…白の余白 夏の贈り物
第1作 スイカ
第2作 風鈴

太陽のスイカ
みずみずしく、はじけそうなスイカ
ちょこっと塩をかけて、甘じょっぱいスイカ
どこから食べようか悩むスイカ
青々としたその姿は、
キラキラと雫をまとって転がり込む
乾いた風に誘われて
太陽の王様、スイカの季節がやってきた
せーので包丁を入れた瞬間
ぱっと広がる甘い香り
きらめく果肉にほんのひとしお
甘さがぐっと引き立ち
夏の味わいが完成する
さあ、
一番甘い真ん中?
それとも端っこ?
迷う時間なんて一瞬で吹き飛ぶ
シャリッ、ザクッ!
かじりついた先からあふれ出す果汁
冷たい微笑みが一気に口を満たす
テレビのあれ、やってみる?
それっ!右に左に、
ガツガツ、ムシャムシャ
滴るしずくも気にせずに
鼻の頭まで赤くして
夏のめぐみを顔いっぱいで
【余白的好奇心】
この瑞々しいスイカのルーツは、灼熱のアフリカの砂漠地帯にあるらしいのです。かつては旅人たちの「生きた水筒」として命を繋いだ野生のスイカが、何千年の時を経て甘く優しい夏のご馳走に。太陽の光をめいっぱい浴びて育つそのたくましいルーツを知って、夏場に私がスイカを求めるのは、本能的なものなのかもと思います。
夏の音の風鈴
白いカーテンが、
やわらかく揺れる静かな窓辺。
チリリーン、とひとつ。
あ。
夏のピエロが、
また、いたずらを思いついたらしい。
どこからともなく、
気まぐれな風に連れられて、
チリリーン。
チリリーン。
チリリーン。
あ。
今のは3回。
透明なガラス玉を転がすように、
小さな音が、
窓辺をころころと駆けていきます。
そうだね、この音色を今、
街のどこかで誰かも耳にして、
ふっと笑顔をこぼしているかな。
照り返す陽射しに、
空が少しだけ黙り込む午後。
そんな夏の真ん中で、
小さなガラスのピエロは、
誰にも気づかれない演奏会を、
今日もひとりではじめます。
風を待ち、
風に笑い、
風が去れば、
何事もなかったように黙ってしまう。
だから、
次はいつだろう。
夏のピエロは、
いたずらみたいに、
ひとつだけ置いていきます。
──チリリーン。
あ。
ほら、ピエロ。
ああ、
夏は、
ここにいる。
【余白的好奇心】
ガラスの風鈴、江戸風鈴はあえて切り口を切りっぱなしのギザギザのままにしているそうです。きれいに整えてしまうとあの音が出なくて、ギザギザだからこそ、あの優しくて深みのある余韻「チリリーン」という涼やかな音色が生まれるらしいのです。きれいに整えすぎない手仕事の味わいを知ると、風に揺れる音がなんだか一層愛おしく、まぶたを閉じるとほら、聞こえてきます。
おしまい。
見つけてくれてありがとうございました
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