noteを伸ばす戦略をワンページメモにまとめてみた
noteを始めた目的は、読者を増やすことではなかった。
仕事で得た知識や、自分の中で整理したマーケティングの考え方を、忘れる前に文章としてストックしておきたかった。
だから、最初はビュー数もフォロワー数も、それほど気にしていなかった。
しかし、noteには数字が表示される。
この記事は伸びた。
この記事はスキ率が高いのに、ビューが伸びない。
昨日よりフォロワーが増えた。
数字が見えると、なぜ伸びたのか、何を変えればもっと伸びるのかを考えてしまう。
マーケターの性なのだと思う。
せっかくなら、マーケティング知識をストックするという当初の目的を守りながら、読者も増やしたい。
そうすることで、知識を忘れないだけでなくnoteという市場の実戦で使いながら磨くこともできるので一石二鳥になる。
そこで、以前の記事で紹介したワンページメモを使って、自分のnoteを伸ばす戦略を考えてみることにした。
【noteの構造をアレンバーグ・バスで読み直す】
まずは、noteの構造をアレンバーグ・バスの考え方に置き換えてみる。
私のnoteを一つのブランドとす
記事を読むことを購買と考える。
すると、noteを成長させるために重要なのは、少数の読者に何度も読んでもらうことだけではない。
一定期間に一度でも記事を読む人を増やすこと、つまり読者への浸透率を高めることになる。
アレンバーグ・バス研究所は、ブランドの成長には、より多くのカテゴリー購買者に思い出され、購入可能な状態をつくることが重要だと説明している。
また、ブランドを思い出すきっかけとなるCategory Entry Pointを広く持つほど、メンタル・アベイラビリティを高めやすい。
これをnoteに置き換えると、私の記事を読む入口が、
「マーケティングを学びたい」
だけでは狭すぎる。
対象を、
「仕事に役立つことを学びたい」
まで広げれば、多少は市場が大きくなる。
しかし、それでも仕事の学習意欲がある人に限られる。
では、多くの人が日常的に持っている記事を読む入口は何か。
自分の好きなものである。
好きな漫画。
好きなアニメ。
好きな音楽。
好きなスポーツ。
好きなキャラクター。
マーケティングを学びたいとは思っていなくても、自分の好きなものについては知りたい。
マーケティングに従事している人も、マーケターである前に、何かのファンである。
そこで、
「マーケティングを学びたい」を入口にするのではなく、「好きなものについて知りたい」を入口にする
という戦略を考えた。
人気のあるコンテンツで新しい読者との接点を増やし、そのコンテンツをマーケティングで紐解くことで、自分の記事ならではの価値をつくる。
記事を読む理由は、好きな作品だから。
しかし、読み終わったときには、マーケティングも少し理解している。
この構造なら、マーケティング知識をストックしながら、これまで記事が届かなかった人にも接触できる。
この仮説を、ワンページメモにまとめてみる。
【note成長戦略|ワンページメモ】
■目的
当初の目的であるマーケティング知識のストックを満たしつつ、noteを一度でも読む人の数を増やす。
■背景・現状
「noteでマーケティングを学びたい人」は限定的である。
「noteで仕事を学びたい人」まで広げても、仕事の学習意欲がある人に限られる。
一方で、多くの人には好きな作品、音楽、スポーツ、キャラクターがある。
マーケティングに興味がない人も、自分の好きなものについては読む。
現在はマーケティングそのものを入口にしているため、記事の内容に満足する人がいても、最初に記事へ接触する人数が限られている。
■戦略
好きな人が多いIPをマーケティングで紐解き、IPへの関心を入口に新しい読者を獲得する。
戦略を考えるにあたり、note上でどのIPが多く語られているかを調べた。
noteはIPごとの読者数や検索回数を公開していないため、ハッシュタグの投稿蓄積量を市場規模の代理指標とした。
調査時点では、主なIPの投稿数は次のようになっていた。
- ポケモン:約6.6万件
