ヴォーン・ウィリアムズ《チューバ協奏曲》のための研究ガイド(2017)
論文情報
橋本晋哉「ヴォーン・ウィリアムズ《チューバ協奏曲》のための研究ガイド」
『洗足論叢』第46号、2017年度、pp.291–306.
概要
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ《チューバ協奏曲》は、1954年に作曲されたチューバ協奏曲であり、今日では最も重要なチューバ作品の一つとして広く演奏されています。本稿では、
作曲の背景
フィリップ・カテリネットによる初演
各楽章の楽曲分析
《交響曲第8番》、他作品との関連
などを取り上げ、この作品を演奏・研究するためのガイドとしてまとめました。特に楽曲分析では、各楽章の構造や主要モティーフ、和声的特徴を整理し、演奏実践との関連を考察しています。
執筆の背景
チューバ奏者にとってこの《チューバ協奏曲》は避けて通れない重要作品ですが、当時参照できる日本語資料は多くありませんでした。また、演奏機会が多い作品である一方、「なぜそのような構造になっているのか」「どのような背景で作曲されたのか」という点まで踏み込んで扱われることは少なかったように思います。そこで本稿では、演奏ガイドとしての実用性を重視しながら、作曲背景と楽曲分析の両面から作品を読み解くことを目指しました。
現在から振り返って
本稿の執筆を通じて改めて感じたのは、この作品が単なる「チューバの名曲」として決まったアプローチをするだけでなく、20世紀英国音楽の流れという文脈の中で理解することで、より広い視野で演奏に臨めるということでした。本稿は、特殊奏法や楽器研究を中心としていたそれまでの研究から、個別作品の分析へと視野を広げるきっかけとなった論考でもあります。
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