に、どのような行動をしてほしいのか。


それが答えられないなら、必要なのは新しい資料ではありません。


まず、目的を決めることです。


P&Gが教えてくれるのは、高度なフレームワークではありません。


仕事を始める前に、「何のためにやるのか」を決める。


その当たり前を、会議、資料、戦略、教育、事業活動のすべてで徹底することが、強い組織をつくるのです。


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参考資料




https://www.emerald.com/sl/article/41/4/4/353116/Instituting-a-company-wide-strategic-conversation


https://s204.q4cdn.com/332108499/files/doc_downloads/PG-Training-disclosure.pdf



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