- 鬼滅の刃:約2.7万件
- ガンダム:約2.3万件
- ジブリ:約1.6万件
- 名探偵コナン:約1.1万件
- サンリオ:約7,400件
投稿数は読者数そのものではないが、note上でどれだけ継続的に語られてきたかを見る一つの目安にはなる。
この結果から、単純な市場規模ではポケモン、鬼滅の刃、ガンダムが大きい。
一方で、今回の戦略では市場規模だけでなく、
- ファンが長文で語りたくなるか
- マーケティングで新しい解釈を提示できるか
- 自分の知識で無理なく分析できるか
- 既存の感想記事と違いをつくれるか
も重要になる。
これらを踏まえ、初期の優先IPを次のように設定する。
ポケモン
市場規模が最も大きく、ゲーム、アニメ、カード、グッズなど接点も多い。世代交代、浸透率、ブランド資産など、マーケティングで説明できる論点も多い。
サンリオ
投稿数は最大ではないが、キャラクター・ポートフォリオ、推し、ライセンス、接点の多さなど、マーケティングとの接続性が高い。サンリオ公式の記事にも高い反応が見られ、長文でブランドの背景を読む需要も確認できる。
名探偵コナン
毎年の映画公開によって話題が再活性化しやすい。恒例行事化、休眠ファンの再参加、キャラクターごとの入口などを分析できる。
ジブリ
映画感想だけでなく、人生、音楽、建築、思い出など、さまざまな切り口で語られている。作品を別の視点から深く読むnoteの文化と相性がよい。
ガンダム
市場規模が大きく、作品数、世代、キャラクター、プラモデルなど入口が多い。ファン側にも作品を構造的に考察する文化がある。
鬼滅の刃も市場は大きいが、既に作品解説やビジネスへの応用記事が多く、一般的な切り口では埋もれやすい。
そのため、初期の中心には置かず、マーケティングでなければ説明できない問いが見つかった場合に扱う。
■具体的な行動
「好きなものをマーケティングで読む」というシリーズをつくる。
例えば、
- ポケモンはなぜ、世代が変わっても新しいファンを獲得できるのか
- サンリオにはなぜ、誰にでも「自分の推し」が見つかるのか
- コナン映画はなぜ、毎年の恒例行事になれたのか
- ジブリはなぜ、何十年前の作品でも繰り返し思い出されるのか
- ガンダムはなぜ、作品を増やしてもブランドが薄まらないのか
といった記事を書く。
記事はファンが感じている疑問や現象から始める。
その現象を、メンタル・アベイラビリティ、Category Entry Point、浸透率、ディスティンクティブ・アセットなどのマーケティング理論で解釈する。
最後は理論の説明ではなく、そのコンテンツがなぜ愛されているのかという話に戻す。
人気IPの記事を入口にして、記事内で使ったマーケティング理論の解説記事や、自分の実務経験を書いた記事へつなげる。
■意思決定
今後は、マーケティングそのものを入口にした記事だけではなく、好きな人が多いIPをマーケティングで紐解く記事に、執筆時間を優先的に使う。
初期は、ポケモン、サンリオ、名探偵コナン、ジブリ、ガンダムを中心に記事を作成する。
人気IPの記事で新しい読者との接点を増やし、マーケティング理論の記事と実務記事を、その読者を受け止める知識資産として蓄積する。
【変えるのは、書く内容ではなく入口】
私がnoteにストックしたいものは、これまでと変わらない。
マーケティングの知識である。
ただし、マーケティングに興味がある人だけを待っていても、届く範囲は限られる。
だから、マーケティングを入口にしない。
多くの人がすでに持っている「好き」を入口にする。
ポケモンが好きだから読む。
サンリオが好きだから読む。
コナンが好きだから読む。
ジブリが好きだから読む。
ガンダムが好きだから読む。
読み始める理由は、マーケティングでなくていい。
読んだあとに、
「マーケティングには、こんな見方もあるのか」
と思ってもらえればいい。
好きな人が多いコンテンツをマーケティングで紐解き、マーケティングを学ぼうと思っていなかった人にまで、その面白さを届ける。
変えるのは、ストックする知識ではない。
その知識を届ける入口である。
