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【Mirage】幻影〜交響的肖像"さまよえるオランダ人"の伝説〜

おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

麻辣湯にどハマりしてる河野です。

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【金管バンドナビ】62 Brass in Concert 2025②

Brass in Recital 17th

金管楽器とピアノによるソロ演奏会「Brass in Recital(BiR)」が、第17回を迎えます。本公演は、クラシックをより多くの方に気軽に楽しんでもらいたいという思いから、入場無料で開催される音楽会です。

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【Mirage】幻影〜交響的肖像"さまよえるオランダ人"の伝説〜

今年7月、オランダ・ケルクラーデで開催される**世界音楽コンテスト(World Music Contest)**において、
金管バンド部門の最上級セクション課題曲として採用されているのが、
**《Mirage(幻影)——交響的肖像「さまよえるオランダ人」の伝説——》**です。

現在、共に出場する Immortal Brass Eternally のメンバーとともにこの作品を創り上げていますが、
勉強も兼ねて、本稿ではこの曲について書いてみたいと思います。

作曲者ヤン・デ ハーン(Jan de Haan)

1951年、オランダ北部フリースラント州ワーンズに生まれ、吹奏楽に心酔していた父の影響を強く受けて育ちました。
10代の頃より指揮に強い関心を示し、17歳の頃には複数の吹奏楽団体で指揮を務めるようになります。

18歳になるとレーワルデンにある音楽大学で音楽教育学およびトロンボーン演奏を学び、
25歳でユトレヒト音楽大学(コンセルヴァトリウム)にて指揮専攻修士ディプロマを修得しました。

その後、指揮者として数多くの吹奏楽団体や金管バンドで活躍しました。
その中には、世界的にも知られる強豪バンドの一つである ソリ・ブラス(Soli Brass) も含まれています。

1978年から1989年までの11年間、オランダのテレビおよびラジオ放送局において、指揮者兼作・編曲家としても活動し、140以上の番組制作に携わりました。

2026年現在、さまざまなジャンルのために作曲された自身の作品は、150作品を優に超えています。全作品

金管バンド作品

幻影〜交響的肖像"さまよえるオランダ人"の伝説〜

  • 作曲年 : 2025

  • 原題 : Mirage A Symphonic Portrait inspired by the saga of ‘The Flying Dutchman’

  • 題材 : イギリスの伝承より幽霊船「さまよえるオランダ人」

  • 尺 : 15分

  • 初演(不確定) : オランダ・オープン2025、フローニンゲン州立金管バンド(Provinciale Brass Band Groningen)による演奏

  • 2026年世界音楽コンテスト金管バンド部門最上級セクションの課題曲に選出

作曲者による解説

「曲の冒頭は謎と不安を表す蜃気楼から始まります。その後聞き手は大海原に連れ出され、そこには徐々に姿を表す幽霊達の影が見え始めます。その後突然曲調は変わり、猛威を振う自然と船の戦いを表し、奏者たちは限界に挑戦させられます。その後一転して静けさを取り戻した海、そこには蜃気楼が再度現れ抒情的な情景が表現され、ソリストたちはこの幽霊船の伝説を語る語り部となります。フィナーレでは幽霊船の帆が再び掲げられ、再び終わらない航海が始まります。」

フローニンゲン州立ブラスバンドによる演奏

作曲者による紹介ページ

さまよえるオランダ人~Flying Dutchman~

幽霊船の形で現れる最古の文献は、1795年のジョージ・バリントン(英語版)の『ボタニー湾への旅』(Voyage to Botany Bay)で、次のような話である。

オランダ人が喜望峰沖で遭難し、乗組員は全員死亡した。 1隻の船が同行していたが、無事ケープ(現・南アフリカ共和国)に着き、一度ヨーロッパに帰って、またこの海域に戻ってきた。

事故のときと同じ緯度に達したとき、遭難した船の幽霊船を見張りが見つけた。 船がケープに着くと、船員はその話を触れ回り、幽霊船は「フライング・ダッチマン」と呼ばれるようになった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%B3

1821年の雑誌『ブラックウッズ・マガジン』では、次のように書かれた。

幽霊船は、70年前(1751年)に出港したアムステルダム船である。 船長はヘンドリック・ファン・デル・デッケン(Hendrik van der Decken)である。 ケープタウンへ向かってテーブル湾に入る直前で激しい向かい風となったため、船長は風を罵った。 その夜、船が船長に「今夜中に湾に入る気か?」とたずね、船長は「最後の審判の日までかかっても入ってやる」と答えた。

その結果、船は今も湾に入れず近海をさまよっている。悪天候のときのみ見ることができる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%B3

注:ワーグナーの作品はまた別物である。

所見

これまで取り組んできた金管バンド・コンテスト課題曲の中では、構成は良い意味でシンプルであり、技巧的な難易度も決して高い作品ではありません。
そのため、他のバンドとどのように差別化を図るかが、大きな課題になると感じています。

また、前述の理由から、音色、音量、バランス、和声感、ヴィブラートといったバンドの基礎的な能力、さらにはそれらすべてを用いた表現の幅を、上下左右360度へと一層広げていきたいと考えています。
その上で、バンド本来の魅力が存分に発揮される演奏を目指したいと思います。

何はともあれ、Immortal Brass Eternally の皆さんとの音楽づくりを、心から楽しみにしています。

今日もありがとうございました。

Thank you

Kazz


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